花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

山形美術館「山形で考える西洋美術」展の講演会予定。(訂正あり)

2021-05-30 17:08:46 | 展覧会

山形美術館での「令和3年度国立美術館巡回展 国立西洋美術館コレクションによる 山形で考える西洋美術─〈ここ〉と〈遠く〉が触れるとき」開催については以前に触れた。

・会期:2021年7月17日(土)-2021年8月27日(金)

・会場:山形美術館

http://www.yamagata-art-museum.or.jp/exhibition/4067.html

で、講演会情報を入手した(;’∀’)

・2021年7月24日(土) 新藤淳

・2021年7月7 9日(月) 元木幸一 ※日付訂正

・2021年8月21日(土) 幸福 輝

講師の先生たちのご専門は北方絵画寄り(ドイツ・ネーデルラント)なのだが、北方系の出展作品はクラーナハぐらいらしい(版画は来るようだが)。どうやら印象派が多いようだ。(山形美術館には吉野石膏コレクションがあるのにね

しかし、クラーナハのどっちの作品が来るのだろう??《ゲッセマネの祈り》?それとも《ホロフェルネスの首を持つユディット》? 私的には《ユディット》の方が嬉しいのだけれど

ルーカス・クラーナハ(父)《ホロフェルネスの首を持つユディット》(1530年頃)国立西洋美術館


「エデン」からの遁走。

2021-05-21 21:40:04 | Weblog

仙台駅前に「エデン」という飲食店の集合施設がある。テラス席風のパティオ(中庭)があるので、病院の予約時間までの時間つぶしに、この時期だから使えるかも?と行ったのだが….なんと!恐ろしい光景に出くわしたのだ!!

飲食店の半分は閉まっていたが、中庭のテラス席はほぼ満席。空席を探していると、背後に大きな笑い声が聞こえた。ギョッとして見ると、中央の席に20歳前後の女子3人が、大声でしゃべり笑っていた。ゾッとしたのは、3人ともマスクをしていないのだ!!

周りの客にも眼をやると、みーんなマスク無しの客ばかりじゃないの!! 彼らは感染リスクの高い「外飲み」と同じだとわかっているのだろうか??

女子たちの口から飛ばされる飛沫を身近に感じ、もう、恐ろし過ぎて「エデン」から慌てて逃げだしてしまった。仙台でも感染力の強い変異種に置き換わっているというのに…。

その夜、NHK「クローズアップ現代」では新人看護婦がコロナ病棟で奮闘する姿が報じられていた。その看護婦と同世代であろう女子3人組を思い出すに、同じ若者でもなんという差があるのだろうと、暗澹たる気持ちになってしまった。


ヘルムート・ヤーン「ソニーセンター」(ベルリン)。

2021-05-10 17:02:58 | 建築

ネットのニュースで知ったのだが...

「ヘルムート・ヤーン氏死去 世界的建築家、交通事故で」(合掌)

https://news.yahoo.co.jp/articles/56b72b58c6c85ebbf0acb864f2c4caa512f41c9c

ヘルムート・ヤーン(Helmut Jahn)氏は1940年、ドイツに生まれ、66年シカゴに移住。米国で建築を学び、ワシントンの連邦捜査局(FBI)本部の設計に参加したほか、JR東京駅前の「グランルーフ」やベルリンの「ソニーセンター」などを手掛けた。

私が知っているのは東京駅「グランルーフ」の他にベルリン「ソニーセンター」。

ベルリン「ソニーセンター」中央広場。

2007年6月、ポツダム広場にあるホテルに宿泊した時、ベルリン国立絵画館の帰りに「ソニーセンター」中央広場でビールを飲んだ♪ 夕方の心地良い風に人々がそれぞれにくつろぎ、本当に気持ちが良かったなぁ...。


アルトドルファー《ドナウの風景》。

2021-05-08 22:03:33 | 西洋絵画

アルブレヒト・アルトドルファー(Albrecht Altdorfer, 1480年頃 -1538年)は、レーゲンスブルグで活躍したドナウ派の画家である。一番有名なのは、多分、ミュンヘンのアルテ・ピナコテーク所蔵《イッソスの戦い》かもしれない。

アルブレヒト・アルトドルファー《イッソスの戦い》(1529年)アルテ・ピナコテーク

https://www.sammlung.pinakothek.de/en/artwork/9pL3Qyz4eb/albrecht-altdorfer/historienzyklus-alexanderschlacht-schlacht-bei-issus

アルテ・ピナコテークで観た時、本当に凄い迫力だと思った。空の雲も、戦う兵士たちも、渦を巻き動いている感じがした。

で、今日のお勉強...

この動いている感は、上部のプレートが斜めに描かれているためであり、回るプレートを中心に雲も、兵士たちも渦巻きながら回り動いているように構成されている。「戦いの絵」大好きなバイエルン公が、風景画を得意としたアルトドルファーに注文したのは不思議であるが、バイエルン公は意外に芸術家を見る眼があったのかも、とのこと

さて、同じくアルテ・ピナコテーク所蔵の作品である《ドナウの風景》。

アルブレヒト・アルトドルファー《ドナウの風景》(1520-25年)板に羊皮紙、油彩、30×22cm アルテ・ピナコテーク

https://www.sammlung.pinakothek.de/en/artwork/Qm45RnqxNo/albrecht-altdorfer/donaulandschaft-mit-schloss-woerth

なんと!「ヨーロッパで最も初期の独立風景画の一つ」だそうだ。二本の高い樹木を前景に、ヴェルト城の見える鬱蒼とした深緑の中景、高い山並みの後景、そして高く広い空と雲!!

興味深いのは、この作品が縦長の風景画であること。17世紀オランダ風景画は横長から時間を経て縦長に移行するのだが(例:J.I.ライスダール)、アルトドルファーは既に縦長の風景画を先取りしていること!!

更に興味深いのは、支持体が板(ブナ材)に羊皮紙を貼り付けたものであり、もしかしてアルトドルファーが写本挿絵の技術を身に着けた画家だったかもしれないこと。(父親が写本画家??)

ということで、興味深くお勉強してしまったのだった