花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

「芸術新潮」3月号 - カラヴァッジョ特集。

2016-02-25 20:20:53 | 読書

3月号の「芸術新潮」はカラヴァッジョ特集でした。表紙を見て、あれっ?と思い、本棚から2001年10月号を引っ張りだしたら、やはり!でした。

編集部が《ホロフェルネスの首を斬るユディット》を偏愛していることがわかりますね(笑) 

まだ、ザッとしか読んでいませんが、今回も読み応えがありそうです。特に気に入ったのは「カラヴァッジョ人生双六-あゝ、ローマへ帰りたい」で、サイコロを買ってこようと思います(^^;

で、これは!♪ と思ったのは、石鍋真澄編『カラヴァッジョ伝記集』(平凡社ライブラリー)、3月10日刊行予定、という記事でした。楽しみが増えました(#^.^#)


「カラヴァッジョ展」に《法悦のマグダラのマリア》が!!

2016-02-22 11:36:19 | 展覧会

いやぁ、驚きました!! 今朝のNHKニュースで「カラヴァッジョの真筆 東京で世界初公開へ」という報道がされたようです。 

2014年の拙ブログ(←リンク)でも取り上げた《法悦のマグダラのマリア(Maddalena in estasi)》です。ロベルト・ロンギ財団のミーナ・グレゴーリが真作と判定し、2014年10月24日付「レプブリカ紙」で発表されました。(「レプブリカWeb」リンク→ここ

当時のブログ「カラヴァッジョ《恍惚のマグダラのマリア》の真作発見?!」に、「真作発表展覧会はいつになるのだろうか?」と書いたのですが、まさか東京の「カラヴァッジョ展」が世界初公開になるとは思いもよりませんでした(・・;)

ということで、今回の「カラヴァッジョ展」への来日カラヴァッジョ作品は11点になるということなのでしょうかね?


「ウンブリア国立考古学博物館」のガラスボウル。

2016-02-22 00:44:54 | 美術館

エトルリア繋がりになる。2014年秋にペルージャの「ウンブリア国立考古学博物館」を訪れた。エトルリア時代の出土品も多く展示されており、興味深く眺めてしまった。

「ウンブリア国立考古学博物館」(ペルージャ) 元ドメニコ会修道院だった中庭

宮城県美術館「黄金伝説展」では黄金の装飾品が紹介されていたが、ペルージャでもエトルリア婦人がどのように首飾りや腕輪を身に着けていたかを知ることのできる墓石像を見ていた。 

当時のエトルリア美人♪ 髪色やアクセサリー(首飾りや腕輪)の黄金色が褪せずに残っている。

ついでに、エトルリアのイケメン青年♪ 手に酒杯を持つ。

展示物の中でも、特に気に入ったガラスボウルがある。淡い水色を基調に、青と金の渦巻き模様が印象的で、ガラスの中にどのようにして埋め込むことができたのだろうと、当時の技術とその美意識に驚嘆してしまった。

「ガラスボウル」紀元前3~2世紀

青に金の渦巻きが美しい。

エトルリア時代末期頃の「ガラスボウル」だと思う。私的には渦巻き模様と言うとケルトを想起するが、もしかして、エトルリア文化とケルト文化って近しいのかな?? 古代文化についての知識の無い私の眼は、ただただそのガラスの映す美しい色彩のハーモニーを愛でるしかなかった。できたら持ち帰りたかったなぁ(^^ゞ

【おまけ画像】ウンブリア国立考古学博物館の猫さんたち♪


没後500年記念「ヒエロニムス・ボス展」

2016-02-21 01:14:53 | 展覧会

ヒエロニムス・ボス没後500年記念「ヒエロニムス・ボス展」が、故郷スヘルトゲンボスの北ブラバント博物館で開催されている。ちなみに某先生ご推薦の展覧会でもある。 

・「ヒエロニムス・ボス展」北ブラバント博物館

・2016年2月13日〜5月8日

で、偶然チェックした「ニューヨーク・タイムズ紙(Web版)」によると、なにやらプラド美術館からの貸し出し予定の中の2作品に帰属問題があったらしく、プラド側が貸し出しを見送ったようだ。その1点が、先日来日していた《愚者の石の切除》のようで、ちょっと驚いてしまった。

あ、横文字苦手の私の誤読だったらごめんなさい(^^ゞ。リンクを貼ってあるのでご確認あれ。

レンブラント・リサーチ協会と同じように、ボスのリサーチ協会もあるようで、帰属問題と言うのはデリケートで難しいよなぁと思ってしまう。カラヴァッジョ作品も帰属について研究者間でも意見が分かれるものもあるようだし。まぁ、美術ド素人にはよくわかりませんけどね(^^;;;


カーサ・モランディ美術館のエトルリアの壺。

2016-02-20 02:33:59 | 美術館

2010年秋、ボローニャでFさんにフォンダッツァ通りの「カーサ・モランディ美術館」に連れて行って頂いた。

「カーサ・モランディ美術館」入口ドア (モランディの住んでいたアパルタメント。中は撮影禁止なのが残念!) 

アトリエの残るカーサ・モランディ(モランディの家)では、作品に登場する花瓶や壺や水差しなどが目の前に無造作に並んでいる。まるで舞台から降りた俳優たちが素の姿を晒しているのを見ているような気がしてしまった。その中には演出者(モランディ)にわざと白塗りされた顔をそのまま残すものも居て、舞台ではかなりこき使われたのだろうなぁ、と老俳優たちに同情までしそうだった。いや、モランディ演出の舞台だったからこそ、彼らは今もなお燦然と輝ける伝説の俳優として、その姿を作品の中に残しているのだと思う。 

今日から始まる東京ステーションギャラリーの「ジョルジョ・モランディ展」でもその雄姿を観ることができる。

カーサ・モランディには俳優たちとは別に、モランディ自身が集めたコレクションが並ぶ一室がある。素朴で静謐な小さな壺や皿は、画家の趣味が偲ばれるものであった。手に取り、眺めながら、きっと心が慰さめられていたのだろう。なかでも、エトルリアの小さな壺の好ましさは私の記憶に強く残り、エトルリア文化に対する興味を繋いでくれた。


宮城県美術館「黄金伝説展」超チョイ感想(^^;;;

2016-02-18 22:58:24 | 展覧会

Ho visto la mostra “Leggenda d’oro” al Museo Provinciale di Miyagi.

Mi sono interessati soprattutte i manufatti in oro etruschi, perche l’arte della granulazione è bella!

E poi ho penso che vorrei visitare il Museo Nazionale Etrusco di Villa Giulia a Roma, perche non ci sono andata ancora.

(もし間違いがあったら添削してくださいませ~(^^;;;) 

Mi sono piaciuti soprattutto i manufatti etruschi in oro perchè l'arte della granulazione è bella.

Penso poi di visitare il Museo Nazionale Etrusco di Villa Giulia a Roma, perchè non ci sono ancora andata. 

Fさん、添削ありがとうございました!! Grazie mille!!

■■■ 宮城県美術館「黄金伝説展」を観た。特にエトルリアの黄金出土品が興味深かった。なにしろ、粒金技術が素っ晴らしいのだ! 

そして、ローマのヴィッラ・ジュリア国立エトルリア考古学博物館を見学したいと思ってしまった。というのも、まだ行ったことがないのだもの(汗)。 ■■■

恥ずかしながら、イタリア語力が無いので、込み入った感想は書けない(自爆)。なので、サクッとどころじゃなく、超チョイ感想ですわネ(^^;;;


東京都美術館「ボッティチェリ展」感想をサクッと。

2016-02-02 23:43:17 | 展覧会

上野の東京都美術館「ボッティチェリ展」を観た。感想をサクッと(^^ゞ

多分、この展覧会は2011年ローマのスクデリエ・デル・クイリナーレ「Filippino Lippi e Sandro Botticelli nella Firenze del '400.」展を基にしたものかもしれない。同じアレッサンドロ・チェッキ氏が監修している。 

展覧会内容は、ボッティチェリの画業の変遷をフィレンツェの歴史(メディチ家の栄光と没落&サボナローラの登場と失脚)とともに語り、師のフィリッポ・リッピや、その息子でありボッティチェリの弟子であるフィリピーノ・リッピにも作品言及する極めて全うな展覧会であり、その正攻法的展示は私的にも好もしかった。 

作品としては、ボッティチェリのウフィッツィ《東方三博士の礼拝(マギの礼拝)》や、ポルディ・ペッツォーリ《聖母子像》が見どころであろう。

ボッティチェリ《ラーマ家の東方三博士の礼拝》(1475-76年頃)ウフィッツィ美術館 手前右端は画家自画像

 

ボッティチェリ《聖母子(書物の聖母)》(1482-83年頃)ポルディ・ペッツォーリ美術館 

私も含め日本人はボッティチェリ好きが多いと思う。丸紅が《美しきシモネッタの肖像》を購入したのも宜なるかなだ。だが、フィリッポ・リッピやフィリピーノ・リッピにスポットが当たる機会が少ないのも事実で(「プラート展」もあったけど)、今回、ボッティチェリの師匠と弟子(ライバル?)という関係ながら、作品紹介されたのは私的に喜ばしい。 

多分、チェッキ氏はフィリピーノ・リッピがお気に入りだと思うし、確かに《幼児キリストを礼拝する聖母》(←動画をリンク)もなかなかに素敵だ。ウフィッツィでは横目素通りしていたので、今回はちゃんと見せてもらった(^^;;;

で、実は私的に意外な作品と再開してしまった。ヴィチェンツァ市民銀行蔵フィリッポ親方《聖母子》は2014年秋にプラートのパラッツォ・プレトリオの展覧会で観ていた。(ずっと昔に読んだ辻邦生『春の戴冠』での「フィリッポ親方」という言い方が気に入っている(^^ゞ)

フィリッポ・リッピ《聖母子》(1436年頃)ヴィチェンツァ市民銀行

ちなみに、プラートのドゥオモ主祭壇にはフィリッポ・リッピのフレスコ画が残っている。フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラのストロッツィ礼拝堂にはフィリピーノのフレスコ画が見られる。 私的お気に入りでもある(^^ゞ

フィリッポ・リッピ《ヘロデの饗宴》(1452-65年頃)プラート大聖堂

フィリピーノ・リッピ《マルス神殿から龍を追い出す聖ピリポ》(1487-1502年)サンタ・マリア・ノヴェッラ(ストロッツィ礼拝堂)

ということで、感想がサクッとなってしまったが、ボッティチェリの絵画的変遷やキャラクターにも迫りながら、フィレンツェの春を体現したかのような画家たちの作品を楽しめる良い展覧会だった。