碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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木佐彩子サンで<客寄せ>のNHKワンセグ

2009年02月24日 | メディアでのコメント・論評

NHKが、4月から、サイマル放送(アナログとデジタルで同じ内容を流す放送)ではない<独自のワンセグ番組>を開始するという件で、『週刊新潮』の取材を受けた。

番組名は「ワンセグ2」。ちょっと「第2日テレ」みたいだね。

平日の昼、12時~12時40分までの放送は「ワンセグランチボックス」だ。コンテンツとしては、「大河ドラマダイジェスト」や「ケータイ大自然」といったものが並ぶ。


さて、その内容などは結構なのだが、私が注目するのは「番組ナビゲーターに元フジテレビの木佐彩子」というキャスティングのほうだ。

これの“読み方”は色々あるだろうが、NHKの<民放視聴者取り込み路線>の一環だといえる。

特に、昨年から続いているNHKとフジテレビの“協力”というか、 “相互扶助”というか、“融合”というか、とにかく両者の<すり寄り現象>の一つだ。

さだまさしのラジオ番組。「紅白歌合戦」でのフジの中村アナ&目玉マークの登場。3月に予定している“相乗り”番組等々。

NHKとフジの<仲良し作戦>は、着々と進行している。

このご時世で、あらゆるジャンルにおいて「強いもの同士がくっついて、もっと強くなる」が行われている。

もちろん、公共放送であるNHKと、民放のフジテレビが合併することは無理だが、「業務提携」というほどオーバーではない「業務協力」は可能なのだ。

この場合も、NHKがフジを“選んだ”と見るのが正しいだろう。

視聴者層でいえば、40代、50代以上に関して、NHKは圧倒的に強い。今後は、20代や30代を増やしていくことが命題となる。

その意味で、フジテレビを“活用”しようというのがNHK側の狙いだ。

そのうち、フジを辞めてフリーになったお嬢さんたちが、大挙してNHKに登場、なーんて状況になるかもしれない。

まあ、「ワンセグ2」自体、いずれは<有料化>するのが狙いでしょう。まずは、木佐サンで“客寄せ”、というわけです。