展覧会レポートを書くにあたり本当は図録を参考にしたいところなのだが、如何せん、ドイツ語でぜんぜん歯が立たない(涙)。かろうじて美術館ぐらいは判別できそうなので、わかる限りは日本語で記した。それから、図録から画像紹介したいと思ったのだがスキャナの調子が悪いので、できたら後日挿入したい。
さて、展覧会会場は6室に分かれていた。第2室以降は左右に分かれており、左室から時計回りに移動して観て行った。なので、便宜上番号は左から付けている。でも、もしかして正しい順番は右回りだったのかもしれないけどね(^^;;;
展覧会場の展示室構成(記憶を頼りに作成)
第1室 Coronation with Thorns
■カラヴァッジョ《荊冠のキリスト》(ウィーン美術史美術館)
■バルトロメオ・マンフレディ《荊冠のキリスト》(バイエルン州立絵画コレクション/ミュンヘン)(munchen bayeriseche staatsgemaldesammlungen)
■ディルク・ファン・バビューレン《荊冠のキリスト》(カタライネ修道院博物館/ユトレヒト)(Museum Catharijneconvent)
入口を入った正面にウィーンのカラヴァッジョ《荊冠のキリスト》が展示されていた。左壁面にマンフレディ作品、右壁面にバビューレン作品が配置されている。
カラヴァッジョ《荊冠のキリスト》(ウィーン美術史美術館)
今回の展覧会は「音楽」主題中心だと思い込んでいたので、このオープニングは意外でもあり、かつ、マンフレディも登場とは予想外だった。マンフレディ(Bartolomeo Manfredi ,1582-1622)はイタリアのカラヴァッジェスキ筆頭ともいえる画家である。
去年のトラパニでのカラヴァッジョ展でもカラヴァッジョ真作とマンフレディ模写作品を並べて展示していたが、今回の《荊冠のキリスト》ではテクニックだけでなく、構図も殆ど真似状態(^^;;。多分、カラヴァッジョ研究を重ねたのだろうね。しかし、登場人物を3人に絞り、背景の空間を広げたところが、かえって静かな瞑想性を強めているように思えた。
一方、バビューレン(Dirck van Baburen ,1590-1624)は登場人物を増やし、画面が込み合っているので息苦しさが伝わってくるかのように思えた。
蛇足であるが、以前観ているネルソン・アトキンズ美術館作品とちょっとだけ違うヴァージョンだった。当時は同一テーマの依頼だと、少しずつ形を変えながら注文に応えていたのだろうね。
参考:ディルク・ファン・バビューレン《荊冠のキリスト》(ネルソン・アトキンズ美術館)
さて、カラヴァッジョのウィーン作品であるが…真作と言われる作品の中で私的になんだか「う~ん」な作品なのだ(汗)。拙サイトの方でも書いたようにモデルがなんともしっくりこない。プラド美術館でカラッチョーロ作品によく似たモデルを発見し、更に「う~ん」になってしまった。でも、私は美術ド素人だし、やはり真作なのだろうなぁ。
ともあれ、カラヴァッジョの《荊冠のキリスト》は当時ローマに滞在した画家たちを魅了し、影響を与えたことは確かだ。カラヴァッジョの革新的様式をカラヴァッジェスキがどのように自らのものとして作品にしていったか、イタリアとネーデルランドのカラヴァッジェスキから見ることができたと言えよう。
さて、展覧会会場は6室に分かれていた。第2室以降は左右に分かれており、左室から時計回りに移動して観て行った。なので、便宜上番号は左から付けている。でも、もしかして正しい順番は右回りだったのかもしれないけどね(^^;;;
展覧会場の展示室構成(記憶を頼りに作成)
第1室 Coronation with Thorns
■カラヴァッジョ《荊冠のキリスト》(ウィーン美術史美術館)
■バルトロメオ・マンフレディ《荊冠のキリスト》(バイエルン州立絵画コレクション/ミュンヘン)(munchen bayeriseche staatsgemaldesammlungen)
■ディルク・ファン・バビューレン《荊冠のキリスト》(カタライネ修道院博物館/ユトレヒト)(Museum Catharijneconvent)
入口を入った正面にウィーンのカラヴァッジョ《荊冠のキリスト》が展示されていた。左壁面にマンフレディ作品、右壁面にバビューレン作品が配置されている。
カラヴァッジョ《荊冠のキリスト》(ウィーン美術史美術館)
今回の展覧会は「音楽」主題中心だと思い込んでいたので、このオープニングは意外でもあり、かつ、マンフレディも登場とは予想外だった。マンフレディ(Bartolomeo Manfredi ,1582-1622)はイタリアのカラヴァッジェスキ筆頭ともいえる画家である。
去年のトラパニでのカラヴァッジョ展でもカラヴァッジョ真作とマンフレディ模写作品を並べて展示していたが、今回の《荊冠のキリスト》ではテクニックだけでなく、構図も殆ど真似状態(^^;;。多分、カラヴァッジョ研究を重ねたのだろうね。しかし、登場人物を3人に絞り、背景の空間を広げたところが、かえって静かな瞑想性を強めているように思えた。
一方、バビューレン(Dirck van Baburen ,1590-1624)は登場人物を増やし、画面が込み合っているので息苦しさが伝わってくるかのように思えた。
蛇足であるが、以前観ているネルソン・アトキンズ美術館作品とちょっとだけ違うヴァージョンだった。当時は同一テーマの依頼だと、少しずつ形を変えながら注文に応えていたのだろうね。
参考:ディルク・ファン・バビューレン《荊冠のキリスト》(ネルソン・アトキンズ美術館)
さて、カラヴァッジョのウィーン作品であるが…真作と言われる作品の中で私的になんだか「う~ん」な作品なのだ(汗)。拙サイトの方でも書いたようにモデルがなんともしっくりこない。プラド美術館でカラッチョーロ作品によく似たモデルを発見し、更に「う~ん」になってしまった。でも、私は美術ド素人だし、やはり真作なのだろうなぁ。
ともあれ、カラヴァッジョの《荊冠のキリスト》は当時ローマに滞在した画家たちを魅了し、影響を与えたことは確かだ。カラヴァッジョの革新的様式をカラヴァッジェスキがどのように自らのものとして作品にしていったか、イタリアとネーデルランドのカラヴァッジェスキから見ることができたと言えよう。