ボローニャのサント・ステーファノ聖堂の前には広くて気持ちのよい「Piazza Santo Stefano(聖ステーファノ広場)」が広がる。
(ポルティコの下にクラスメートたちとお茶したBarも見える)
で、この写真を撮っている私の背後、すなわち広場に面した反対側に「コルテ・イゾラーニ(Corte Isolani)」という古い館を改装した商業施設がある。建物内に聖ステーファノ広場からマッジョーレ通りに抜ける通路があり、通路添いにはレストランやギャラリーやショップも並ぶ。
そのコルテ・イゾラーニのマッジョーレ通りへの出口(=マッジョーレ通り側入口)にお洒落な靴屋さんがあるのだ。日本でも知る人ぞ知る、シューズ・デザイナーのステファノ・ブランキーニ(Stefano Branchini)の店だ。
(店の前にある大きな石と柱は古いポルティコを支えるもので、並びに有名な「Casa Isolani」のポルティコがある)
「ステファノ・ブランキーニ」はノルベジェーゼ製法の紳士靴で有名で、個性的なデザインや大胆な色使いが特徴だ。私は何度もお店のショーウインドーを覗いては思案していた。なにしろ紳士靴中心だから女性用は少なく、女性用と思われる靴もシュッとしていて、日本人偏平足の私に合うのだろうか??と不安だったからだ。取りあえずお店に入らなくてはと決心し、心細いのでFさんにご一緒してもらった。
店員さんが女性用の靴を見せてくれる中で、一目で気に入った靴があった。カジュアルだけど、すっごくお洒落でカッコいい。でも、果たして私の足に合うだろうか??
恐る恐る履いてみたら、紐靴だからなんとか履けるじゃありませんかぁ。即、お買い上げが決まった(笑)。そこにFさんがすかさず、インソールも併せて、と助言してくれた。革インソールを靴にいれると一層フィット感が出た。感謝!!>Fさん。
買った靴はもちろんビスポークではなく、ノルベジェーゼでもなく、工場生産のカジュアルラインである。ナポリの工場で製造されたものだそうだ。しかし、靴底を見て欲しいのだが、なんと美しいことか!!
ナポリ仕立てのスーツは有名だけど、この端正な縫製の靴裏を見ても、ナポリの職人さんたちの仕事に敬意を表したくなる。もちろん、ステファノ・ブランキーニさんのデザインに込めた美意識があるからこそで、見える表だけでなく見えない裏にも凝る!、みたいな心意気を感じるのだ。
イタリア人の美意識と職人技は「Gli Artigiani」の時代から脈々と受け継がれているのだろうなぁ。
ちなみに、履いているうちに革底のサインロゴは無情にも擦り減って行くのでしたぁ...