碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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木ドラ24「真夜中にハロー!」は深夜のプチオアシスだ!

2022年03月17日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

木ドラ24

「真夜中にハロー!」は

深夜のプチオアシスだ!

 

木ドラ24「真夜中にハロー!」(テレビ東京系)は、深夜のプチオアシスだ。仕事で疲れた夜など、ちょうどいい。

舞台は、ハロプロ(ハロー!プロジェクト)のファンであるマリコ(菊池桃子)が運営するゲストハウス。人生に迷っている宿泊客を、マリコは不思議な扉へと導く。

その扉の向こうは、なんとハロプロの楽屋だ。驚く宿泊客の目の前で、ハロプロのメンバーが歌とダンスを披露する。

しかも、その曲が宿泊客たちの悩みにマッチしているところがミソだ.

彼氏との結婚に踏み切れないキャリアウーマン(徳永えり)は、アンジュルム「大器晩成」に背中を押される。

また、誰かを好きになることに臆病な英会話講師(剛力彩芽)は、Juice=Juice「ロマンスの途中」から勇気をもらった。

歌もさることながら、そのダンスパフォーマンスの迫力はハロプロならでは。

聴く者の気持ちを揺さぶる音楽の力と同時に、アイドルという「ひとを元気にする仕事」を再認識させてくれる。

さらに、菊池桃子の存在感が凄い。アイドル雑誌「Momoco(モモコ)」が創刊されたのは1983年。

表紙を飾ったのは誌名の由来でもある菊池で、当時15歳の新人アイドルだった。元祖、和み系の笑顔とほんわかとした雰囲気は、今も変わらない。

アイドル界のレジェンドに会えるこのドラマ、今週は最終回を迎える。

(日刊ゲンダイ「テレビ 見るべきものは‼」2022.03.16)