







NHKのスポーツニュースの最後に、全日本女子バレー部の木村沙織選手の特集がありました。
先ほどの世界選手権で、久しぶりに日本がメダルを取りました。その影には、木村選手の成長があったというのです。木村選手の苦手とするところは、サーブレシーブでした。そこに相手チームがつけ込んでいきました。
代表チームの監督の真鍋監督は、「ルーティンをつくれ。」と木村選手に伝えました。
「ルーティン」それは、アスリートたちが創るきまりごとや習慣です。
イチロー選手は、バットを振ってから、バットを目の前に持ってきます。独特の動作です。ある雑誌で読んだのですが、イチローは投手と目の前のバットを交互に見ながら、投手が投げてくるボールをイメージしながら遠くのものから近くのものを見て、動体視力を高めているのです。あの動作は、ただのポーズではないのです。それはわずかな時間ですが、必然性のある行為なのです。
「ルーティン」は時々するものではなく、試合中も練習中も同じように行うものなのです。ルーティーンのポイントはゆっくりとした動作で、確実に行えるものではなくてはいけないということです。早い動作は気持ちを焦らせますし、試合中にできないことをルーティーンにするのは難しいでしょう。
隙とか迷いを打ち消し、集中力を高める動作なのです。木村選手は、サーブレシーブが得意でないということを自覚しているので、相手がサーブする前は、必ず、レシーブを正確に受ける動作をします。監督から指示を受け、木村選手なりのものを創りました。
今度試合があるときは、ちょっとそんなところも見て下さい。
例えば、「この道を通ると、いいことがある。」というのは、迷信的行為・偶然的なもので、「ルーティン」とは違います。
学習においても、例えば、試験の前には、目を閉じて、3回腹式呼吸をする・・・というのは、「ルーティン」です。心拍が安定する。筋肉の緊張が解ける。軸がまっすぐに伸びる。気持ちが落ち着く。など、かなり有効なルーティーンです。
必ず、レベルの高い選手は、オリジナルな「ルーティン」(きまり)を持っています。「マイルーティン」を創ってみてはどうですか。
そのことで、精神的な安定も保つことができるのです。
生活の中でも、運転席の前に家族の写真を貼って置いて、運転をする前に、必ず見る・・・というのもありでしょう。事故の確率を減らす方法なのかも知れません。
トップアスリートたちは、このようにして、技術の習得とともに、メンタルトレーニングもしているのです。スポーツ観戦でまた周りの人たちの生活からちょっとした「ルーティン」を見つけてみて下さい。何かの参考になるかもしれません。