今回はシモン・ヴーエ作品である(^^ゞ
シモン・ヴーエ《ジョヴァンニ・カルロ・ドーリアの肖像》(1621年)ルーヴル美術館
胸のサンティアゴ騎士印が印象的なジョヴァンニ・カルロ・ドーリアは、アゴスティーノ・ドーリアの息子であり、妻のヴェロニカ・スピノーラはアンブロージョ・スピノーラ(ブレダの戦いで有名)の娘である。要するに、ジェノヴァの名門同士の結婚ですね。ジョヴァンニはスペインのために働き、フェリペ3世からサンティアゴ騎士勲章を与えられている。彼は芸術にも造詣が深く、絵画収集も多くしていたようだ。
でもね、私的にはシモン・ヴーエのパトロンでもあったことが意外だったのだ。だって、シモン・ヴーエってローマでは一時カラヴァッジェスキだったじゃありませんか。後になると作風が変わってしまい、私的には軟弱なヤツ!というイメージでね。この肖像画の明暗表現にもカラヴァッジョの影響が認められるように思えるのだし。ちなみに、この45歳のジョヴァンニはなんとなく育ちも人も良さそうな雰囲気があり好感が持てるのだわ
で、こちら↓はジェノヴァのパラッツォ・スピノーラで観たルーベンス作のジョヴァンニの騎馬肖像画である。
ピンボケすみません💦
ピーテル・パウル・ルーベンス《ジョヴァンニ・カルロ・ドーリア騎馬像》(1606年)パラッツォ・スピノーラ
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rubens,_Ritratto_di_Gio_Carlo_Doria,_Palazzo_Spinola,_Genova.jpg
当時、ジョヴァンニは30歳。ルーベンスは馬上の若く勇ましい姿を躍動感と疾走感を持って見事に描いている。もちろん、美化しているのだろうけどね。多分、ルーベンスはティツィアーノ《カール5世騎馬像》を観ているかもしれない。