花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

ヤン・ファン・エイクの追随者《カーネーションを持つ男》。

2022-03-28 01:18:18 | 西洋絵画

ドイツ語版Wikipedeiaをチェックしていたら、ベルリン国立絵画館にあるヤン・ファン・エイクの追随者《カーネーションを持つ男》のモデルがクレーヴ(クレーフェ)のアドルフ2世(Adolf Ⅱvon Kleve、 1373- 1448年)かもしれない説があるのを知ってしまった

ヤン・ファン・エイクの追随者《カーネーションを持つ男》(1436年頃)ベルリン国立絵画館

https://de.wikipedia.org/wiki/Adolf_II._(Kleve-Mark)

「この絵は、1437年頃に作成された可能性があり、最近ルドヴィック・ニースによってクレーヴ(クレーフェ)のアドルフ2世の肖像画として解釈されました。これは何よりも聖アンソニーを表す鐘の付いたTによって示されています:アントニウスはクレーヴ(クレーフェ)公爵によって寄贈された騎士団の守護者でした。」

※ご参考:・L. Nys, « Jean van Eyck et Clèves. Pour seuls indices, des œillets 'de gueules et d'argent', un tau et une clochette! », in : Francia. Forschungen zur westeuropäischen Geschichte (Deutschen Historischen Institut Paris), t. 35, 2008, p. 63-94

ううむ、アドルフ2世なのだろうか??

※追記:下記↓サイトによると、パネルの年輪測定では1484年以降になっている。

https://www.bildindex.de/document/obj00001326


超簡単ヘルシーベーグル(^^;

2022-03-24 21:15:21 | 食べもの

2月に受診した人間ドッグで、いつも高過ぎるコレステロール値が更に上昇してしまった。コロナ禍自粛生活での楽しみと言ったら甘いものだから、こうなることは自分でも予測できてはいたのだが...

ということで、お茶タイムのおやつを何とかしなくてはいけないと反省、遅まきながらヘルシーなおやつ作りをすることにした。

私にもできそうな超簡単レシピをネットで検索し、参考にしたのは...超簡単でヘルシーなベーグル

https://www.youtube.com/watch?v=bJNBREr32c8

材料はオートミールと豆腐とベーキングパウダーだけの超ヘルシー。それもレンジで作れる!!

もちもちした食感が良い。いびつなのも手作り感があって良いでしょ?

甘味料無しでも、トッピングにドライフルーツを載せて、それなりに美味しかったのだった


ジュール・ミシュレ『フランス史【中世】Ⅴ』私的超サクッと感想(^^;

2022-03-22 21:49:23 | 読書

以前読んだジョゼフ・カルメット『ブルゴーニュ公国の大公たち』(国書刊行会)はとても面白い本であったが、フランス史から見たブルゴーニュ公国はどうなのだろう?と、ジュール・ミシュレ『フランス史【中世】Ⅴ』(第5巻)を図書館から借り、ようやく読み終えた。

ジュール・ミュシュレ(Jules Michelet, 1798-1874年)は19世紀フランスの歴史家であり、まぁ、なんと!「ルネサンス Renaissance (仏)」の造語者とされている。現代における歴史家としての評価はわからないが、アナール派に影響を与えたと言われており、私的にもなにやら頷けるものがある。

さて、【中世】Ⅴは百年戦争期を扱っており、英仏の思惑と攻防、そして、フランスという国家の統一までを描く。もちろん、フランス王と対立するブルゴーニュ公の思惑も、ジャンヌ・ダルクの奮闘と悲劇も登場する。ミュシュレの描く乙女は瑞々しくも賢く美しい。

しかし、私的にⅤで特に興味深かったのは、ブルゴーニュ公のフランドル支配におけるフランドル諸都市との軋轢の理由の一つとして、ゲルマン法とローマ法の違いに言及していることだった。

「低地ドイツだけでなくドイツ人全般にいえることだが、彼らは、わたしたちのような他のどこかの人間(autres welches)とくに成文法しか頼りにしない疑い深い南国人には、あまり敬意を抱かない。彼らにとって法律は人間の良心と誠意への確固たる信頼に基づくもので、耳で聴くものであった。フランドルで重要な裁判集会は、自由な人間が真理を共有するための集いであり、あくまでも「真理の率直で平和的な解明」をめざすものであった。各人は、たとえ自分にとって不利であっても、ほんとうのことを話さなければならなかった。実際は必ずしもそのとおりでなかったとしても、これがゲルマン法の理想であった。・・・しかし、フランドル伯とブルゴーニュ人やフラッシュ=コンテ人の法律家たち(レジスト legistes)は、こうしたフランドル人原初的規範を理解しようとは全くせず、これらの言葉のフランドル的意味を無視して、あくまでローマ法的に解釈し、行政官(magistaras)を任命し、そこから「loi(法律家・代訴人)」を選べば充分であると考えた。」(p320~p321)

確かに、ブルゴーニュ公国はフランスの高等法院のシステムをフランドルでも採用しているからね

そして、もう一つ私的に興味深い記述があった。

「ブルゴーニュ公は、その公国においても、フランスにおいても、あくまで政治的封建体制の首長であり、ほんとうの意味での封建領主ではまったくなかった。本来の封建制度の法を作りあげていたもの、領民をして自分たちに重荷をかけてくる人々に尊敬と敬愛の気持ちを抱かせていたもの、それは、領主が根底的に土着の人だったということである。すなわち、領主一家がその土地で生まれ、その土地に根を下ろし、みんなと同じ生活をしている人、いうなれば『ゲニウス・ロキGenius loci』(訳注・土地の神霊、氏神)だったからである。ところが、その全てが、十五世紀には、結婚や相続、王からの贈与などのために覆されてしまっていた。」(p368)

フィリップ・ル・アルディとフランドル女伯マルグリットの結婚により、フランドルはブルゴーニュ公領に編入された。が、ここで私が「おおっ!」と呻いてしまったのは『ゲニウス・ロキGenius loci』が登場したからである

以前、H先生の講座で紹介された、鈴木博之『東京の地霊(ゲニウス・ロキ)』を読んだことがあった。

鈴木先生(H先生の先生)の「ゲニウス・ロキ」は、ある土地から引き出される霊感とか、土地に結びついた連想性、あるいは土地がもつ可能性といった概念を言っていた。なので、池上俊一『フィレンツェ- 比類なき文化都市の歴史』(岩波新書)を読んだ時も、これはフィレンツェのゲニウス・ロキについてではないかと思ってしまった

しかし、このミシュレの「ゲニウス・ロキ」についてを読むと、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」の坂東武者なんて、まさしく土地に密着した「ゲニウス・ロキ」の関係なんじゃないかと思えてしまうのだよ。氏族は土地の名前だしね。

ということで、次は「中世 Ⅵ」(第6巻)を読まなくちゃ。ルイ12世とシャルル・ル・テメレール の確執と、ル・テメレールの死が描かれているはずだから。そして、できたら続けて「Ⅶ ルネサンス」(第7巻)も読みたいな


地震。

2022-03-17 22:48:39 | Weblog

昨夜の地震は本当に酷かった。1回目の地震の後すぐ2回目の強い揺れが来た。かなり長い間揺れ続け、テーブルの下に潜った私の耳にガシャ-ンという音も聞こえてきた。

揺れが収まって周囲を見ると、テレビが台から落ちて液晶画面の一部が破損し、食器棚の中もぐちゃぐちゃで、割れた食器も散見された。書棚のある部屋は本がどさっとこぼれ落ちてはいたが割れ物でないので被害も少ない。驚いたのは、寝室のキャスター付き姿見が転倒しており、破損した鏡の破片が床に散乱していたこと。今日は事後の片付けや掃除やらですっかり疲れ果ててしまった。

ちなみに、前に「長持ちしている」と書いたウェッジウッドのティーカップの持ち手が取れていたのだよ

買った時の思い出も含め、長い間ありがとう、と感謝の気持ちも込めて処理袋に入れた。

それにしても、ジノリの茶碗の取っ手が無事だったのが奇跡というか...


(続)気分はバロック?(^^;

2022-03-08 00:37:14 | 使うもの

前に、突然「気分はバロックだわ」になり、ジノリのティーカップ&ソーサーをネット購入した顛末について書いたが、実はもうひとつ買ったものがある。やはりデザート皿も必要だよね、と...

普通ならカップ&ソーサーと同じシリーズで揃えるところだが、ひねくれ者なので別メーカーの皿にした。もちろん、気分はバロックだから、買ったのは文字通りのヘレンド「バロックホワイト」(笑)。

バロックホワイトはベッキオホワイトよりもバロック度(?)が高く、ネットで写真を見た時にティーカップの飲み口がジノリよりも若干厚く感じられ、茶碗はジノリ、皿はヘレンドにしたのだった。

でも、どちらも「白 / バロック」というテイストが同じだから、並べてみても違和感が無い。これで、春のお茶タイムはバロック気分で過ごせそう

ちなみに、今まで食器類に関して無頓着だった私は、今回ネットで色々見てしまい、凝り始めたら怖い世界かもと気付いてしまった。なにしろ、素敵だわと思うと二桁万円だったりするのだ。もう美術品の域かも。もちろん、先日のNHK-BS「清朝秘宝」とはスケールが段違い過ぎるけどね

https://www.nhk.jp/p/ts/9YJ5674X1Y/episode/te/9WG1MXVR36/

まぁ、庶民はささやかに用の美を追求するんだからいいのよ、ふんっ(負け惜しみ)。


ボッカッチョの余白書き(^^;

2022-03-07 00:53:18 | 展覧会

「本を読む人が、半ばぼんやりとその余白に鉛筆を走らせ、放心したまま筆のおもむくままに、活字部分と向き合うようにして小さな生き物やおぼろな枝の集まりを生み出すことがよくあるが、私もまた精神の気まぐれにしたがって、エドガール・ドガの何枚かの習作のかたわらにおなじことをしてみようと思う」(ポール・ヴァレリー『ドガ ダンス デッサン』(岩波文庫)P11)

私も学生時代、教科書の余白にいたずら書き(精神の気まぐれ?)をよくしていたので(汗)、なんだかヴァレリーに親しみを持ってしまう。だが、ヴァレリーより遡るもっと昔のボッカッチョ(Giovanni Boccaccio, 1313 -1375年)でさえしていたのだから、これってもしかして人間のサガかもしれない

実は、ヴァレリーの文章を読みながら、2013年秋にラウレンツィアーナ図書館(フィレンツェ)で観た「BOCCACCIO AUTORE E COPISTA」展を思い出してしまった。

http://www.arte.it/calendario-arte/firenze/mostra-boccaccio-autore-e-copista-5149

この展覧会は、コロナ初期に注目された『デカメロン』の著者ボッカッチョの生誕700年記念展覧会で、彼の手による手書き原稿や写本(manoscritto/copia a mano)が多く展示されていた。グーテンベルク以前の時代だから本は全て手書きであり、写字生が活躍していた時代だ。

中でも本(原稿?)の余白にボッカッチョが色々と書き込みをしているのが私的に興味深くも面白かった!!

ボッカッチョは自筆写本(アンソロジー)の余白に文章書き込みしていて、それがかなりデザインっぽくてセンスが良いのだ

※ご参考:下記↓リンク先のサムネイル画像をクリックすると拡大して見ることができる。

http://www.bml.firenze.sbn.it/laformadelibro/sezioni_ing/scheda33.htm

更に、余白に誰かの似顔絵(?)まで!!(笑)

ぼやけていて見難いかもしれないが、拡大すると...(それでも見難いけど許してね

いやぁ~、ボッカッチョって絵(デッサン?)のセンスもあるかも(笑)

ちなみに、ドガ曰く「<デッサン>とはかたち(フォルム)ではない。かたちの見方なのだ」とのこと。ヴァザーリのディセーニョ(disegno)論を念頭において、きちんと読んでみたいと思う


ひと言。

2022-03-06 01:22:36 | Weblog

ロシア軍のウクライナ侵攻が始まって以来、ニュースを見るたび心が痛む。ウクライナの現状は決して他人ごとでは無く、他の主権国家を軍事力で侵略することを許してしまったら、私たちの世界も変わってしまうのだから。

理不尽な言動ばかりのプーチンは常軌を逸しているとしか思えない。