今日は早トチリで失敗してしまったので、ちょっと気分を変えて、買い物ついでにお散歩を...
ということで、仙台もお天気に恵まれ、久々に暖かく気持ちの良い一日だった。定禅寺通りのケヤキ並木の新緑も日々濃くなっていくようだ。
さて、黄金週間だが、今年もどこへも行けず、自粛週間になりそうなのが哀しい。せめて、新緑を眺めながらの散歩を楽しみたい。もちろん、マスクに三密回避でね
今日は早トチリで失敗してしまったので、ちょっと気分を変えて、買い物ついでにお散歩を...
ということで、仙台もお天気に恵まれ、久々に暖かく気持ちの良い一日だった。定禅寺通りのケヤキ並木の新緑も日々濃くなっていくようだ。
さて、黄金週間だが、今年もどこへも行けず、自粛週間になりそうなのが哀しい。せめて、新緑を眺めながらの散歩を楽しみたい。もちろん、マスクに三密回避でね
サクッと立ち読みした「芸術新潮 5月号」の特集は「福富太郎」伝説だった。どうやら、東京ステーションギャラリーで「コレクター 福富太郎の眼 ― 昭和のキャバレー王が愛した絵画」展が開催中のようだ。ちなみに、現在はコロナ禍のため休館中である。
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202104_fukutomi.html
「芸術新潮」の特集ページを捲っていると、満谷国四郎《軍人の妻》が目に飛び込み、ああ、やはり満谷の初期作品はカラヴァッジョ的だなぁ、と思ってしまった。
満谷国四郎《軍人の妻》(1904年)福富太郎コレクション資料室
写真を見ると、涙を宿す妻に注ぐ右全方からの光、妻の抑えた悲しみを映し出す白の半襟と黒の喪服、遺品を受ける白布の反射光、そして軍帽を映す軍刀の精緻な描写...。満谷はキアロスクーロを用い、その佇まいを哀しくも美しく浮かび上がらせている。
以前、山梨県立美術館「夜の画家たち」展の感想を書いた時、満谷国四郎《戦の話》について触れた。
https://blog.goo.ne.jp/kal1123/e/dbfff464192556b1cfcc00b191af757d
満谷国四郎《戦の話》(1906年)倉敷市立美術館
驚くことに、カラヴァッジョ《聖マタイの招命》を想起させる明暗の効果であり、画面構成であり、満谷はカラヴァッジョ作品を観たのではないか?と疑うほどだった。
カラヴァッジョ《聖マタイの招命》(1600年)サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂(ローマ)
今回の《軍人の妻》を見ても、やはり、満谷の初期作品にはカラヴァッジョ的なものが色濃く満ちているとしみじみ思う。美術ど素人の暴言かもしれないが、私的に、初期の満谷国四郎を日本のカラヴァッジェスキと言いたい。
コメント話題に「クロイスターズ」が登場したので、すっかり懐かしくなり、思出話を少しばかり…。
「The Cloisters」はメトロポリタン美術館の別館であり、2004年にMETの展覧会「リアリティの画家(Painters of Reality: The Legacy of Leonardo and Caravaggio in Lombardy)」を観た折に併せて訪ねた。
https://www.metmuseum.org/exhibitions/listings/2004/leonardo-and-caravaggio
「クロイスターズ」の名を知ったのは、昔、兄の本棚でトマス・ホービング『謎の十字架』を見つけて読んだ時だ。当時は美術に関心も薄く(汗)、ミステリー小説のように読んだのだが、それでもいつかは観に行きたいものだなぁと思った。
クロイスターズはNY中心部から離れたハドソン川上流を臨む地にあり、MET本館近くからバスに乗り、小一時間ほどで着いた。クロイスターズの前にバス停があるので、往復バス利用は便利だった。
館内を見て歩くと...中世ロマネスクの礼拝堂まで移設したようで驚いてしまった。
さて、お目当てはホービングの《十字架》だが、もちろんその後、美術鑑賞に目覚めたので(笑)ロベルト・カンピン《メロード祭壇画》と《一角獣のタピストリー》も楽しみだった。
《クロイスター・クロス》12世紀
同じセクションには、ランブール兄弟の《ベリー公のうるわしき時祷書》(多分実物?)も展示されていた。
ロベルト・カンピンと工房《メロード祭壇画》(1422年以降)
思ったより小ぶりの祭壇画だったのが印象的だった。
ずっと観たかった、タペストリー《捕らわれた一角獣》(1495~1505年頃)
更に見て歩くと、「クロイスターズ」の由来である修道院風回廊に出る。
中庭には多種類のハーブが植えて有り、回廊の一角にあるカフェからも座って眺めることができる。何を飲んだのだっけ?やはり紅茶だったような気がする。ハーブティーもあったような…。(追記:もしかしてカフェは記憶違いも)
クロイスターズからハドソン川の流れを眼下に見ながら、ロックフェラー2世の情熱があったからこその環境だなぁと思った。なんだか、歴史の浅い米国の欧州文化への切実な憧れが見えたような気もしたのだけどね。
またゆっくりと訪ねたいが...困難な時代になってしまったのが本当に残念だ。
宮城県「蔓延防止等重点措置」実施前に、滑り込みで映画「レンブラントは誰の手に」を見た。
感想を言わせてもらえば、題名は原題の「My Rembrandt(私のレンブラント)」にした方が良かったと思う。「レンブラントは誰の手に」だと感想も「ビミョー」と言うしかなくなるからだ。
なぜならば、ストーリーは3つの「私のレンブラント」をめぐる物語が交互に語られるもので、超サクッとまとめれば…
すなわち、それぞれのレンブラント愛が語られるわけで、お金や名誉(個人も、国家も!)が絡むとややこしくなるのは当然と言うべきか、その辺をカメラは追うわけだが、「みんなのアムステルダム国立美術館へ」と比べると、どうも立ち上る皮肉やユーモアの冴えがイマイチなのだった(スミマセン)。
多分、扱う対象が「みんなのアムステルダム…」では館員や市民であるのに対し、「私のレンブラント」では所有者・研究者・画商・国家等の利害関係者であり、前者(みんなの)と後者(私の)ではその位相が異なるためだと思うのだ。敢えて言わせてもらえば、その奥のドロドロへのツッコミもちょっと浅いかも、と思った。
下記↓写真は2019年2月に撮ったもので、当時、アムステルダム国立美術館に展示されていた、旧ロスチャイルド男爵所蔵「ソールマン夫妻の肖像」1対(2点)。
レンブラント《マールテン・ソールマンの肖像》(1634年)
レンブラント《オープイエ・コピットの肖像》(1634年)
ちなみに、某先生の講座でこの映画が話題になり、受講者仲間が先生に「ヤン・シックスのレンブラント(?)作品はどう思われますか?」と質問した。「なんとも言えないですね。解釈の問題になると思います。」とのことだった。
映画にはレンブラント・リサーチ・プロジェクト(RRP)のウェテリンク教授(Ernst van de Wetering)も登場するが、先生にRRPの活動や終了経緯、併せて、故ブルイン(Josua Bruyn)とウェテリンクの師弟関係、レンブラント真贋判定における複雑な諸問題なども教えていただいた。真贋判定って単純ではなく、本当に色々複雑で難しいものなのね。
佐藤直樹・著『東京藝大で教わる西洋美術の見かた』(世界文化社・刊)を読んだ。
藝大の先生が書いた、鑑賞眼を鍛えるための「美術史概説」であり、一般向けに簡潔な説明にしてくれたので、本当に読み易かったし、活字も大きく老眼の年寄り(私)には大変ありがたかった。
著者の佐藤先生のご専門はドイツ・北欧美術史ということで、概説本ではあるが、取り上げている事例に北方絵画が多いと言うのもツボで、もちろん、ジョットやカラヴァッジョも登場する。それに印象派を省いたところなども潔くて良いのだわ。
さて、なにより目を惹いたのは、表紙のロヒール・ファン・デル・ウェイデン。
ロヒール・ファン・デル・ウェイデン《若い女性の肖像》(1440年頃)ベルリン国立絵画館
裏表紙はロベルト・カンピンだもの、おほほほ...。
ロベルト・カンピン《若い女性の肖像》(1435年頃)ロンドン・ナショナル・ギャラリー
で、なぜ表紙がこの二人の画家だったのか??
思うに、この本の一番のハイライトがロベルト・カンピン研究の新説だから、ではないかと。フェリックス・テュルレマン説(2002年)は刺激が有り過ぎるのだよ(笑)。
https://www.amazon.co.jp/Robert-Campin-Monographic-Critical-Catalogue/dp/379132778X
超サクッと要約すると、プラド美術館のウェイデン作《十字架降下》だが、実はカンピン工房作で、カンピンとウェイデンの共作ではないか? そして、シュテーデル美術館のフレマールの画家(ロベルト・カンピン)の3枚の板絵《聖ベロニカ》《聖母子》《三位一体》は、《十字架降下》と組み合わされた一つの多翼祭壇画だったのではないか?との説だ。両者の縦の長さが一致するそうだ。
※ご参考:プラド美術館《十字架降下》
※ご参考:シュテーデル美術館《聖ベロニカ》《聖母子》《三位一体》
https://sammlung.staedelmuseum.de/en/work/the-flemalle-panels-st-veronica-with-the-veil
「バランスよく作品を知るより、個々の作品に対する具体的アプローチを学んだ方が、実は美術鑑賞のコツを得るには手っ取り早いのです。」とのことで、各回、面白く刺激的な内容で、楽しくお勉強できた。美術ど素人の私の鑑賞眼も少しは鍛えられたであろうか??
ちなみに、佐藤先生のカラヴァッジョ《聖マタイの召命》のマタイは、石鍋先生の説と同じだった。
ロヴェレート近現代美術館(Museo di arte moderna e contemporanea di Torento e Rovereto)で、つい最近まで「Caravaggio Il contemporaneo」展が開催されていた。
http://www.mart.trento.it/caravaggio
カラヴァッジョ《聖女ルチアの埋葬》を主題とし、現代のアーティスト作品を展示構成した展覧会であり、Youtube動画を見てもなかなかに興味深い。
Youtube動画:https://www.youtube.com/watch?v=IHYuZytUd8U&t=1s
カラヴァッジョ作品との共鳴と変奏と言えるかもしれないね。
ロヴェレート現近代美術館(MART)は、2013年秋、「アントネッロ・ダ・メッシーナ展」を観るために訪れたことがある。
http://www.mart.trento.it/antonellodamessina
Youtube動画:https://www.youtube.com/watch?v=Sp_h_yxUHfI
で、なんと「NHKまいにちイタリア語」のテキストに、登場人物たちがこのロヴェレートを訪れ、MARTでジョルジョ・デ・キリコ展と未来派展示室を訪れるスキットがあった。
MARTの展示室にはジョルジョ・モランディ作品も並んでいた。
テキストで知ったのだが、美術館の天井ドームの直径はローマのパンテオンと同じだそうだ。パンテオンへのオマージュなのかな??
確かに、美術館の建物はモダーンで、ガラスと鉄鋼による天井ドームが印象的だったなぁ。
2021年7月~8月、山形美術館で国立西洋美術館のコレクション展が開催される。「山形の地から西洋美術を再考する機会」とのこと。
◆「令和3年度国立美術館巡回展 国立西洋美術館コレクションによる 山形で考える西洋美術 ─〈ここ〉と〈遠く〉が触れるとき」
・会期:2021年7月17日(土)~ 8月27日(金)
・会場:山形美術館
http://www.yamagata-art-museum.or.jp/exhibition/4067.html
「国立美術館では、所蔵作品を効果的に活用し、広く国民の鑑賞機会の充実を図るとともに、近・現代美術振興に資する目的で「国立美術館巡回展」を実施しています。本展では国立西洋美術館のコレクションより、ルネサンスから20世紀にかけて活躍した西洋の画家たちの作品を概観します。また山形市出身の彫刻家・新海竹太郎とロダンの芸術との関わり合いも紹介。山形の地から西洋美術を再考する機会とします。」(山形美術館サイトより)
国立西洋美術館さま、できましたら、私的未見のフランシスコ・デ・スルバラン《聖ドミニクス》も、ぜひぜひ!山形に貸し出してくださいませ~!!!
https://search.artmuseums.go.jp/records.php?sakuhin=198224
https://collection.nmwa.go.jp/P.2019-0001.html
更なる希望として、アドリアーン・イーゼンブラント帰属《玉座の聖母子》や
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール《聖トマス》も来てくれると嬉しいのだけれど...。
コロナ禍の下、去年の3月以降、仙台から一歩も出ていない。前売り券を買っていた「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」さえ観るのを諦めたのだから。その後国立西洋美術館は休館に入り、来年まで行けないだろうなぁ、と思っていたら...なんと!山形に来てくれるとは。 嬉しいことに、仙台市と山形市は近いのだ。(「仙台市山形区」説もあり)
さて、どのような「西洋美術を再考する」構成になるのか、今からとても楽しみだ♪
ゲストのむろさんさんからの情報です。(むろさんさんに感謝です!!)
ホセ・デ・リベーラの弟子作品として、マドリードのオークションに掛けられる予定だった《エッケ・ホモ》が、カラヴァッジョ真作ではないかとの専門家の指摘があり、スペイン政府が急遽、競売を阻止したとのこと。
https://www.afpbb.com/articles/-/3341160?act=all
カラヴァッジョ帰属(?)《エッケ・ホモ》
画像を見ると、カポディモンテ美術館(ナポリ)のカラヴァッジョ《キリストの笞打ち》.にちょっと似ているようにも思えるのだが、うーむ、果たしてどうなのだろう??
私的には、当時はスペイン領ナポリだったから、ナポリのカラヴァッジェスキの手による可能性もあると思うし、これからの詳細な調査による続報に期待したい。とにかく、カラヴァッジョ偏愛としては実物を観てみたいものだ。
ネットで、あららぎ菜名さんのエッセイ漫画「東京藝術大学受験ものがたり」(全34話)を読んだ。
https://note.com/nana_23/n/n1072e1974463
どうやら、今年3月に本にもなったようだ。
内容は、感動の実話物語で、もう、読みながらウルウルしてしまった。藝大受験、特に多浪生の大変さを知ることになったし、その若さや情熱が羨ましくもあり、また、苦労する娘を応援するお父さんも良かったし。
特に、あららぎさんが自然光の美しさに目覚めるところなど、きっとヤン・ファン・エイクも同じだったのではないだろうか?と想ったり、美術における光と影の重要性も再認識させてもらったり、美術ど素人の私にも勉強になること多々だった。
実は、藝大受験に失敗して私立の美大に行った友人もいたので、藝大受験の厳しさはそれとなく知っていた。「すいどーばた」の名前までね。このエッセイ漫画で、多浪までして目指す「東京藝術大学」(国立唯一の芸術大学)の凄さと魅力も改めて知ったような気がする。
リアル藝大受験を見事合格した学生さんたち、頑張ってね!!その活躍する未来に想いを馳せてしまうよ。
今、仙台の桜は満開だ。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国の対策本部は宮城、大阪、兵庫に「まん延防止等重点措置」を適用することを正式に決定した。宮城で対象となるのは仙台市で、期間は4月5日から5月5日までの1カ月だ。
さて、春爛漫の良い季節だと言うのに、自粛続行、また1か月も続けるなんてね。