花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

ステファノ・ブランキーニの靴。

2021-09-09 21:12:42 | 着るもの

ボローニャのサント・ステーファノ聖堂の前には広くて気持ちのよい「Piazza Santo Stefano(聖ステーファノ広場)」が広がる。

(ポルティコの下にクラスメートたちとお茶したBarも見える

で、この写真を撮っている私の背後、すなわち広場に面した反対側に「コルテ・イゾラーニ(Corte Isolani)」という古い館を改装した商業施設がある。建物内に聖ステーファノ広場からマッジョーレ通りに抜ける通路があり、通路添いにはレストランやギャラリーやショップも並ぶ。

そのコルテ・イゾラーニのマッジョーレ通りへの出口(=マッジョーレ通り側入口)にお洒落な靴屋さんがあるのだ。日本でも知る人ぞ知る、シューズ・デザイナーのステファノ・ブランキーニ(Stefano Branchini)の店だ。

(店の前にある大きな石と柱は古いポルティコを支えるもので、並びに有名な「Casa Isolani」のポルティコがある)

「ステファノ・ブランキーニ」はノルベジェーゼ製法の紳士靴で有名で、個性的なデザインや大胆な色使いが特徴だ。私は何度もお店のショーウインドーを覗いては思案していた。なにしろ紳士靴中心だから女性用は少なく、女性用と思われる靴もシュッとしていて、日本人偏平足の私に合うのだろうか??と不安だったからだ。取りあえずお店に入らなくてはと決心し、心細いのでFさんにご一緒してもらった。

店員さんが女性用の靴を見せてくれる中で、一目で気に入った靴があった。カジュアルだけど、すっごくお洒落でカッコいい。でも、果たして私の足に合うだろうか??

恐る恐る履いてみたら、紐靴だからなんとか履けるじゃありませんかぁ。即、お買い上げが決まった(笑)。そこにFさんがすかさず、インソールも併せて、と助言してくれた。革インソールを靴にいれると一層フィット感が出た。感謝!!>Fさん。

買った靴はもちろんビスポークではなく、ノルベジェーゼでもなく、工場生産のカジュアルラインである。ナポリの工場で製造されたものだそうだ。しかし、靴底を見て欲しいのだが、なんと美しいことか!!

ナポリ仕立てのスーツは有名だけど、この端正な縫製の靴裏を見ても、ナポリの職人さんたちの仕事に敬意を表したくなる。もちろん、ステファノ・ブランキーニさんのデザインに込めた美意識があるからこそで、見える表だけでなく見えない裏にも凝る!、みたいな心意気を感じるのだ。

イタリア人の美意識と職人技は「Gli Artigiani」の時代から脈々と受け継がれているのだろうなぁ。

ちなみに、履いているうちに革底のサインロゴは無情にも擦り減って行くのでしたぁ...


「MOSCHINO(モスキーノ)」のショーが楽しくて可愛い(*^^*)

2020-09-28 12:06:15 | 着るもの

取り立ててファッション好きではないのだけれど、「MOSCHINO(モスキーノ)」の2021年春夏ウィメンズコレクションのランウェイショーは、楽しくて、可愛くて、素敵だ!!

https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=7dpNzuRda0Y&feature=emb_logo

ギャラリー席には、あのアナ・ウィンター(?!)まで登場しているし(笑)。さすが、「ピノッキオの冒険」を生んだイタリアのブランドだなぁ、と思う。

下↓の写真はウルビーノで見つけた木造りの人形屋さん

 

ちなみに、その「ピノッキオ(PINOCCHIO)」が2019年にイタリアで実写映画化され、公開されている。監督はマッテオ・ガローネ(Matteo Garrone)だ。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=10&v=gmwwrfzFDNs&feature=emb_title

そのガローネ監督がコロナ下の今年、「Dior(ディオール)」のコレクション・フィルムを作り、幻想的でクラシカルな映像がすこぶる評判になった。

https://www.youtube.com/watch?v=yxBFwqRbI8c&feature=emb_logo

ガローネ監督は言っている。映画監督になる前は画家だった。ルネサンスの傑作に囲まれて育った。...光...フェリーニは「映画は照明だ」と言った...。

やはりイタリアの歴史と文化は奥深く面白いなぁ...と、つくづく思う。


パラティーナ絵画館でGUCCIのショーが。

2017-06-01 01:28:51 | 着るもの

フィレンツェのピッティ宮パラティーナ絵画館を会場に、GUCCIの「CRUISE 2018 COLLECTION」ショーが開催された。BGM(?)が「南無妙法蓮華経」の読経唱和から始まったのには驚いてしまったのだけど(・・;) 

https://www.gucci.com/jp/ja/#homepage-video 

【追記】GUCCI公式サイトの動画 ↑ が編集されたので、編集前の元の動画 ↓ をYoutubeから見付けた。こちらには絵画作品がしっかり映り込んでいる。

https://www.youtube.com/watch?v=15sgCqxvrwI

もちろん、パラティーナの絵画多数も背景でカメラ出演(?)しており、あのラファエッロ《小椅子の聖母》も背後に登場。

ラファエッロ《小椅子の聖母》(1513年 - 1514年頃)パラティーナ絵画館

ランウェイのファッションよりも背景の絵画群に目が行ってしまったのだから、私的には絵画の方が魅力的だったということかもね(^^;;

ハイブランド・ファッションは自分が着る・着ないは関係なく(高価過ぎて手が出ないし)、デザインや色合わせ、マテリアルの面白さなど、観ていて楽しい。それに、美術館に現代アートとして置かれている作品とは違い、用の美を併せ持つところが良い。 

ちなみに、今回のGUCCIのショーで多用されていた黄金の鉢巻状冠(corona aurea)が印象的だったので、蛇足ながら、マルケ(アンコーナ)国立考古学博物館で撮ったコロナ・アウレアを紹介したい。

古代ギリシア由来のようではある。


ペパーミント色のマフラー。

2015-02-13 00:56:51 | 着るもの
今日(昨日?)は珍しく春めいた暖かさだったが、夕方からは風も冷たく、真冬に逆戻りしたようだ。仙台の冬は寒く、外出時にはダウンコートに帽子・マスクが欠かせない。鈍色のモコモコスタイルで過ごしていたら、街のショーウインドウが春色に変わっていた。春の兆しになんとなく嬉しくなる。

私の持っている服は殆ど地味色で、唯一春らしい色はマフラーのペパーミント色かもしれない。もうそろそろ出番が来そうだ。



その昔、ペパーミント色に強く惹かれていた時期がある。ミラノのサンバビラ広場に面した店のショーウインドウに様々な色のマフラーが飾られていて、その中のペパーミントが何故か私を呼んでいた(笑)。手触りの良いカシミヤで、長さもあり、ぐるぐる巻けるので仙台の寒さには格好だった。

何年か経ち、雑誌に見たことのあるようなロゴが登場するようになった。あれっ?と思い、取り出してタグを見た。ああ、これはロロピアーナだったのね。(ブランドには無頓着(^^ゞ)

何気に買ったものが流行するとやはり嬉しい。何気に気に入った画家がメジャーになるのはちょっと寂しい。う~ん、人間の心理って微妙かも(^^;