福岡市美術館「永遠のローマ展」を観た感想をサクッと書きたい。
ローマのカンピドリオの丘に建つカピトリーノ美術館(I Musei Capitorini)には多分3回ほど観に行っていると思う。いつも彫刻部門は駆け足で、絵画部門はじっくりと、というパターンだったので、今回は彫刻部門もちゃんと観ようと思ったら、レプリカが意外に多くてちょっとがっかりだった。
上↑写真は昔撮ったオリジナルの《カピトリーノの牝狼》。現在のカピトリーノでは《マルクス・アウレリウス騎馬像》と同じ大展示室に置かれているようだ。今回の展覧会でも章立てが、「Ⅰ ローマ建国神話の創造」「Ⅱ 古代ローマ帝国の栄光」と続くのと同じで、古代ローマの栄光に郷愁を感じているのかも?。
で、この建国神話の章で私的に興味深かったのは、牝狼と双子が描かれた《ボルセナの鏡》だった。
《ボルセナの鏡》(前4世紀)カピトリーノ美術館
実は、ヴィラ・ジュリア-国立エトルリア博物館で観た鏡を想起したのだ。
写真↑は撮ったが、残念ながら正式な名称や年代は記憶していない。多分、古代ローマとエトルリアが(戦いながら)併存していた時代の鏡だと思われる。ローマの鏡は台座置き用で、エトルリアの鏡は手持ち用なのだろう。後にエトルリアはローマの支配下に入るが、交易や文化的な共通点も意外に多かったのかもしれないと想像してしまった。
「Ⅲ 美術館の誕生からミケランジェロによる広場構想」では、もちろんミケランジェロの広場設計が素晴らしいのだけれど、美術館誕生が教皇クレメンス12世の肝いりだったと初めて知ってしまった。ちなみに、この展覧会は実質的に「カピトリーノ美術館展」だしね。
ということで、駆け足ごめんで、次回は「Ⅳ 絵画コレクション」!!