さて、もう機内です。飛行機は滑走路へと滑り出しました。私の手摺を持つ指に力が入りました。が、心配した程の事は無く、比較的穏やかにジェット機は大空へと飛び立ちました。水平飛行に入ると皆一息着いた感じで、長い飛行時間に向けて想い想いの準備を始めました。
私は機内でフルムーンのご主人と話した記憶と、同行ガイドさんと話した記憶があるので、途中で誰かと席を変わった様です。ご主人とは新聞の話をしていました。ご主人は、当時私の取っていた新聞は良くないと言われるので、私は良いと勧められたので取った事を話しました。読んでいて自分でも良い新聞だと思うと言うと、至極真面目な顔で変えたほうが良いと助言されました。
「いったい誰があそこの新聞を勧めたのかね。」
と言われるので、学校の社会の先生が社説を読むと大学入試に役立って良いと言われたというと、ご主人はかなり腹立たしげに
「あんな嘘つきな新聞。」
とムッツリされて、怪訝な顔をしている私を横に、又は前後にかもしれませんが、全く黙ってしまわれました。以降は黙々と何か読んでおられたようでしたが、その後徐々に席替えが行われ、最終的に私はガイドさんと並んでスクリーンのすぐ前の席になりました。私達の前にはスクリーンの下に壁のような仕切りがあるだけです。
「この席もいいんですよ、こうやって足が伸ばせますから。」
と、彼女は手本を示して壁に足をかけました。成る程、足がまっすぐに伸ばせて楽そうでした。私もすぐにやって見ました。こんな事初めてです。バスや汽車でもしたことがありません。飛行機ならではの事だと感心してしまいました。
よく旅行されて飛行機に乗られるだけに何でも知っておられるのだなぁと、流石ガイドさんだと思います。ちょっと行儀が悪いかなとも思いましたが、ガイドさんが勧められるのだから、これが飛行機旅行でのコツというものなのだろうと、私は1つ覚えて帰れて良かったと思うのでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます