イタリア中部(ノルチャ付近)で、またマグニチュード6.6の強い地震があったようだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161030-00000058-mai-eurp
被害が最小限にとどまることを心からお祈りしております。
イタリア中部(ノルチャ付近)で、またマグニチュード6.6の強い地震があったようだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161030-00000058-mai-eurp
被害が最小限にとどまることを心からお祈りしております。
「芸術新潮」11月号はクラーナハ特集だった。
表紙はウィーン美術史美術館作品ではなく、ボルゲーゼ美術館作品だよ~(・・;)
で、美術史美術館での取材記事の中で、《ゴリアテの首を持つダヴィデ》がカラヴァッジョ作品 →カラヴァッジョと カラヴァッジョ派(意味がよくわからんぞ!?)作品に変更されたことを知った。
カラヴァッジョとカラヴァッジョ派(?!)《ゴリアテの首を持つダヴィデ》ウィーン美術史美術館
確かにこのダヴィデは正統派イケメン過ぎて、カラヴァッジョ作品としては異質な感じは元々あった。なので、今回の帰属変更について意外感はなく、やはりねぇ~!!と思った。まぁ、カラヴァッジョの帰属問題はけっこうデリケートなのだけどね。
東京に行き、展覧会を観てきました。
観た展覧会は...
・「クラーナハ展」 国立西洋美術館
・「ゴッホとゴーギャン展」 東京都美術館
・「ダリ展」 国立新美術館
・「鈴木基一 江戸琳派の旗手」 サントリー美術館
いづれも面白く観ることができました。追々に感想文を書きたいと思います。
ウフィッツィ美術館の展示室改修が終わり、新しくなった展示室にボッティチェリ作品らが戻ったようだ。
しか~し!これじゃあ、まるっきりホワイトキューブですぜ!!
http://www.afpbb.com/articles/-/3104765
なんだか、がっかりしてしまいましたわ(-_-;)
国立西洋美術館で「クラーナハ展」が始まったようだ。
2010年春にボルゲーゼ美術館で観た「Cranach. L'altro Rinascimento」展を思い出す。時間制で追われるように観たため、記憶が曖昧な部分が多い。今回の展覧会はゆっくり鑑賞したいものだと思う。
ルーカス・クラーナハ《ヴィーナスと蜂の巣を持ったキューピッド》(1531年)ボルゲーゼ美術館
で、ネット検索したら、こんな充実のPDF資料(図録?!)を発見(・・;)。イタリア語と英語が併記されていて助かる。(でも私は横文字苦手 )
ちなみに、日本でもこうした資料を公開してくれると良いのにねぇ~!!
クイズのヒント(その2):祭壇画本体の上にピナクルもあるのだが、それには絵が入っていない。
ということで、そう、答えは、あれです(笑)
ジョヴァンニ・ベッリーニ《ペーザロ祭壇画(聖パウロ・聖ペトロ・聖ヒエロニムス・聖フランチェスコのいる聖母戴冠)》(1471-1483年頃)ペーザロ市立美術館
ちなみに、2008年ローマでの「ジョヴァンニ・ベッリーニ展」では、離れ離れのヴァティカン所蔵の《ピエタ》が合体し、祭壇画本来の姿が復元展示されていた。
いつのまにか「ティツィアーノとヴェネツィア派展」の公式サイトが出来ていた。
「Titian and the Renaissance in Venice」
・会期:2017年 1月21日(土)~4月2日(日)
・会場:東京都美術館
サイトをざっくり見たところ、今回はカポディモンテ美術館のティツィアーノが目玉だろうと思われる。なにせ《ダナエ》だけでなく《パウルス3世の肖像》もお出ましなのだ(笑)。
ちなみに、サイト表紙に監修者のジョヴァンニ・C. F. ヴィッラ 氏の解説動画が貼ってあり、アントネッロやジョヴァンニ、ジョルジョーネやチーマなどの名前が出てくるので、私的にすっごく嬉しかった♪ なにせ、前回無視されたチーマだしね(^^;
まぁ、ヴィッラ氏が2010年コネリアーノでの「チーマ・ダ・コネリアーノ展」の監修もしているから当然なのかも。バルトロメオ・モンターニャもPinacoteca di Palazzo Chiericatiに作品があるので多分ご贔屓なんだと思う。
さて、ヴェネツィア派にちなんでクイズを出したいと思う。
下↓は、或る祭壇画の裏側と側面である。誰の何という祭壇画か?(難し過ぎるかな?)
※ヒント...ピラスターやプレデッラなどを除いた祭壇画本体のサイズは262 x 240 cm。かなりでかい祭壇画である。
ちなみに、当てても賞品は出ません(笑)
カラヴァッジョの本名はミケランジェロ・メリージ。故に、若いころから大巨匠ミケランジェロ・ブオナローティを意識していたにちがいない。カラヴァッジョ《聖マタイの招命》のキリストの指がミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画《アダムの創造》から、《勝ち誇るアモル》や《洗礼者聖ヨハネ》のポーズが《Ignudi》からの引用であることは、既に研究者たちにより指摘されている。
さて、カラヴァッジョ《キリストの埋葬》にもミケランジェロへのオマージュが密かに仕組まれていたのだろうか?! ボローニャのFさんから教えて頂いたUgo Imprescia氏の論文記事(の一部)を紹介する。
「Caravaggio e il nicodemisumo di MIcheangelo -L’idea di nascondere le idee(カラヴァッジョとミケランジェロのニコデモ-意図を隠す目論み)」
「カラヴァッジョのミケランジェロに対する関心は、二人の芸術家のいくつかの作品の中に見られる図像学的類似から明白だ。しかし、カラヴァッジョの表現の中で ミケランジェロの宗教心と彼の想うニコデモについて、果たして意識に上っていたのか? 著者はヴァティカン絵画館が所蔵するロンバルディアの巨匠の《キリストの埋葬》の分析研究から出発しつつ、ここに答えを求める。」(Ugo Imprescia)
誤訳があったらすみませんっ(汗)。要するに、ミケランジェロ《バンディーニのピエタ(La Pietà Bandini)》のニコデモはミケランジェロ自身が自分の顔を写したものであるが、ミケランジェロに関心の深いカラヴァッジョ(ミケランジェロ・メリージ)は《キリストの埋葬》のニコデモにミケランジェロの顔を写したのではないか、ということのようだ。
《バンディーニのピエタ》は私もフィレンツェで観て、この深い哀しみを纏うニコデモはミケランジェロ自身だと確信している。しかし、《キリストの埋葬》のニコデモがミケランジェロの顔を写したとは思いもしなかった(・・;)
「バンディーニのピエタのなかで、ミケランジェロが自分自身の顔をニコデモとして彫刻したとしたら、多分自分自身の内面的な苦悩を表現するためだろう。」(Ugo Imprescia)
友人ヴィットリア・コロンナ亡き後、ミケランジェロ晩年の孤独と苦悩が凝縮したニコデモだが、果たしてカラヴァッジョはその精神的かつ宗教的な苦悩も含めてミケランジェロの顔をニコデモに写したのだろうか?
ということで、まずは図像を実際に拡大比較して見ると、う~む、なのだ。
・ミケランジェロ《バンディーニのピエタ(La Pietà Bandini)》(1547-1555年)ドゥオモ博物館(フィレンツェ)
ニコデモの顔の拡大
・ダニエレ・ダ・ボルテッラ(Daniele da Volterra,1509-1566)《ミケランジェロの胸像》(1565-66年)ルーブル美術館
ミケランジェロ像 (ちなみにボルテッラはあの腰巻の画家(^^;;)
・カラヴァッジョ《キリストの埋葬》(1602-03年)ヴァティカン絵画館
ニコデモの顔の拡大
観る者に視線を投げかけるニコデモ。鼻はひしゃげてはいないが、ミケランジェロによく似ていることは確かだ。しかし、この顔...尊敬する大巨匠をこの土臭いニコデモとして描くだろうか?? 私的にはどうも、う~む、なのだ。まぁ、あの偏屈なカラヴァッジョだから否定はできないのだけれどね。
果たしてカラヴァッジョは《バンディーニのピエタ》のニコデモ=ミケランジェロを密かに引用したのだろうか??
この論文記事の続きが読めたら、また詳細をブログで扱いたいと思う。もう、自分のイタリア語力の無さが残念で仕方ないのだわ(T_T)
先週末から続いていた片頭痛がようやく収まったので、中断していた続きを書きたいと思う。困ったことに、展覧会から間を置いたので記憶がぼやけてきている。マズイぞ(^^;;
2)最初の賞賛者:アダム・エルスハイマーとピーテル・パウル・ルーベンス(その2)
※参考画像:カラヴァッジョ《キリストの埋葬》(1600-1604年)ヴァティカン絵画館
カラヴァッジョの傑作である(きっぱり)。今更なので解説は飛ばすが(笑)、当時カラヴァッジョに文句をたれていた画家たちも認めたという、昔も今も変わらず素晴らしい作品である。ローマのキエーザ・ヌォーヴァ(Santa Maria in Vallicella)の祭壇画であったから、エルスハイマーもルーベンスもそこで観ているはずだ。二人の賞賛の証は彼らの作品の中に痕跡として見ることができる。
・エルスハイマー《The three Marys at the tomb of Christ》(1603年)Rheinisches Landesmuseum Bonn
カラヴァッジョの両手を挙げたオランス型ポーズが採用されている。後景の洞窟入口はレオナルドを意識したものなのかな??
・ルーベンス《The Entombment》(1615年頃)Rijksmuseum Amsterdam
インクとペンによる素描。カラヴァッジョの本歌取りと言うところだが、さすがにルーベンスらしいよりドラマ性を膨らませた表現が見られる。
※参考画像:ルーベンス《The Entombment》( 1611-1612年)National Gallery of Canada - Ottawa
こちらはカラヴァッジョ作品を模写(板に油彩)。ルーベンスもキエーザ・ヌォーヴァ(Santa Maria in Vallicella)で《Madonna della Vallicella》(1606-08年)を描いており、同聖堂には幾度も足を向けたと思われる。カラヴァッジョが亡くなったのは1610年であり、もしかしてルーベンスの模写にはカラヴァッジョ追悼の意も込められているのかもしれない。《Madonna della Vallicella》は現在でも同聖堂で観ることができるが、カラヴァッジョの方はコピーが飾られていて、本物はヴァティカンに収蔵された。
カラヴァッジョ《キリストの埋葬》はジェリコーも模写していたし、他にも多くの画家たちに影響を与えただろう。
で、ボローニャのFさんからこの《キリストの埋葬》のニコデモにまつわる話題を教えていただいた。次回はニコデモについて、ということで続く...。