エゴノキの花が咲く清らかな空気の中、父の魂はその肉体を離れて行った。
きっと毎年この白い花の季節になるとこの日を思い出していくことだろう。
このマンションにエゴノキがあったなんて今まで気がつかなかった。
私は今までよりさらに強く父の血が私の中を流れていることを感じた。
私を励まし、私を支えてくれるそんな感じがしている。
キリスト教の影響も私がクラシックを好きになったのも、読みたい本が家の中に
あったのもすべて父のおかげ・・
そう父もカメラが好きだった。小さい頃ボックス型のカメラで私たちを
よく撮ってくれた。
白い花だけでなく、マンションの庭は花にあふれていた。
カルミアも咲いていたのね。
かわいい貝殻のつぼみ・・
裏の方にも駐車場に抜ける途中にエゴノキが花をたくさんつけていた。
下に落ちた花びらを見て上を見ると盛りを過ぎようとしている花が風に
揺られていた。
白い花のシャワー。 そのあと東御苑でもウツギが見事に咲いていた。
今は夏が来る前の白い花の世界・・夏の前にあじさいの雨の季節がやってくる。
