なんやかんやで、去年(2023年)秋の北イタリア旅行記の続きを書きそびれているが、国立西洋美術館「写本」展の感想ついでに、旅程の順番無視でモデナのエステンセ図書館「Parole Sacra(聖なる言葉)タナハ-聖書-コーラン」展について触れたいと思う。
モデナのエステンセ美術館「Ter Brugghen(テル・ブリュッヘン)」展にはボローニャのFさんと一緒に観に行ったのだが、Fさんが「ちょうどエステンセ図書館で特別写本展が開催されているから、ぜひこちらも観ましょう!」と案内してくれたのだ。(Grazie!! >Fさん)
「テル・ブリュッヘン展」の入口
で、「テル・ブリュッヘン展」を観終えて昼食をとり、図書館展示室の開館時間に合わせ、美術館と同じ建物内にあるエステンセ図書館(Biblioteca Estense Universitaria)に移動した。
・「Parole Sacra(聖なる言葉)タナハ-聖書-コーラン」展
https://gallerie-estensi.beniculturali.it/events/parole-sacre-tanakh-bibbia-corano/
「神の言葉が受け継がれ、広まった多くの貴重な形を証明しています。」
エステンセ図書館(Biblioteca Estense Universitaria)展示室(sala Campori)
「展示されている写本の中では、《ボルソデステの聖書》が際立っており、極めて例外的に一般に展示されています。1455年から1461年にかけて作られたこの作品は、公爵の文化政策の証であり、フェラーラに対する彼の権力を証明するステータスシンボルといえるものでした。実際、フェラーラのミニチュアの最高傑作であると同時に、イタリア・ルネサンス期のミニチュアの絶対的な傑作でもあります。」(公式サイトより)
ということで、2冊の《ボルソデステの聖書》が展示されていた。国立西洋美術館「写本展」のレオネッロ・デステの《レオネッロ・デステの聖務日課書》零葉にはエレガントさがあったが、《ボルソ・デステの聖書》は彩飾過多でかなり煌びやかである。
《ボルソ・デステの聖書》(1455-1461年)(
https://edl.cultura.gov.it/item/0k53ezoojo
https://edl.cultura.gov.it/item/yzjgxqd9r7
その他に、ヘブライ語聖書のタナハも2冊...
《タナハ》
《タナハ》
アラビア文字のコーランも2冊....
《コーラン》
《コーラン》
「一神教では、言葉と聖書の間には、伝達や啓示の異なる形式に関係なく、解けない絆があります。神は言葉で世界を創造し、言葉の中で彼は受肉し、言葉を通じて彼は預言者に自分自身を明らかにします。この理由から、偉大な一神教は、神聖なテキストを書くという物質的な行為を通じて、言葉の拡散に生きてきました。」(公式サイトより)
展示数は少なかったが、それぞれの個性ある聖書は彩飾のあり方も異なり、私的にも興味深く観ることができた。