マルケ国立絵画館はウルビーノのパラッツォ・ドゥカーレ内にある。
ウルビーノ「パラッツォ・ドゥカーレ(Palazzo Ducale)」
が、マルケ国立絵画館にアンニバレ・カラッチのファルネーゼ宮(天井画)《バッカスとアドリアネの勝利の行進》シレノス部分のカルトーネが所蔵されていることはあまり知られていないような気がする。
アンニバレ・カラッチ《シレノスとのバッカスの行進》(1598年頃)マルケ国立絵画館
アンニバレ・カラッチ《バッカスとアドリアネの勝利の行進》(1597~1607年)パラッツォ・ファルネーゼ
カルトーネはパラッツォ・ドゥカーレの階段を上り奥まった展示室に展示されており、あの天井画の原型が眼前にクローズアップされる感動はひとしおである。重ねられた描線は確かにアンニバレの手によるものであり、ローマ「Palazzo Farnese」展で観た天井画の原寸大構想をそこに観ることができたのだ。
1999年、このマルケ国立絵画館のカルトーネが初めて館外で展示された。1999年9月~2000年1月まで開催されたワシントン・ナショナル・ギャラリー「The drawing of Annibale Carracci」展に出展されたのだ。
https://www.nga.gov/exhibitions/1999/carracci.html
しかしながら、ワシントンNGはやはり太っ腹で凄い!! 何故ならば「The drawing of Annibale Carracci」展のカタログが無料でダウンロードできるのだよ!!
◆「The drawing of Annibale Carracci」展のカタログPDF
https://www.nga.gov/content/dam/ngaweb/research/publications/pdfs/drawings-of-annibale-carracci.pdf
ちなみに、NYのピアモント・モーガン・ライブラリーで「Annibale Carracci at the Morgan: Drawings from the Artist's Final Period」と題する講演会が開催され、Youtubeで見ることができる。
◆「Annibale Carracci at the Morigan: Drawings from the Artist's Final Period」動画
https://www.youtube.com/watch?dv=KiwZMOa5AN4
それにしてもつくづく思うに、アンニバレの晩年は可哀そうなのだよね