ゲストのokiさんから頂いたチケットで東京都現代美術館「大竹伸朗 全景」を観てきた。
現代美術に疎い私も「ミスター・ピーナッツ」ぐらいは何かで眼にしていたが、実際はどんなアーティストなのか殆ど知らなかった(恥)
「80年代初頭に新しいペインティングの旗手として鮮烈なデビューを飾って以来、目に映る世界をすべて題材として、質・量ともに比類ない絵画を生み出し続けるとともに、立体、写真、本、印刷物、音など、衝動のおもむくままにあらゆる手段を取り込んで、多彩な活動を展開してきた」とのこと。
今回の展覧会は「全景」というテーマでもわかるように大竹の小学校時代の作文や漫画から最近作に至る大回顧展である。大竹少年の作文からは日光東照宮の彫刻に感動したことが伝わってきたし、高校時代には版画作品までものにしている。美大時代には北海道で写真を撮ったり、海外放浪(?)で欧州やアジア・アフリカまで足を伸ばし、膨大な(!)コラージュ作品を創作したりしている。「全景」展示作品はジャンルも多肢に渡り、量的にもかなりの数にのぼる。帰国してからも感性の赴くまま多彩な創作活動をしてきたことが作品群からじわじわと伺えた。
特に興味深かったのは初期コラージュ作品群等から強烈に感じ取れる混沌としたエスニック(多分にキッチュ)感である。過剰なまでのエネルギーに満ちていて、近年の「ダブ平&ニューシャネル」ステージの造形にも観ることができる。思うに、もしかしてその原点こそ小学校時代の日光東照宮にあるのではないだろうか?東照宮を装飾し埋め尽くす彫刻は決して侘び寂びではない過剰でエネルギッシュなものだ。私的にはとてもエスニックな建築物に思えるのだが…。
大竹の創作エネルギーの凄さに圧倒されるものの、そのベクトルが自分の嗜好の向きと異なることも確かで、大竹のごちゃごちゃとした過剰さがすんなりと心に響いてこなかったのがちょっと残念だった。それでも、「旅の記憶」のようなスケッチ風の繊細な作風は素敵だったし、子供のために作った絵本は微笑ましい。ある意味で大竹自身の振幅の大きさとも言えるのかもしれない。
今回の展覧会では全体的に「美」を感じることができず、やや困惑してしまったのだが、せめて唸ってしまうような秀逸な写実的油彩画が1枚でも展示されていたら全てを肯定できるところなのだが…。現代アーティストの起点にそれを望むのは無いものねだりなのだろうか?
まぁ、アートというものはそれぞれの感性で受け取り方も違うし、美術ド素人ということで暴言はご容赦を…(^^;;;
現代美術に疎い私も「ミスター・ピーナッツ」ぐらいは何かで眼にしていたが、実際はどんなアーティストなのか殆ど知らなかった(恥)
「80年代初頭に新しいペインティングの旗手として鮮烈なデビューを飾って以来、目に映る世界をすべて題材として、質・量ともに比類ない絵画を生み出し続けるとともに、立体、写真、本、印刷物、音など、衝動のおもむくままにあらゆる手段を取り込んで、多彩な活動を展開してきた」とのこと。
今回の展覧会は「全景」というテーマでもわかるように大竹の小学校時代の作文や漫画から最近作に至る大回顧展である。大竹少年の作文からは日光東照宮の彫刻に感動したことが伝わってきたし、高校時代には版画作品までものにしている。美大時代には北海道で写真を撮ったり、海外放浪(?)で欧州やアジア・アフリカまで足を伸ばし、膨大な(!)コラージュ作品を創作したりしている。「全景」展示作品はジャンルも多肢に渡り、量的にもかなりの数にのぼる。帰国してからも感性の赴くまま多彩な創作活動をしてきたことが作品群からじわじわと伺えた。
特に興味深かったのは初期コラージュ作品群等から強烈に感じ取れる混沌としたエスニック(多分にキッチュ)感である。過剰なまでのエネルギーに満ちていて、近年の「ダブ平&ニューシャネル」ステージの造形にも観ることができる。思うに、もしかしてその原点こそ小学校時代の日光東照宮にあるのではないだろうか?東照宮を装飾し埋め尽くす彫刻は決して侘び寂びではない過剰でエネルギッシュなものだ。私的にはとてもエスニックな建築物に思えるのだが…。
大竹の創作エネルギーの凄さに圧倒されるものの、そのベクトルが自分の嗜好の向きと異なることも確かで、大竹のごちゃごちゃとした過剰さがすんなりと心に響いてこなかったのがちょっと残念だった。それでも、「旅の記憶」のようなスケッチ風の繊細な作風は素敵だったし、子供のために作った絵本は微笑ましい。ある意味で大竹自身の振幅の大きさとも言えるのかもしれない。
今回の展覧会では全体的に「美」を感じることができず、やや困惑してしまったのだが、せめて唸ってしまうような秀逸な写実的油彩画が1枚でも展示されていたら全てを肯定できるところなのだが…。現代アーティストの起点にそれを望むのは無いものねだりなのだろうか?
まぁ、アートというものはそれぞれの感性で受け取り方も違うし、美術ド素人ということで暴言はご容赦を…(^^;;;