映画『チェンジリング』を観た。
クリント・イーストウッド監督&アンジェリーナ・ジョリー主演。これだけで、相当強い“引き”がある。
だが、観る前は、ちょっと気が重かった。
何しろ、扱われているのが実際にあった「子どもの失踪」事件だ。誘拐をはじめ、子どもが対象となった犯罪を描く映画は、その出来不出来以前に、観ていて辛い。しんどくなるのだ。
しかし、この作品は、そんな“ためらい”を超えていた。観てよかった。
舞台は1928年のロサンゼルス。
アンジェリーナ・ジョリーは、電話局で働きながら、9歳になる一人息子・ウオルターを育てている。母子二人の幸せな生活。
それが、ある日、壊される。突然、ウオルターがいなくなってしまうのだ。
夜になっても、帰ってこない。事件か、事故かも分からない。警察に連絡するが、「子どもがいなくなった場合は、大抵、翌朝帰ってくる。24時間経過しないと、捜索は行わない」とニベもない返事。
結局、待っても待っても息子は戻らない。月日が、むなしく流れる。
ところが、5ヵ月後に、警察から「見つかった」の知らせ。大喜びで迎えに行くジョリー。だが、目の前に現れた少年は、彼女にとって、全くの他人だった。
しかし、警察は「母親の精神的な混乱」で片付けようとする。<腐敗の温床>のようにいわれていた当時のロス市警にとって、手柄を否定されるわけにはいかなかったのだ。
ジョリーは、その少年が別人であることを証明すべく、歯科医に当たるなど、手を尽くす。
それでも警察は認めない。むしろ、「本当の息子を探して欲しい」と訴える彼女を疎ましく思い、結局、精神病院に強制入院させるのだ。
うーん、ひどいぞ、警察。
その裏で、隠されていたこの事件の真相が、徐々に明らかになっていく・・・。
まず、アンジェリーナ・ジョリーがいい。どこまでもあきらめずに我が子を求め続ける母親を好演している。
そして、イーストウッド監督。
物語の“語り口”は堂々としており、落ち着いた映像(撮影は「硫黄島からの手紙」のトム・スターン)と共に、観客を悠々とリードしていく。もはや巨匠の風格です。
また音楽も監督自身が担当していて、ジャズをベースとした、いくつもの“いい曲”が流れるのも魅力だ。
確かに、しんどい実話ではあるが、ある“救い”に到達することで、この「一人の母親の物語」を見終わったとき、じわりとした感動がある。
クリント・イーストウッド監督&アンジェリーナ・ジョリー主演。これだけで、相当強い“引き”がある。
だが、観る前は、ちょっと気が重かった。
何しろ、扱われているのが実際にあった「子どもの失踪」事件だ。誘拐をはじめ、子どもが対象となった犯罪を描く映画は、その出来不出来以前に、観ていて辛い。しんどくなるのだ。
しかし、この作品は、そんな“ためらい”を超えていた。観てよかった。
舞台は1928年のロサンゼルス。
アンジェリーナ・ジョリーは、電話局で働きながら、9歳になる一人息子・ウオルターを育てている。母子二人の幸せな生活。
それが、ある日、壊される。突然、ウオルターがいなくなってしまうのだ。
夜になっても、帰ってこない。事件か、事故かも分からない。警察に連絡するが、「子どもがいなくなった場合は、大抵、翌朝帰ってくる。24時間経過しないと、捜索は行わない」とニベもない返事。
結局、待っても待っても息子は戻らない。月日が、むなしく流れる。
ところが、5ヵ月後に、警察から「見つかった」の知らせ。大喜びで迎えに行くジョリー。だが、目の前に現れた少年は、彼女にとって、全くの他人だった。
しかし、警察は「母親の精神的な混乱」で片付けようとする。<腐敗の温床>のようにいわれていた当時のロス市警にとって、手柄を否定されるわけにはいかなかったのだ。
ジョリーは、その少年が別人であることを証明すべく、歯科医に当たるなど、手を尽くす。
それでも警察は認めない。むしろ、「本当の息子を探して欲しい」と訴える彼女を疎ましく思い、結局、精神病院に強制入院させるのだ。
うーん、ひどいぞ、警察。
その裏で、隠されていたこの事件の真相が、徐々に明らかになっていく・・・。
まず、アンジェリーナ・ジョリーがいい。どこまでもあきらめずに我が子を求め続ける母親を好演している。
そして、イーストウッド監督。
物語の“語り口”は堂々としており、落ち着いた映像(撮影は「硫黄島からの手紙」のトム・スターン)と共に、観客を悠々とリードしていく。もはや巨匠の風格です。
また音楽も監督自身が担当していて、ジャズをベースとした、いくつもの“いい曲”が流れるのも魅力だ。
確かに、しんどい実話ではあるが、ある“救い”に到達することで、この「一人の母親の物語」を見終わったとき、じわりとした感動がある。