今年最後の美術展鑑賞は銀座三越「山口晃展-東京旅ノ介」になった。
以前観た「山口&会田展」の時も思わず笑ってしまうほど楽しかったが、今回もインスタレーション(?!)付きで山口世界のディープなオタク的世界を見せてくれた。テーマが「東京旅ノ介」ということで、日本橋三越から始まり、下町や六本木、麻布界隈など、江戸絵巻的世界と懐かしの下町趣味と甲殻機動隊的近未来世界とが違和感無く展開する。きっと山口自身の興味のありどころだからだろうけど、その表現の基底にあるのが日本古典美術の本歌取りだけでなく、ピーテル・ブリューゲルだったりするのがなんだか嬉しい。ちなみに、私的に一番気に入った作品はオープニングを飾る2004年の日本橋三越シリーズであり、やはり傑作だと思う。三越喜ぶべし(笑)
百貨店圖 日本橋三越,2004 子の字引留行形柱,2010
展示中頃に戦争シリーズ(私的にはつまらなかった(^^;;;)を挟み、後半部分には山口が日本経済新聞に連載していた記事と写真が並び、彼の美意識のありどころがよくわかる。ビデオカメラのメカニックな美はありがちだけど、透明波板と白木柱の構成に見る逆説的な美なんて結構「なるほど!」だった。いや、それ以上に電信柱への偏執愛には絶句(笑)。前半にあった千駄木あたりを走らせたい(!)小型電車の実物展示や運行表も驚いたけれど、最後の立花のような電信柱と電線(実物大模型=造形作品!)の織り成す美しさには感動さえ覚えたのだった。
2010年、こんな楽しい展覧会(現代美術?!)で締められたということは、今年はなんとか良い年だったにちがいない。
ということで、皆様も良いお年をお迎えくださいませ。
以前観た「山口&会田展」の時も思わず笑ってしまうほど楽しかったが、今回もインスタレーション(?!)付きで山口世界のディープなオタク的世界を見せてくれた。テーマが「東京旅ノ介」ということで、日本橋三越から始まり、下町や六本木、麻布界隈など、江戸絵巻的世界と懐かしの下町趣味と甲殻機動隊的近未来世界とが違和感無く展開する。きっと山口自身の興味のありどころだからだろうけど、その表現の基底にあるのが日本古典美術の本歌取りだけでなく、ピーテル・ブリューゲルだったりするのがなんだか嬉しい。ちなみに、私的に一番気に入った作品はオープニングを飾る2004年の日本橋三越シリーズであり、やはり傑作だと思う。三越喜ぶべし(笑)
百貨店圖 日本橋三越,2004 子の字引留行形柱,2010
展示中頃に戦争シリーズ(私的にはつまらなかった(^^;;;)を挟み、後半部分には山口が日本経済新聞に連載していた記事と写真が並び、彼の美意識のありどころがよくわかる。ビデオカメラのメカニックな美はありがちだけど、透明波板と白木柱の構成に見る逆説的な美なんて結構「なるほど!」だった。いや、それ以上に電信柱への偏執愛には絶句(笑)。前半にあった千駄木あたりを走らせたい(!)小型電車の実物展示や運行表も驚いたけれど、最後の立花のような電信柱と電線(実物大模型=造形作品!)の織り成す美しさには感動さえ覚えたのだった。
2010年、こんな楽しい展覧会(現代美術?!)で締められたということは、今年はなんとか良い年だったにちがいない。
ということで、皆様も良いお年をお迎えくださいませ。