Reflections

時のかけらたち

心の目

2009-06-15 12:34:27 | thoughts



最近新聞にも目を通さない日々が続きましたが、土曜日にまとめてざっと見てみました。TVニュースでもやっていましたが
ヴァン・クライバーン コンクールでの日本人の快挙。とりわけ下記の記事に心ひかれました。
8ヶ月で才能を見いだしたお母さんもすごいけど、美術館につれて絵を説明してあげたお母さんってどんな人だろう? 
ロックフェラーの天使の羽というタイトルにも感覚的なすばらしさを感じてしまう・・ まだ聴いたことのない曲だけれど・・
色彩のある音楽を感じることはあるけれど、見えない人が色彩を感じるとはどういう事だろう・・
pureな笑顔の辻井さんもすばらしい・・音楽そのものなのかしら?



母のおかげ、心の目で見える ピアニスト辻井さん (朝日新聞より)


米国の第13回バン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝したピアニスト辻井伸行さん(20)が10日午後、東京都内のホテルで朝日新聞社の取材に応じた。受賞を振り返り、「お客様の応援の気持ちが伝わってきた。幸せでした」と喜びを語った。

 辻井さんは生まれつき全盲。生後8カ月の頃、ショパンの「英雄ポロネーズ」のCDを聴いて足をばたつかせて喜ぶ姿に、母のいつ子さん(49)が芸術的な感性を感じ取った。辻井さんは、「鍵盤に触っている時が一番機嫌が良かったそうです。話すことより先に、音楽が僕の『言葉』になった」。

 音楽だけでなく、すべての感性を豊かに育てることが、音楽家としての人生を豊かにする。そんな思いから、いつ子さんは辻井さんを、美術館にも積極的に連れていった。作品ごとに立ち止まり、目の前の芸術の色、形、様子を辻井さんに語ってきかせる。

 「花火に行っても、心の中で色とりどりの花火が開く。母のおかげで、何でも心の目で見られるようになった。不自由はありません」

 視覚障害のある演奏家は点字楽譜を使うことが多いが、辻井さんは使わない。まず曲の全体を耳で把握し、記憶する。

その後、知人のピアニストに左右のパートを弾き分けてもらい、それぞれの録音を聴いて覚えていく。短い曲なら2、3日、協奏曲でも2、3週間で体の中にしみこむという。

 6歳の頃には作曲も始めた。風や水の感触が、豊かな色を伴って感じられた。

 「ロックフェラーの天使の羽」という曲の着想は小学6年、クリスマスシーズンに演奏旅行で訪れたニューヨークで降ってきた。街中で天使の羽のオブジェに触れ、「幸せな気分になり、インスピレーションがわいた」という。

 それまでクリスマスの季節が来るたび、いつ子さんは「この子には一生この光が見えないのか」と悲嘆に暮れた。しかし、このささやかな小品が、いつ子さんの絶望を希望に変えた。

 「夢はモーツァルトやショパンのように、みんなに広く愛され、弾き継がれる曲を書くことです」と辻井さん。

 今回のコンクールでは、ベートーベンが聴覚を失ってから書いたソナタ「ハンマークラビーア」を自ら選び、奏でた。「障害を乗り越えてこんな素晴らしい作品を書いたベートーベンに、どうしても挑んでみたかった」

 3、4時間泳ぎまくるのが最高の気分転換という。プロのアーティストとして、今後立ち向かうのは「ハンディではなく、偉大な作曲家たちです」。(吉田純子)

                                                                                                  

   (写真はよく咲くスミレとヴァオラが終わった後にはじめて植えた金魚草)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする