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世界遺産二つ目 パタン ④

2010-09-06 21:37:11 | ネパール
 クンベシュワールからは一度パタン旧王宮広場の入り口まで戻ります。 

 同じ道ではなく別の道を通って戻るようにした方が目に入るものが異なりいいでしょう。

 広場入り口から東の方に向かって10分ほど歩き、南に曲がって少し進みます。 そこにマハーボーダ寺院があります。 気をつけて歩かないと入口を見落としてしまうかもしれません。


 マハーボーダ寺院

 小さな門をくぐり細い路地の先にあるこの寺院は、インド・シカール様式のテラコッタで出来た寺です。
 高い塔の壁には無数の仏像が彫られています。 別名3000仏寺院と呼ばれますが実際には9000もあるそうです。

 1564年~1600年にかけ、親子三代で完成させたそうですが、ここも1934年の大地震で倒壊し、後に再建されたそうです。

 お釈迦さまが悟りを開いた地、ブッダガヤの大仏塔をまねて作ったので 「ネパールのブッダガヤ」 ともいわれています。


 正面には金剛杵、中にはお釈迦さまが祀られています。



 時計回りに進むと、お釈迦さまのお母様のマヤデヴィと生まれたばかりの釈迦が祀ってある寺があります。

マヤデヴィと生まれたばかりの釈迦





 マハーボーダ寺院を後にし、1分ほどのところにあるのが・・・



 ルドラ・ヴァルナ・マハヴィハール (ルドラ=恐ろしい ヴァルナ=色 マハヴィハール=大僧院)

 6世紀の開基ですが12世紀にルドラ・デーヴ王によって建て替えられています。
門の前にはりっぱなシンガ、シンギニです。




 二つ目の門の前にもシンガ、シンギニがいますが、その背に乗っている石造はとても珍しいものです。 ハリハラバハンロケショールといい ガルーダの上にヴィシュヌ、ヴィシュヌの上に観音様が乗っているものです。 

ハリハラバハンロケショール (ハリハラ=ヴシュヌとシヴァの合体したものですがここの物はヴィシュヌのみ バハン=乗り物 ロケショール=観音様)


寺院の中には、顔が赤いので恐ろしいといわれる 「赤お釈迦さま」 が祀られています。





 初めてのネパール訪問の最終日、パタンの山車祭りがあるからと案内してもらいました。 その晩、夜中の便で日本に帰るという日の夕方のことでした。


 パタンの山車祭り

 パタンの山車祭りはネワール族の 「赤観音さま」 のお祭りです。 カトマンドゥ盆地の祭りの中でも最も有名だそうです。 期間も長く4月~6月にかけて続きます。

 広い通りは人、人、人で埋め尽くされ、巨大な車輪の上にびっしりと木の葉をつけた山ほこが、先導役の合図で少しづつ、少しづつ進み、街じゅうを練り歩きます。 町の隅から隅までなので2ヶ月もかかるということです。


 このお祭りの出発地点がこれから向かおうとするマチェンドラナート寺院です。


 ルドラ・ヴァルナ・マハヴィハールからは西に向かって10分ほど歩き、ちょうど旧王宮広場の入り口から北に伸びる通りに出たら北に少し進みます。



 マチェンドラナート寺院にお参りする時は、必ずその向かいにあるユニークな像のあるミンナート寺院にお参りしてから行くのだそうです。



 ミンナート寺院

 この寺にはミンナートという死の神様が祀られています。ミンナートのことを 「ヨマ」 といいます。
 
 寺院前にいるオレンジ色の怖い顔をした二体は 「ヨマドゥト」 といい、「ヨマの大使」 という意味。


 人が亡くなる前になると (ある年齢になると) 彼らドゥトがロープを持って迎えにくるそうです。 
ある年齢って・・・!?  元気でもっと長生きしたいと思う人もいるでしょうに・・・ おっと、神さまの前であらぬ煩悩を抱いてはいけない、いけない。
 



 マチェンドラナート寺院はミンナート寺院の斜め向かいなのですが少し奥まったところにあります。



 マチェンドラナート寺院




 パタンの山車祭りは、この寺から 「赤観音様(ラト・マチェンドラナート)」 を乗せて出発します。 約2ヶ月間かけて町内をくまなく巡ります。 「赤観音さま」 は祭りの最後の日に、のちに紹介するブンガマティという村のマチェンドラナート寺院に移されます。

 一つの像(神さま)が半年づつ、二つの寺院を行ったり来たりするのです。二つの寺で一つの像を共有するのは珍しいということです。

 この観音様はカトマンドゥ盆地にある四つの観音様の中では一番位が高いとか。

 私が伺った時はお留守でお目にかかることができませんでした。

 この寺院は15世紀の開基。 パタン旧王宮のどの建物より古いとのこと。 正面のシンガ、シンギニも他とはまた少し違い何だかかわいいです。 (ここもオス、メスがはっきりわかりますね) 石造に銅版がかぶせてある・・とディネシュさんは言っていましたが確認しそびれました。



 境内にはたくさんの石造があります。 どれも厳重に檻の中。 盗まれないようにガードしているのだそうです。

鳥人ガルーダ (ヴィシュヌの乗り物)


聖牛ナンディ (シヴァの乗り物)


ナーガ=コブラはシヴァ神を守護する侍者