2月上旬に仙台フォーラムで、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家(Ennio)」を見た。
数々の映画音楽を作曲家したエンニョ・モリコーネ(Ennio Morricone、1928 - 2020年)のドキョメンタリー映画である。
この映画で初めて知ったことも多かった。エンニョ・モリコーネの父はトランペット吹きで、息子を自分の後継者にしたかったが、エンニョは聖チェチリア音楽院で学びながら作曲に興味を抱く。イタリア現代音楽の大作曲家ゴッフレド・ペトラッシに師事するのだから、まさしく彼は現代音楽の作曲家なのである。でも、生活費を稼ぐため、ジャンニ・モランディなどのカンツォーネの編曲も多く手掛けていた。
で、おおっと驚いたのは、あのジョン・ケージの演奏(パフォーマンス?)も見ていることで、多分、影響も受けたのだろうね。彼の映画音楽の楽器以外の音が多く使われているのも(例えば鞭の音とか)了解できるのだ。モリコーネの抒情的な旋律に膨らみを持たせているものは、前衛的な現代音楽のセンスなのかもしれない。
私たちにもお馴染みの数々の映画シーンを盛り上げる音楽、モリコーネの音楽は監督にも優る忘れられない名シーンを演出していたように思う。特に、幼馴染セルジョ・レオーネ監督と組んだマカロニ・ウエスタンの斬新な映画音楽!!
ちなみに、レオーネ監督が黒澤明監督の「用心棒」を見て...、というコメントと「用心棒」のシーンが出て、日本人的にはグっときてしまう。偉大なるかな黒澤映画!!
「荒野の用心棒( Per un pugno di dollari )」(1964年)、「夕陽のガンマン( Per qualche dollaro in piu )」(1965年)、「続・夕陽のガンマン( Il buono, il brutto, il cattivo)(1966年)....
なにしろ「Ennio Morricone - The Best of Ennio Morricone - Greatest Hits」の第1曲目は映画「続・夕陽のガンマン」の「The Ecstasy of Gold(L'estasi dell'oro)」なのだから。
https://www.youtube.com/watch?v=Jjq6e1LJHxw
ついでに、エンニョ・モリコーネ指揮のヴェネツィア、サン・マルコ広場!でのコンサート動画。彼の背後にサン・マルコ寺院が見えるというのは、まさにスペクタクルだと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=J3IlqY1CbI0
で、この「The Ecstasy of Gold 」と言えば、HM/HR好きはすぐに METALLICA(メタリカ)のライヴのイントロとして想起してしまうのだよね。映画でもジェームズ・ヘットフィールドにインタヴューしていたし。ライヴでの皆で合唱はお約束(笑)。
※ご参考:「Metallica - Ecstasy Of Gold & Blackened (2009 Nimes)」
https://www.youtube.com/watch?v=kQrvb3i1q-E
ちなみに、前回のブログ記事で「探しものをしていた」と書いたのは、実は持っていたはずのメタリカ「S&M」(サンフランシスコ交響楽団&メタリカ)のDVDを探していたのだ。やはりイントロは「The Ecstasy of Gold」だったから。
でも、見つけられなくて、代わりに(?)「レンブラント」DVDを発見したのだった。