花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

空気遠近法。

2017-07-29 23:59:06 | 西洋絵画

今日は某文化センターでブリューゲルについて勉強してきた。 

で、「世界風景画」ついでに、先生に「空気遠近法」の起源を質問させていただいたのだが、やはりフランドル起源だった!! 

ブシコーの画家が起源とされているそうで、当時ランブール兄弟はまだ遠近法を知らなかった(・・;) 

先生がスクリーンで紹介してくれた比較できる時祷書挿絵が、ネットでまだ見つからないので(汗)、見つけたら貼り付けたい。《訪問》か 《羊飼いへのお告げ》なのだが。ジャックマール=アンドレには2度行っているのに、当時は時祷書に興味が無かったから、殆ど記憶に残っていない(>_<)

ブシコ一元帥の画家,『ブシコ一元帥の時祷書』より《訪問》(1405-1408年)ジャグマール=アンドレ美術館

ちなみに、ネットで「空気遠近法」についての論文を発見。

http://ir.library.osaka-u.ac.jp/dspace/bitstream/11094/48214/1/mra_026_013A.pdf


ぶら美「アルチンボルド展」を見逃した(T_T)

2017-07-28 23:25:53 | テレビ

今日の「ぶらぶら美術館・博物館」を見逃がしてしまいました!! 「アルチンボルド展」だというのに(T_T)

http://www.bs4.jp/burabi/onair/245/index.html

そのうえ、なんと、録画もし忘れていたのです。せっかくゲストのmomoさんから教えて頂いていたのに...(>_<)

再放送って、あるのでしょうかね??

ちなみに、下記の再放送はあるようです。

2017年9月1日 世界を変えた傑作名画「バベルの塔」展~ブリューゲルと“奇想”のボス、精密で美しいネーデルラントの幻想世界!~(アンコール放送)

http://www.bs4.jp/burabi/onair/238/index.html


Bunkamura「ベルギー奇想の系譜」展サクッと感想。

2017-07-25 23:59:20 | 展覧会

Bunkamuraザ・ミュージアム「ベルギー奇想の系譜」展を観た。感想をサクッと…(^^;

ヒエロニムス・ボス工房《トゥヌグダルスの幻視》から始まる「ベルギー奇想」の系譜はなかなか面白かったけれど、ボスの系譜としてルーベンス原画作品を持って来たのは少々苦しいような気がした。エングレーヴィング作品《反逆天使と戦う大天使ミカエル》などは、レオナルドの《アンギアーリの戦い》だったりミケランジェロ研究の成果だと思えるのだ。もちろんルーベンスはフランドルの巨匠ではあるが、イタリア修業時代に学んだものは大きいと思う。(展覧会的には、あのルーベンスにもフランドル的奇想作品があるんですよ、と言いたかったのはわかるのだけどね)

今回の展覧会では、特にボスの追随者たちによるボス・リバイバルの様相にスポットが充てられていた。その中でもやはりピーテル・ブリューゲル(父)版画作品を観ていると、奇想の造形性にしても、その才気と技術の卓越性が他を圧倒して際立っているが了解される。ブリューゲルって本当に上手いのだよねぇ。

で、その息子であるヤン・ブリューゲル《冥界のアエネアスとシビュラ》が、実は今回の展覧会で私的に一番面白く感じた作品だった。ヤンと言えば静物画や風景画を想起するのだが、この作品は地獄の炎を想わせる冥界の風景とともに、逃げ悶える群像表現が特に印象的で、人物画は得意でないとされるヤンの意外な一面を観たような気がしたのだ。裸体人物像がなんだかマニエリスムっぽい(^^;

ヤン・ブリューゲル(父)《冥界のアエネアスとシビュラ》(1600年頃)ブダペスト国立美術館

で、その後が一挙に19世紀末~20世紀初頭~現代へと続き、ネーデルラント→フランドル→ベルギーへと、歴史の中で翻弄されたフランドルの歴史を映しているようで、故に、この展覧会も「ベルギー奇想」と限定されているのは仕方がなのだろうなぁという諦めがつく(^^; 

だってね、「奇想」と言ってもコルマールの巨匠マルティン・ションガウアーに何ら言及もされてないじゃない。

マルティン・ションガウアー《 聖アントニウスの誘惑 》(1471-1475年)

美術ド素人の素朴な疑問なのだが、ほぼ同年代生まれのボスとションガウアーの奇想って、接点は無かったのだろうか???

ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch ,1450年頃 - 1516年)

マルティン・ションガウアー(Martin Schongauer , 1448年頃 - 1491年)


三菱一号館美術館「レオナルド×ミケランジェロ展」彫刻拝見サクッと感想。

2017-07-24 23:38:07 | 展覧会

先週、東京に行ってきた。多分、ゲストのmomoさんと同じようなコースだったかもしれない(^^;

まずは、三菱一号館美術館 「レオナルド×ミケランジェロ展」(彫刻だけ!)

ということで、サクッと感想をば...。

ミケランジェロ《十字架を持つキリスト》はミケランジェロにしては静的過ぎて、なにやら古典古代彫刻(コントラポストよね)を想起してしまったほどだ。大理石の亀裂のためにミケランジェロが途中で放棄したものを17世紀の彫刻家が完成させたらしい。17世紀ということは、ヴィンチェンツィオ・ジュスティニアーニ候時代でしょ??(間違っていたら御免なさい(^^ゞ)

ミケランジェロ《十字架を持つキリスト》(ジュスティニアーニのキリスト)サン・ヴィンチェンツィオ修道院付属聖堂 

キリストの顔の頬と肩のあたりに亀裂が走る。

展示室の壁に参考としてサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ聖堂の《キリスト》の写真が展示してあったが、その筋肉質かつ動的なひねりこそがミケランジェロだよなぁと思ってしまった。

もし、あのジュスティニアーニ候のジュスティニアーニ家だとしたらであるが、ジュスティニアーニ候は古典古代彫刻も多く収集しているから、彫刻については案外古典嗜好だったのかもしれない。絵画は当時の「現代絵画」がお好みだったのだろうけどね。って、候はカラヴァッジョのパトロンですから(^^ゞ


カトリーヌ・ド・メディシス?!

2017-07-23 01:07:13 | 西洋絵画

アルチンボルド《春》から...。」で触れたパラッツォ・バルベリーニの若い女性の肖像画は、なんと《カテリーナ・デ・メディチ(カトリーヌ・ド・メディシス)の肖像》だったようです(・・;)

(仏)Catherine de Médicis,(伊)Caterina Maria Romula di Lorenzo de' Medici,通称Caterina de' Medici (1519 –1589年)

Eugenio Alberi著 "Caterina de' Medici" (Firenze 1838年発行)に肖像画(版画)が載っているのですが、版画なので左右反転しています。


NHK 「(>o<)顔面白TV」がようやく(^^;

2017-07-18 01:17:40 | テレビ

アルチンボルド関連番組で、放送延期になっていたNHK総合「(>o<)顔面白TV」の放送がようやく決まったようです。(Grazie!!>momoさん)

・HNK総合 「(>O<)顔面白TV」

・7月18日(水)午後10時25分~ 午後11時15分

http://www4.nhk.or.jp/P4524/

どんな風にアルチンボルドが扱われるのか、楽しみですね♪


仙台市博物館「空海と高野山の至宝」展の感想(2)

2017-07-18 00:44:00 | 展覧会

「空海と高野山の至宝」であるから、もちろん空海ゆかりの品々も展示されていた。中でも私的に目が惹かれたのは空海が所持していたとされる《金念珠》だった。空海が在唐中に順宗皇帝(在位805年)から贈られたという。

良い画像が見つからなかったので、東京国立博物館「空海と高野山」図録を撮ってみた(^^;

《金念珠》伝弘法大師所持中国・唐時代(9世紀)

拡大写真。拡大してみるとわかるように「粒金」細工なのである!!  実に凝った作りの豪華な念珠だ。

で、「粒金」と言えば古代エトルリアである。そのエトルリアの粒金技術がユーラシア大陸を横断して中国へ伝わり、そこで作られた《金念珠》が空海によって日本に運ばれたと想うと、なんだか歴史ロマンを感じてしまったのだった(^^)

参考として、ローマのヴィラ・ジュリア(国立エトルリア考古学博物館)で撮ったエトルリアのピンブローチ頭部を拡大。粒金で装飾が施されている。紀元前5世紀頃のものだろうか??


仙台市博物館「空海と高野山の至宝」展の感想(1)

2017-07-14 23:35:34 | 展覧会

仙台市博物館「空海と高野山の至宝」展(前期)を観た。仙台での特別展開催は誠に有り難い事で、金色に輝く《大日如来坐像》に思わず手を合わせてしまった。

重文 《大日如来坐像》 金剛峯寺 (平安初期) 通期展示

私的には2004年の東京国立博物館「空海と高野山」展を観てはいたのだが、十年以上も前だから記憶が遠くなっており、今回は改めて気付くことが多々あった。 展示規模の大きい東博と違い、小規模だからこそ、その1点1点を詳細に愛でる余裕ができたのだと思う。

さて、今回の展覧会は前期と後期に分かれての展示だが、仙台市博物館の狭さでは致し方なかっただろう。故に、コンパクトな展示ではあるものの、精鋭の展示物が眼を喜ばせてくれる。なにしろ今回の目玉である国宝「八大童子立像」から6体が来仙、前期には運慶の傑作《制多迦童子》が展示されている。

国宝 八大童子立像(制多伽童子像)(運慶作)金剛峯寺 鎌倉時代(前期展示)

《制多迦童子》はしみじみ観ると、怒気で紅潮しながらも、きりりとした眦(強い眼光は玉眼)と少し膨らませながらも鼻筋の通った顔立ちが、童子と言うよりは(少々ふくよかだけど)イケメン青年と言った方が相応しいのではないかと思ってしまった。正面から見ると表情豊かな怒気面なのだが、横から見るとその端正なプロフィールに意外感を覚えたのだ。纏った衣紋の流れや肢体を傾けるコントラポスト仏像風(?)は運慶ならではの動きの表現だろうか。 

今回の「八大童子立像」は各々ガラスケースに収まって展示されていたが、立像自体はそれほど大きくははない。なので、すっかり気に入った「制多迦くん」を、抱きかかえて家にお持ち帰りしたい♪と切に思ってしまった(^^ゞ

ということで、続く…。


アルチンボルド《春》から...。

2017-07-11 23:50:19 | 西洋絵画

前回、アルチンボルド《春》について書いた。

実は、雰囲気的に似ている女性像を思い出してしまった。

当時の髪型やファッションが偲ばれる。

パラッツォ・バルベリーニ(国立古典絵画館)所蔵作品で、残念ながら画家と作品名を忘れてしまっている(汗)。本棚でバルベリーニのガイド本を探したのだが見当たらず、ご存知の方は教えて下さいませ(^^;;