

先日父の命日でした。
思い出すのは、9年前のこの時期のことです。
息子が私立高校の進学コースに合格しました。
そこが希望校だったので、父は大喜びをしました。父のところに来る看護師さんたちにも伝えていて、父の見舞いに行ったときに、
「おめでとうございます。」
という言葉をいただきました。
何はさておいても孫が一番というような優しい父だったので、合格の喜びはひとしおだったことでしょう。

しかし、それから、数日後、父は、旅立っていきました。
息子も気持ちも静みながらも葬儀が終わり、3日後にもう一度受験をします。合格したコースのもう一つ上をめざすために、一般試験を受けます。
ところが、葬儀が終わり、気持ちが切れたのか、つらい中みんながインフルエンザにかかってしまいました。
息子もインフルエンザながら、保健室で受験をしました。一つ上のコースはいい結果は得ませんでしたが、その後、9年間の充実した学生生活を送ることができたようです。
第一希望のコースではありませんでしたが、父に子どもが、合格の知らせを伝えたことが、父への最後のプレゼントとなりました。
生徒たちそれぞれにこれから、「受験」に立ち向かっていく中で、いろんなドラマがあると思います。競争である以上、合格する人、不合格になる人もいるでしょう。また自分の希望の高校に添えない人もいるかもしれません。
しかし、点でなく線で考えると、それも運命です。しかし、その運命にも無駄なものはなくそれなりの意味、位置づけがあると思います。その結果が、その道を通過したからこそ次の人生が切り拓かれるのです。
あくまでも高校受験は、一つの通過点なのです。
私立高校受験もあとわずかです。これから、私立高校から公立高校へと受験は移っていきます。