花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

シュテーデル美術館のクリヴェッリ《受胎告知》。

2019-05-31 00:09:54 | 西洋絵画

探し物があり、自分で撮った写真をチェックしていたら、シュテーデル美術館のカルロ・クリヴェッリ《受胎告知》が出てきた。これって、来年来日予定のロンドン・ナショナル・ギャラリー《受胎告知》に似ている!!と目が驚いてしまった

 

カルロ・クリヴェッリ《受胎告知》(1482年)シュテーデル美術館

 

カルロ・クリヴェッリ《聖エミディウスを伴う受胎告知》(1486年)ロンドン・ナショナル・ギャラリー

どうやらシュテーデルの《受胎告知》は、元々はカメリーノのサン・ドメニコ教会にあった4部構成の多翼祭壇画の上部分であるようだ。

https://sammlung.staedelmuseum.de/en/work/the-angel-of-the-annunciation 

https://sammlung.staedelmuseum.de/en/work/panels-of-a-polyptych

で、この《カメリーノ祭壇画(サン・ドメニコ祭壇画)》の中央パネル3枚は現在ブレラ美術館にある。

https://pinacotecabrera.org/wp-content/uploads/2014/10/Crivelli-PolitticoGualdo.jpg

https://pinacotecabrera.org/en/collezione-online/opere/camerino-triptych/

ミニチュア都市(カメリーノ)を持っている聖ヴェナンツィオはカメリーノの守護聖人であり、LNGのアスコリピチェーノの祭壇画と似た構成になっているのが興味深い。

ちなみに、プレデッラはヴェネツィアにあるようで、元々あったカメリーノから祭壇画がバラバラに解体され各地に所蔵されているのは、やはり哀しいものがある。


「ウィーン・モダン」展と「クリムト展」の超サクッと感想(^^;;

2019-05-29 23:33:28 | 西洋絵画

国立新美術館「ウィーン・モダン」展と東京都美術館「クリムト展」を観た超サクッと感想と、観ながら思ったことをボソっと

・国立新美術館「ウィーン・モダン」展は...

副題の「世紀末への道」らしく、ウィーン画壇におけるクリムト以前・以後の様相がわかる内容で興味深かった。ビーダー・マイヤー調(様式?)って聞いたことはあっても観るのは初めてで、生活にも美を求める=ウィーン市民の経済的&文化的な豊かさが伺えた。

で、クリムト《エミリー・フルーゲの肖像》も美しかったし(写真も撮れたし♪)、エゴン・シーレ《ひまわり》にも再会できたし(ひまわりの根元の花々に今更ながら気が付いてしまったのだが、より一層ひまわり=シーレの孤立感が際立つのだよね)、同じく再会のクリムト《パラス・アテナ》の鱗状の黄金帷子の表現が凄いなぁ!と目が吸い寄せられた。 

・東京都美術館「クリムト展」は...

《ユディット》の恍惚感がやはりクリムトらしかったし、ファム・ファタールの女の力が黄金の力と相まって強力だよなぁ、と思ってしまった。 《ベートーベン・フリース》再現も見応えはあったけれど、抱き合う男女って《接吻》に通じるよなぁ、と見たが、この件は後でちょこっと。いずれにしても、私的にはクリムトの黄金時代作品が装飾的で好きかも

で、この二つの展覧会を観ながら思ったことなのだが(美術ド素人の勝手な感想なので誤解があったらお許しあれ)...

1900年前後の「ウィーン世紀末」の雰囲気は展覧会からも良く伝わってくるのだが、この時代的雰囲気はウィーンだけでなく汎ユーロッパ的なものなのだろうなぁ、と改めて思ったのだ。特に、アルプス以北の絵画とは通底するものがあるように思われ、それは、国立西洋美術館の展覧会やバーゼル美術館で観たホドラー作品や、東京都美術館「ムンク展」での作品からも感じられた。分離派と象徴主義って親和性が高いように思えるのだよね。特にホドラーってウィーン分離派と交流があったようだし、それにヨーロッパって本当に狭いし。

ちなみに...

・フェルディナント・ホドラー(Ferdinand Hodler, 1853年 - 1918年)

・グスタフ・クリムト(Gustav Klimt, 1862年 - 1918年)

・エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch , 1863年- 1944年)

例えば...

 

グスタフ・クリムト《Hermine Gallia の肖像》(1904年)ロンドン・ナショナル・ギャラリー 

 

フェルディナント・ホドラー《聖なる時》(1910年)バーゼル美術館 

 

エドヴァルド・ムンク《接吻》(1897年)ムンク美術館 

グスタフ・クリムト《接吻》(1908年)ベルデベーレ宮(ウィーン) 

で、この19「世紀末」の画家や文学者に多大な影響を与えたのがギュスターヴ・モローらしいので(象徴主義の先駆者でもあるらしい)、次回は「グスターヴ・モロー展」感想を超サクッと書きたい...と思う 


羽生結弦選手の新しい記念モニュメント。

2019-05-22 23:09:08 | お出かけ

宮城県美術館の最寄り駅は仙台市地下鉄東西線「国際センター駅」であり、駅の前に4月29日、羽生結弦選手の2018年オリンピック金メダル記念モニュメントが新しく(追加)設置された。

ということで、美術館ついでに写真を撮ってきた

前回のモニュメントの横に追加設置されて...

荒川静香選手1枚+羽生結弦選手2枚=3枚のモニュメントが並ぶ(*^^*)


宮城県美術館「横山華山」展の超サクッと感想(^^;;

2019-05-21 21:40:53 | 展覧会

宮城県美術館「横山華山」展を観た感想を超サクッと

http://kazan.exhn.jp/

美術ド素人なもので、横山華山をこの展覧会で初めて知ってしまった💦

「横山華山(よこやまかざん)(1781/4〜1837)は、江戸時代後期の京都で活躍した絵師です。       諸画派に属さず、画壇の潮流に左右されない自由な画風と筆遣いで人気を博しました。 曾我蕭白(そがしょうはく)に傾倒し、岸駒(がんく)に入門した後、呉春に私淑して絵の幅を広げた華山は、多くの流派の画法を身につけ、作品の画題に合わせて自由自在に筆を操りました。」(公式サイトより)

出展目録は ↓ である。

http://kazan.exhn.jp/pdf/list_miyagi.pdf

オープニングから、曽我蕭白《蝦蟇仙人図》と横山華山《蝦蟇仙人図》が並び、華山が蕭白をほぼ模写して描いているのが面白い。細部設定をちょっと変えているのがご愛敬かも。華山の横山家本家が蕭白のコレクター(クライアント)だったらしく、蕭白作品(超個性的だし上手いしねぇ)を身近に観ていると影響を受けてしまうのは仕方がないだろうなぁとも思う。

展示作品には岸駒や呉春風作品もあり、華山が器用で上手い画家であるのが「見ればわかる」。今回の見どころである《祇園祭礼図巻》の緻密な風俗描写や、肉筆浮世絵風の美人画など観ても結構好ましいし

ボストン美術館や大英博物館所蔵作品も展示されていたので、外国人好みの作風とも言えるかもしれない。現代の私から見ても、目に良くわかりやすい。その器用&上手過ぎが明治以降忘れられた画家になってしまい、どうやら近年「再発見」されたようだが、まぁ、評価というのは時代により変わるしね。

で、私的に一番気に入った作品は、紙本木版摺《三猿図》(大英博物館所蔵)で、いわゆる「見ざる、聞かざる、言わざる」がユーモラスに描かれているのだが、そのシンプルで的確な猿の造形表現が実に現代的であり、更に、技量の秀でた彫師と摺師の技が、猿の毛並みの力強いリズム感を余すところなく再現していて、版画とは言え、眼が喜んでしまった

それにしても、当時の京都画壇はフィレンツェ・ルネサンス的に多くの優れた絵師が活躍していたし、その水準の高さは今回の展覧会を観ていても了解できる。でもね、時代の評価軸というものは変わり易いものだけど、やはり独自性や強い個性が無いと時代の波に埋もれてしまうのだろうなぁ、ということもわかったような気がしたのだった


東京国立博物館で「正倉院の世界」展が!

2019-05-17 22:29:04 | 展覧会

東京国立博物館で御即位記念特別展「正倉院の世界」展が開催されるようだ!!

御即位記念特別展「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―」展

・会場:東京国立博物館 平成館

・会期:2019年10月14日(月)~11月24日(日)

    (前期)10月14日(月)~11月4日(日)

    (後期)11月6日(火)~11月24日(日)

https://artexhibition.jp/shosoin-tokyo2019/

公式サイトのピックアップ展示品紹介によると...

《螺鈿紫檀五絃琵琶》唐時代・8世紀 正倉院宝物[前期展示]

《平螺鈿背八角鏡》唐時代・8世紀 正倉院宝物[後期展示]

《国宝 竜首水瓶》飛鳥時代・7世紀 東京国立博物館(法隆寺献納宝物)[後期展示]

《白瑠璃碗》ササン朝ペルシア・6世紀 正倉院宝物[後期展示]

《紺夾纈絁几褥》奈良時代・8世紀 正倉院宝物[後期展示]

仙台から奈良まではなかなか行けないので、東京での引っ越し展示はとても嬉しい 。しかし、会期が短い上に、前期と後期で展示替えがあるのは地方在住者として悩ましいところだ(後期の方が充実かな??)。ちなみに、会場は激混みになるんだろうなぁ...


東京2日間。

2019-05-15 22:01:29 | 国内旅行

東京に行ってきた。今回観た展覧会は...

・「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」(国立新美術館)

 https://artexhibition.jp/wienmodern2019/

 

・「ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―」(パナソニック汐留ミュージアム)

 https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/19/190406/

 

・「クリムト展 ウィーンと日本 1900」(東京都美術館)

 https://klimt2019.jp/

 

・「美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―」(東京国立博物館)

 https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1942

 

上野では下↓ のチラシをGet。三つ折りなのだが、表裏の作品が「なるほど~」で、クリヴェッリ作品はどうやら「あなたの知らない傑作。」らしい

で、ちなみに名古屋の「カラヴァッジョ展」チラシもあった(折皺&ヨレはお許しあれ)。

名古屋は「関東圏の人は名古屋で観てね!」と勧誘意欲満々のようで、じゃぁ、東北スルーの私たちはどうするんだい?? 札幌はやる気無いようだし、やはり名古屋に行くしかないのだろうなぁ


ダヴィデとルクレツィア。

2019-05-10 23:40:57 | 西洋絵画

確かに...ポーズ的に似ているのだよね

カラヴァッジョ《ゴリアテの首を持つダヴィデ》(1609-10年)ボルゲーゼ美術館

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:David_holding_the_head_of_Goliath_by_Caravaggio_(Rome).jpg

 

レンブラント《ルクレツィア》(1666年)ミネアポリス美術館

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rembrandt_van_Rijn_-_Lucretia_-_Google_Art_Project_(nAHoI2KdSaLshA).jpg

なるほど...と、お勉強させていただいた。