25日の「人を殺さずに問題を解決する」の続きで、27日付「日曜版」の該
当記事をそのまま写します。なお、25日の写真を参考にして下さい。
アン・ライトさんの経歴 ≪アーカンソー州出身。アーカンソー大学、海軍大学
校を経て、陸軍に13年間、陸軍予備役に16年間。国務省では、01年のアフ
ガニスタンで米大使館再開に従事。03年にイラク戦争に抗議して辞職した後、
平和運動に加わる≫
記事のリード部分 ≪安倍政権が狙う改憲の動きについて、このほど来日した
元米陸軍大佐で、4カ国で副大使も務めた元外交官のアン・ライトさん(67)=
ハワイ在住=に聞きました。 田中一郎記者≫
本文 ≪日本の憲法9条を初めて知ったのは5年前です。2008年に日本で
開かれた9条世界会議に招待されました。日本に自衛隊があることは知って
いました。 しかし、日本の憲法を読んだことはありませんでした。
読んでみて、びっくりしました。すばらしい。
9条には、“国際紛争を解決する手段として戦争はしない、軍隊は持たない”と
書いてあります。「人を殺さずに問題を解決する」ということです。
私は29年間、米陸軍にいました。そのときも政府が私たち=軍隊を使わない
よう望んでいました。
しかし私の国には、日本の憲法9条のようなものはありません。問題解決のた
めに軍隊を使う国です。それも何度も。軍隊を使うべきでない時に、です。
私は国務省でも働いていましたが、03年にブッシュ政権が始めようとしたイラク
戦争に抗議して辞職しました。やるべきではない戦争だったからです。
今も米政府は、パキスタンやソマリヤ、イエメンで無人機を使った攻撃を続けて
います。
米国では政治家は、外交を使うべきときでも軍隊を使います。米国は戦争国家
になっています。もし米国に9条があれば、今より、はるかにいい国になっていた
はずです。
もし日本で9条が投げ捨てられてしまったら、日本は米国と同じ問題に直面する
ことになります。若者は遺体として戦場から家に帰ってくることになります。生きて
いても、手や足を失い、体も心も傷つくことになります。
軍隊で知り合った私の友人たちは、ベトナムで、中米で、アフガニスタンで、イラ
クで死にました。
日本では、戦後65年以上、こういうことは起きませんでした。9条があったから
です。
9条を変えないでほしい。平和を望む米国民は、日本人が平和的な人々であっ
てほしいと思っています。
日本で多くの人が9条改定に反対していることは大事なことです。みなさん方は、
米国が見習うべき手本だからです。
日米両国には、戦争をなくすという目標こそ必要です。崇高な目標ですが、日本は、
すでにそれを(憲法で)実現しています。私たちは、米国でそれを実現したいと思って
います。≫