(株)カプロラクタム-blog

果たしてココは何処なのだろうか・・・
否!ココは(株)カプロラクタム代表取締役兼社員αのweblogである!

イスラム国人質事件

2015年01月21日 | 時事
2邦人の解放呼び掛け=「テロに屈せず」と安倍首相―「イスラム国」人質事件
ついに日本に対してもイスラム国の魔の手が伸びてきてしまった模様です。

片方の人はどこかで聞いた名だと思っていましたが、8月に行方不明になっていた方のようです。もう一人はジャーナリストで、一説には彼の様子を見に行こうとして拘束されたとか。これが本当なら、まさにミイラ取りがミイラの状況です。本人の「全ては自分の責任です」と言う動画も何回も流されていました。・・・と、昨日からの情報はほとんど「自己責任」を強調させる意図があると思われますが、マスコミはここまでする必要があるのでしょうか。
まあマスコミにできることは一般人がこれ以上拘束されに行くようなマネをしないよう注意喚起することくらいかもしれませんけど、今も中継でトルコとか危険地帯の近くで取材をしているジャーナリストは多くいるようですし、言っていることと矛盾しています。これでは、命を懸けて取材に当たっている末端の人達がかわいそうでなりません。今回の件でも分かるように、イスラム国にはUNSCR1738(報道関係者への攻撃に関する決議)が通用しないことは明白です。これ以上無益な犠牲を出さないためにも、一時的に戦略的撤退することも必要なのではないでしょうかね。

ところで、フランスの件の時に不思議に思ったのが、自分の思ったこととあの朝日新聞の主張が見事に一致していたことです。ジャーナリズムが攻撃されたのですから、当然イスラム国に対して一斉放火するのかと思いきや朝日は意外に冷静な対応で、むしろ産経新聞の方が風刺画を掲載させるなど徹底抗戦していました。考えれば「言論の自由」とは言いながらもあれはフランスのエスプリ精神を攻撃されたわけで、犠牲者の死を神聖化し国論をまとめて戦う姿勢を見せると言う点では右寄りの発想だったと言えます。
では、日本ではどうでしょうか。万が一彼らが殺されることになったとして、フランスのように団結して立ち向かっていけるでしょうか。自分にはどうもそう思えません。マスコミだけでなく、ネットの反応もどこか対岸の火事です。日本人はいかに同胞でも、善悪関係なく和から飛び出した者を忌避する傾向があり、いじめや村八分のようなことが起こりがちです。既に報道で渦巻いている「自己責任論」も、「勝手に飛び出したほうが悪い」という日本独特の思考のせいなのではないでしょうか。逆に、「彼らの死を無駄にするな!」「イスラム国と戦え!」「憲法改正だ!」となるのを恐れるがあまりの対応なのかもしれません。政府が今後どう対応していくかは分かりませんが、「話せば分かる、話し合おうじゃないか」という態度から始めるには、72時間では到底動きが取れないように思います。そして、「がんばったけど時間切れだった。」「自己責任だし仕方がない。」「忘れよう。」・・・こうなってしまうことが非常に懸念されますね。まさに10年前の繰り返しです。

当然、悪いのは本人達でもマスコミでも日本人の性質でもなく、ましてや難民支援金や集団的自衛権を決めた首相でもなく、イスラム国です。要求額もでたらめですし、拘束の理由とした件(3日前)と2人を拘束した時期(去年)も明らかに異なっていますから、つじつまが全く合っていません。影や風などから映像が合成ではないかと言う話もありますし、過去の同じような動画と比べても①髪が伸びている②人質に触れるそぶりがない③人質が話さない④日付を話さないなどの不自然さが目立ちます。そうなると、内容が3日前のものでも現時点で2人が生きているかさえ不明であり、ただの振り込め詐欺と化す可能性もあるわけです。そもそもちゃんと交渉に乗ってくれる相手であるとは全く思えないのですが・・・

ともかく、一刻も早い開放と同じようなことが続かないことを願うばかりです。