恒例になったような気がする2007年度の極私的展覧会ベスト○を選んでみた。今回は海外篇と国内篇に分けた。と言うのも両者を並列評価することが難しく思えたからだ。
まずは海外篇から。と言っても、2007年は観た海外美術館(常設展)は多かったものの展覧会自体の総数は少なく、結局「展覧会ベスト3」になってしまった(^^ゞ
1.「The Royal Collection “Italian Paintings and Drawings」 クイーンズ・ギャラリー(ロンドン)
もちろん女王陛下のCARAVAGGIOが展示されたからなのだが(笑)。それにも増してイタリアルネサンス~マニエリズム~バロックと流れが一望できるツボを抑えた質の高い作品が勢揃いだった!この展覧会については以前に触れているのでこちらを参照。
2.「The Mirror & Tne Mask」キンベル美術館(フォートワース)
本当を言えばこの展覧会が2007年度私的ベスト1である。ティッセン・ボルネミッサとキンベル美術館が共同企画した展覧会で、キンベルでの最終日に観ることができた。(参考:画像&解説付きテッセン=ボルネミッサのサイト)
19世紀後半から現代に至る間に肖像画は姿や内面をも映す鏡だった時代からいつしか仮面へと変容していく。展覧会はゴッホやゴーギャンの自画像から始まったが、セザンヌ、エゴン・シーレやココシュカ、ピカソやクレー等を経て現代へと続くが、フランシス・ベーコンに至っては完全に歪んでいる。写真の登場で肖像画というジャンルがどのように変容し続けて来たのか、似姿と内面との格闘の末、アート表現としての「今」をも教えてくれる凄まじい展覧会だった!
もちろん展示作品の質も粒揃い。私的には特にエゴン・シーレ《Portrait of Edith Schiele, the artist's wife》に魅了された。歌うような幸福感に溢れ、悲劇の予兆など微塵だに感じさせない作品なのだ。
3「The Age of Rembrandt: Dutch Paintings in The Metropolitan Museum of Art」 メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
自分で選んでおきながら文句を言ってしまうが、メトも結構安易な企画をするものだ(^^;;;。所蔵するレンブラントやフェルメールをごそっと並べて良しとするなんて、まるで某国の某展覧会みたい。まぁ、質的には文句が無いところなので憮然としながらも楽しんで観た(笑)。
で、何故ベスト3に入れたかと言うと、最後にヘンドリック・テル=ブリュッヘン《The Crucifixion with Virgin and St.John》が特別コーナー扱いで展示されていたのだ!
しみじみ再見(3度目だもの)して、あっ!と気がついた。キリストがグリューネヴァルト的であることに!!恥ずかしながら美術ド素人は、以前下目黒研究所長さまがゴシック的と指摘された意味に気付かなかったのだ。不覚(>_<)
次点.「Edward Hopper」展 ワシントン・ナショナル・ギャラリー(ワシントン)
シカゴ美術館に行ったら《Nighthawks》はワシントンに行っていると教えられた。別に追いかけたわけではないがワシントンで捕まえた。深夜の街並みの静けさの中、ダイナーのガラス窓越しに3人の客のそれぞれの孤独が浮かび上がる。暗い街並みにこぼれるダイナーの煌々とした照明が静寂感を深めていて流石だなぁと思った。テーマが都会にしても田舎にしても、ホッパーの描く世界にはドラマの一場面のように、静かで濃密な緊張感が漂っている。
ということで、国内篇は後ほど(^^ゞ
まずは海外篇から。と言っても、2007年は観た海外美術館(常設展)は多かったものの展覧会自体の総数は少なく、結局「展覧会ベスト3」になってしまった(^^ゞ
1.「The Royal Collection “Italian Paintings and Drawings」 クイーンズ・ギャラリー(ロンドン)
もちろん女王陛下のCARAVAGGIOが展示されたからなのだが(笑)。それにも増してイタリアルネサンス~マニエリズム~バロックと流れが一望できるツボを抑えた質の高い作品が勢揃いだった!この展覧会については以前に触れているのでこちらを参照。
2.「The Mirror & Tne Mask」キンベル美術館(フォートワース)
本当を言えばこの展覧会が2007年度私的ベスト1である。ティッセン・ボルネミッサとキンベル美術館が共同企画した展覧会で、キンベルでの最終日に観ることができた。(参考:画像&解説付きテッセン=ボルネミッサのサイト)
19世紀後半から現代に至る間に肖像画は姿や内面をも映す鏡だった時代からいつしか仮面へと変容していく。展覧会はゴッホやゴーギャンの自画像から始まったが、セザンヌ、エゴン・シーレやココシュカ、ピカソやクレー等を経て現代へと続くが、フランシス・ベーコンに至っては完全に歪んでいる。写真の登場で肖像画というジャンルがどのように変容し続けて来たのか、似姿と内面との格闘の末、アート表現としての「今」をも教えてくれる凄まじい展覧会だった!
もちろん展示作品の質も粒揃い。私的には特にエゴン・シーレ《Portrait of Edith Schiele, the artist's wife》に魅了された。歌うような幸福感に溢れ、悲劇の予兆など微塵だに感じさせない作品なのだ。
3「The Age of Rembrandt: Dutch Paintings in The Metropolitan Museum of Art」 メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
自分で選んでおきながら文句を言ってしまうが、メトも結構安易な企画をするものだ(^^;;;。所蔵するレンブラントやフェルメールをごそっと並べて良しとするなんて、まるで某国の某展覧会みたい。まぁ、質的には文句が無いところなので憮然としながらも楽しんで観た(笑)。
で、何故ベスト3に入れたかと言うと、最後にヘンドリック・テル=ブリュッヘン《The Crucifixion with Virgin and St.John》が特別コーナー扱いで展示されていたのだ!
しみじみ再見(3度目だもの)して、あっ!と気がついた。キリストがグリューネヴァルト的であることに!!恥ずかしながら美術ド素人は、以前下目黒研究所長さまがゴシック的と指摘された意味に気付かなかったのだ。不覚(>_<)
次点.「Edward Hopper」展 ワシントン・ナショナル・ギャラリー(ワシントン)
シカゴ美術館に行ったら《Nighthawks》はワシントンに行っていると教えられた。別に追いかけたわけではないがワシントンで捕まえた。深夜の街並みの静けさの中、ダイナーのガラス窓越しに3人の客のそれぞれの孤独が浮かび上がる。暗い街並みにこぼれるダイナーの煌々とした照明が静寂感を深めていて流石だなぁと思った。テーマが都会にしても田舎にしても、ホッパーの描く世界にはドラマの一場面のように、静かで濃密な緊張感が漂っている。
ということで、国内篇は後ほど(^^ゞ