碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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『おくりびと』ではなく、『三国志』

2009年02月23日 | 映画・ビデオ・映像
映画『おくりびと』がアカデミー賞の外国語映画賞を受賞した。

おめでとう! って、まだ観てないけど。

関係者の知り合いとしては、脚本の小山薫堂さんがいる。

93年に、日本テレビで放送した『生まれてはみたけれど』を制作する際、構成作家である薫堂さんに「シナリオ」をお願いした。

このときは伊武雅刀さんと山本耕史さんの二人芝居が軸だったが、薫堂さんはいずれ本格的な脚本を書いてみたいと言っていた。

あれから16年。

いやあ、アカデミー賞作家の誕生である。拍手だ。


さて、『おくりびと』ではなく、『三国志』を観てきた。

2部作という大作である『レッドクリフ』。4月には第2部が公開されるので、まあ、1部の復習と2部の予習を兼ねた練習問題(?)みたいなつもりだったのだ。

ところが、これがよく出来ている。もちろん、かなり“駆け足”な展開ではあるけれど。

主人公は、魏・呉・蜀の三国のうち、蜀を治める劉備に仕えた武将・趙雲。これをアンディ・ラウが演じている。

また、趙雲を支えながら、いずれ裏切ることになる兄貴分・平安がサモ・ハン。魏の王・曹操の孫娘で、後に趙雲と対決する曹嬰にはマギー・Qという配役だ。

いくつもの戦闘シーンも見せ場がたっぷりだし、趙雲の人間性もしっかりと描かれている。

この作品、タイミング的に、『レッドクリフ』シリーズとかぶらなければ、もっと人気を呼んだかもしれない。

原作は「三国志演義」。

その中の趙雲にスポットを当て、さらに平安という“狂言回し”を設定したのは、ダニエル・リー監督のお手柄だろう。

三国志演義〈1〉 (ちくま文庫)

筑摩書房

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