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バターはどこへ消えた

2014年12月02日 | 時事
品薄の家庭用バター、年末へ増産要請…農水省
確かにこの辺のスーパーでも結構商品棚が空いているようですね。

実際問題、なくてもまあ何とかなりますが(笑)ないと無性に欲しくなってしまう心理が働いているのでしょうか。ともあれ、一般家庭はマーガリンで代用できるでしょうけど、流石に洋菓子屋やケーキ屋などではないと非常に困りますな。年末はクリスマスシーズンでもありますし、冬休みには子ども達が家にいることが多いので、それなりにお菓子の需要が増えるのは明白です。最近はマーガリンのトランス脂肪酸がやり玉に上がることが多いので、バターの需要も増えているのかもしれません。順番で言えば、そもそもバターの動物性脂肪が体に悪いと言うことでマーガリンが開発され普及したのですけどね(笑)節度をもって食べていれば、日本人の食生活程度の分量ではどちらでも大して健康上問題になり得ないのですが・・・

バター不足は何も今年だけでなく、最近この時期には毎年の如く発生しており、輸入飼料の高騰による国内の酪農家の減少が直接の原因らしいです。また、そもそも生乳の多くが牛乳の流通に回されるためバターの製造量自体も減っているのだとか。ちなみに牛乳はコロイドですが、沈殿しないよう加工されるため一旦製造してしまうと後でバターに転化することはできないそうです。確かに最近スーパーに行くと、牛乳にもかなり値上げの波が来ていることを感じますが、この時期の給食での余り方を見ていると、決して全体量が不足しているわけではないような気がしてなりません。何か牛乳なし給食を試験導入なんて記事も上がっているくらいですし、我々も普段家で飲むことは余りありませんしね。高齢者世代は牛乳を飲まない人が多いですし、日本人の牛乳離れはかなり深刻なのではないかと思います。供給量不足以上に、需要も急速に減少してるわけなので、この問題は単に酪農家の「市場の読み間違い」が原因なのではないかと思います。つーか品薄と言うことは逆に商売チャンスなわけで、12月に向けて増産するだけの話だと思うのですがね。第一次産業が大変なのは分かりますけど、もう少し時代に合わせてやり方を変えていく努力が必要だということでしょう。

ところで、日本で牛乳を飲む習慣は文明開化や戦後に始まったと思っている人が多いかもしれませんが、厳密に言うとそれは間違いです。上にも述べましたが確かに今の60代以上の人は脱脂粉乳で育ってきているせいか牛乳嫌いの人が多く、日常的に飲んでいる層というのはそれこそ学校給食世代が主軸であり、今の日本において牛乳は飲まされるものであり、牛乳を飲む習慣というのが栄養学の面から国策的に作られたものだということは間違っていないでしょう。自分は大好きですが、「米飯に合わない」という意見はもっともだと思っています。特にお酒に合わない(笑)カルーアミルクは一時期ハマっていましたけどね。
で、時代を溯っていくと、江戸時代には牛乳を薬として使った記述があり、戦国時代の織田信長は、「飲むと牛になると言うが本当かどうか飲んでみた」と言ったそうですから、少なくともこの頃には既に一般的な食用でなく、日本で完全に牛乳文化が途絶えていたことが分かります。ところが、奈良・平安時代まで来ると、「蘇」というレアチーズのようなものが税の一種として納められていたわけで、庶民の一般食だったことが伺えるのです。古くは飛鳥時代から飲まれており、天皇家では、奈良時代に何とご家族で1日2Lも飲まれていたと言う記述があるのだとか。そして、今ではその製法は失われてしまったそうですが、その時代には「醍醐」というめちゃくちゃ美味しい乳製品が存在していたのだとか。生クリームを攪拌しまくるとできる固形物のようなものだったのではないかとも言われており、これがもしかしたら日本初のバターだったのかもしれません。今でも物事の一番オイシイ部分を「醍醐味」と言いますが、語源はこの食べ物だそうですし、醍醐天皇もこの食べ物が大好きだったがためにその名前になったのだとか。

では、何故そこまで美味しいバター「醍醐」が日本の歴史上から消えてしまったのでしょうか。一説には聖武天皇が仏教を広める時に禽獣食を禁じたためと言われていますが、それでは醍醐天皇の平安時代まで残っている説明がつきません。まあ、この時代には既に大衆食でなく、貴族の間だけで食べられていたのかもしれませんね。平安時代の後に起きたことといえば、武家政治です。政権が貴族から武家へと移り変わる時に文化の違いが生じ、次第に風俗から消えてしまったと考えるのが自然でしょう。元々農耕に使われていた牛馬も、この時代から「乗り物」としての用途が高まり、足の速い馬の方が重用されるようになったのも原因の1つです。なので、醍醐天皇にあやかって追号された後醍醐天皇が「建武の新政」を行おうとした理由も、実は世の中から「醍醐」が消えつつあることを知ってもう一度食べたかったからかもしれませんし、明治維新ももしかしたら1000年前に消えた食文化を再び取り戻すために影で朝廷側が仕掛けた「バター戦争」だったのかもしれません(笑)
その後文明開化となり、日本に欧米人が増えたことと、「明治天皇が1日2本お飲みになる」という遺伝子レベルの牛乳好き(笑)が話題となり、再び牛乳文化が復活しますが、戦時中の食糧難で再び枯渇してしまいます。つまり、日本人が牛乳を飲まなかったのは総じて戦乱中のみであると言えるでしょう。牛乳に含まれるカルシウムやトリプトファンは体内でセロトニンを作り、イライラしなくなるとも言われています。元々日本人は温厚柔和な民族ですし、戦闘状態になると牛乳を飲まなくなると言う妙な符号は見逃せません。そんな平和の象徴でもある牛乳やバターが、この時代にも消えつつあるというのは、何かを暗示しているのかもしれませんね。
逆に唐辛子に含まれるカプサイシンは発汗作用を高めますから、ソレが好きな民族は必然的にカッカしやすくなります。あの国の怒りっぽい国民性は食生活にあることは間違いないでしょう。転じて、日本でも今起こっている牛乳離れ、そしてこの時期の鍋料理ランキングに必ず上位に上がってくるキムチ鍋という傾向も、そのままヘイトスピーチや極左過激派の行動などに結びついているような気がしてなりません。こうした人達との会合や、国際的な会談などでも、まず牛乳や乳製品を振る舞うようにすれば、もしかしたら万事解決するかもしれませんな。よし、まずは牛乳に相談だ!

日本を守るためにも、何とか酪農家の方には頑張ってもらいたいものです。