映画は見たけれどメモをまだ作っていないのがスペイン映画のカルメン、ベイビーブローカー、シングルマン
ケイト・ブランシェットのキャロル&ブルー・ジャスミン、コリン・ファースのマジック・イン・ムーンライト&レイルウェイ
今を生きる、ミセスハリス パリへ行く、永遠のマリア・カラス、レ・ミゼラブルとたまってしまっています。
借りていたDVDを見て早く返さなくてはと思い見始めたダニエル・デイ・ルイスのファントム・スレッドがすごすぎて、さすが
この作品を引退作品と選んだダニエル・デイ・ルイスはすごい。若い頃「眺めのいい部屋」で初めて見て、「存在の耐えられない軽さ」
は心に残る映画でダニエル・ディ・ルイスの存在感を示しました。マイレフトフットやディカプリオと共演のギャング映画とかはTVで
少し見ただけでちゃんと見てはいません。
この彼の若いころの代表作「存在の耐えられない軽さ」を思い出させる男と女の愛の不条理と言うか違いを感じる映画でした。
彼が仕事一途ではなく自分とも向き合ってほしいと願う彼女。一時、自分だけのものになってほしいと思い毒をお茶に振り入れる。
それに気が付いてもそれを受け入れる愛を持てるようになった彼。命ギリギリの線の愛情です。とにかくダニエル・デイ・ルイスが
すてきです。これで引退なんてもったいない。でもこの最後を飾れる俳優さんてそんなにいない。
また彼女はすべてが彼のルールで進められるハウスや家庭が気に入らなくなってくる。彼は彼女の品のない食事のしかたが
耐えられない・・ 美の極致にいる彼が生活にも求めるもの・・ 男性が求めるもの、女性が求めるもの・・とても考えさせられる
映画でした。
よくよく見なおしてみると、主人公がどうしてこのような孤独のみの自分の世界に入って行ったか興味深いところがあり、結局
古いハウスに新しい風を送ったアルマの勝利のようにも思えます。いろいろな観念に縛られていたレイノルズの呪縛がほどかれて
行くような・・・
映画作品が画面の中のデティールがすべてすてき。家具や食器、インテリア、階段、ファッション、風景・・・
カメラがすごくよくて、付録のメイキングのカメラテストでいろいろなレンズを試したことがよくわかりました。
音楽もまた、ジャズやクラシックも流れるのですが、マイ・フーリッシュ・ハートやフォーレ、ドビュッシー、シューベルト
ブラームス等・・ パーフェクトな感じです。
シリルを演じたレスリー・マンヴィルは「ハリス パリに行く」の時の家政婦の愛すべきおばさんを演じた時と正反対の
演技でさすがでした。同じハウスを扱った映画でしたが、ミセス ハリスの時のイザベル・ユベールの立場の役どころ・・
2017年製作/130分/G/アメリカ
原題:Phantom Thread
『ファントム・スレッド』90秒予告編
キャスト
- ダニエル・デイ=ルイス(レイノルズ・ウッドコック)
- ヴィッキー・クリープス(アルマ)
- レスリー・マンヴィル(シリル)
- ブライアン・グリーソン(ロバート・ハーディ医師)
- 監督・脚本・プロデューサー・撮影
ポール・トーマス・アンダーソン - プロデューサー
ジョアン・セラー
ミーガン・エリソン
ダニエル・ルピ - 編集
ディラン・ティチェナー - プロダクションデザイナー
マーク・ティルズリー - 美術
デニス・シュネグ
クリス・ピーターズ
アダム・スクワイアーズ - 衣装
マーク・ブリッジス - 作曲
ジョニー・グリーンウッド
レイノルズ 結婚で偽りの自分になりたくない
my time , my house
アルマ もうゲームは止めて、家もお金もファッションも何もかもすべてあなたのルール。
自然でまともなものは何もない。
レイノルズ いろいろやりたいことが・・
日々は無限だと思っていた。多くの過ちを犯してきた。
気がかりだったことをやらなくては。君なくしてはできない。守ってほしい。
ゆがんだ心が息を止めないように。変わらない家は死の家だ。
結婚してくれるか?
静かな死の気配が感じられる、傷ついて、自信を無くしていく彼に寄り添い、彼の愛を取り戻し、
彼女自身も自信をもってドレスを管理し、ホコリや亡霊や時代の流れからハウスを守り抜く決意をするアルマ。
彼女が最初に感じた壁とかすごくよくわかります。
彼が芯地、裏地に隠した心も表現も面白かったです。
『ファントムスレッド』解説・考察:男は衣服を仕立て、女は幻の糸で男を包み込む
追記)
映画の中で使われているモノたちはすべてこだわって選び抜かれていある。
お茶の時の、鉄瓶のようなティーポット、この寝室のカーテンも素敵。
壁紙が邪魔になる時は、無地の壁紙で隠したとメーキングで監督が語っていました。
ボビンレースも出てきました。
今度こんな襟を作ってみたい。いつできるようになるのかしら・・・
何度見ても画面の隅々まですてきな映画です。
追記の追記
音楽について
‐ファントム・スレッド(ポール・トーマス・アンダーソン2017)
使われたクラシック音楽
ヴァイル:『闇の女 』より〈私の船〉
フォーレ:『ドリー』より〈子守歌〉
ドビュッシー:弦楽四重奏曲第2楽章
シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番第1楽章Allegro
ブラームス:ワルツ第11番
ベルリオーズ:『幻想交響曲』第2楽章〈舞踏会〉
『スコットランドの勇士』『螢の光』
テーマソングも素敵だった。
Phantom Thread - House of Woodcock (Official Audio)
ジョニー・グリーンウッド『ファントム・スレッド』 サウンドトラック・スコア ―官能の彼方を見据える音楽
[641]ポール・トーマス・アンダーソン監督作『ファントム・スレッド』におけるジョニー・グリーンウッドの音楽
『ファントム・スレッド』の監督ポール・トーマス・アンダーソンが、同作を観る前に聴くべき23曲として
Spotifyにプレイリストを公開した。
プレイリストに含まれる楽曲は以下。
1. “Blue Sands” – The Chico Hamilton Quintet
2. “Portrait of My Love” – Cyril Ornadel and Starlight Symphony
3. “You’re So Vain” – Carly Simon
4. “Dolly Suite, Op. 56: I. Berceuse” – Gabriel Fauré, Katia Labèque
5. “I’ll Always Be in Love with You” – Helen Forrest
6. “I’m Making Believe” – Ella Fitzgerald and The Ink Spots
7. “Hey, That’s No Way to Say Goodbye” – Roberta Flack
8. “Nobody Does It Better” – Carly Simon
9. “Impression of a Princess” – Danish State Radio Orchestra and Robert Farnon
10. “My Ship” – Oscar Peterson and Nelson Riddle
11. “Razor Love” – Neil Young
12. “Suspicions” – Bernard Herrmann
13. “Thirteen (Alternate Mix)” – Big Star
14. “Coming Around Again” – Carly Simon
15. “Portrait of Jenny” – Oscar Peterson and Nelson Riddle
16. “Two Blind Loves” – Jack Teagarden and his Orchestra, Kitty Kallen
17. “I’m On Fire” – Bruce Springsteen
18. “Three Little Words” – Jack Teagarden and his Orchestra
19. “Stay (feat. Mikky Ekko)” – Rihanna
20. “Lord of the Manor” – The Everly Brothers
21. “Come Sunday” – Oscar Peterson and Nelson Riddle
すべてにおいて味わい深い映画でした。
洗練された美術にうっとり!『ファントム・スレッド』特別映像「House Of Woodcock」