BPOが、「クロ現」問題に関する意見書を公表しました。
その直後に、通信社から取材を受け、以下のように答えました。
コメントとして整理された上で、各地の地方紙などに配信される予定です。
まず最初に、委員会の真摯かつ的確な検証に敬意を表し、意見書の内容を高く評価します。
意見書全体から、誤った意識と方法による報道に対する強い憤りと、今回の問題が今後、放送の自律や表現の自由に影響を及ぼすとことへの懸念が伝わってきました。
意見を向けた相手は3者でした。
当事者である記者に対して、重大な放送倫理違反があったと指摘。報道番組で許容される範囲を大きく逸脱した取材方法や表現を用いたことを強く批判しています。
次にNHKに対して、内部における「やらせ」の概念には、視聴者が持つ一般的な感覚と距離があることを指摘。報道番組における、事実の「わい曲」を問題視しています。また、セクショナリズムの弊害など、組織的な問題点にも言及しています。
さらに、政権与党に対して、個々の番組に介入すべきでないこと、またメディアの自律を侵害すべきではないと強調。今回の問題をきっかけに、政権によるメディア・コントロールがさらに強まることを警戒し、けん制していますが、BPOの矜持を感じます。放送に携わる人間は全員が読むべき意見書だと思います。
ぜひ、この意見書全体を読んでみてください。
NHK総合テレビ「クローズアップ現代」
“出家詐欺”報道に関する意見
http://www.bpo.gr.jp/wordpress/wp-content/themes/codex/pdf/kensyo/determination/2015/23/dec/0.pdf