12日の読売新聞の記事。
問題発生後、社長ゴルフ続ける…東海テレビ
東海テレビ放送(名古屋市)がローカル情報番組「ぴーかんテレビ」で岩手県産米に関する不適切なテロップを誤って流した問題で、同社の浅野碩也(せきや)社長は11日夜、名古屋市東区の本社で記者会見し、同番組の打ち切りと、浅野社長の役員報酬50%カット(3か月)など8人の処分を発表した。
浅野社長は会見冒頭、「岩手県、被災地、視聴者、スポンサーの皆様に深くおわび申し上げます」と謝罪した。
問題発生時の4日午前11時頃に浅野社長は長野県内で得意先とゴルフをしていたと説明。プレーを終えて会社に連絡したのは午後1時過ぎで、その後も「予定をつつがなく終えたい気持ちもあった」と、ゴルフ場にとどまり、本社に戻ったのは午後5時頃だったという。
浅野社長は「危機管理上の問題はなかった」とした上で、引責辞任については「考えていない」と否定した。
処分はほかに、石黒大山会長の役員報酬を50%(2か月)、大島宏彦代表取締役を30%(2か月)、内田優専務取締役を30%(1か月)それぞれカットした。また情報制作局長と情報制作部長を降格、番組担当プロデューサーとディレクターを5日間出勤停止とした。
同社には、視聴者などからの苦情が11日午後6時までに、メールや電話で1万5300件寄せられた。同社へのCM提供打ち切りや休止を決めたのは、農林中央金庫やミキハウスなど、少なくとも14の団体・企業に上っている。
(2011.08.12 読売新聞)
以下は、東海テレビのWEBサイトにおける説明、および社長の会見内容を知っての、私の「感想メモ」です。
放送中のコーナー(VTR)とは無関係のテロップが誤作動によって流された、という。
流れたことではなく、その内容の問題。
焦点は操作ミスではない。
放送事故の再発防止という話ではない。
「なぜ不謹慎なテロップが放送されてしまったのか」の問題ではない。
こんなテロップを作れてしまう感覚。
こんなものを作ってしまう、それを許してしまう現場の“あり方”の問題である。
「ふざけ心」「ふざけた気持ち」というが、何をネタにふざけたのか、笑えたのか、何を笑っていたのか。
どんなリハーサルが行われたのか。
ダミーテロップはどう使われたのか。
単なるカメラ用か、司会者が読み上げたのか、よもやリハで爆笑だったりしなかったか。
誰に見せるテロップだったのか。
それはスタッフだけが見るものだったはず。
これで笑える(これがウケる)スタッフだということか。
現場の雰囲気・意識の反映。
この文言が作れる、これを面白いとする感覚、それは現場のスタッフが共有するものだったのではないか。
検証番組なるものでは、制作陣(スタッフ)の意識・良識・モラル・人間性の問題を、どう捉えるのか。
単なる放送事故対応、単なるチェック体制の強化、といった話に終始しないか。
問題の本質を精査しないまま、何を根拠に、何を“罪”として、「報酬の何%カット」などといった“罰”を決めたのか。
何に対するペナルティなのか。
世間の批判をかわすためだけの、急ごしらえの“処分”に見えるのだが・・・