学生時代の友人に種苗会社に勤めるA君がいる。同窓会のときに人参のことを質問したのがきっかけで、人参の種を頂いた。お盆前に種をまき、順調に今日、初収穫させてもらった。もちろん野菜の管理は母親がしているのだが、こんなに収穫を待ちわびていたのはA君の人柄に他ならない。早速、私のつまみへと生け贄にされた人参である。食は食うか食われるか、バキっと、一口ほおばる。前評判通り癖がなく食べやすい。人参ジュースに最適な品種だとおしえられたのを思い出す。
ちはま人参はベータカロチンが普通の人参より2倍含まれているのが特徴である。ベータカロチンは脂溶性のため油といっしょに摂るなければならないということは知っていたのだが、一部水溶性のベータカロチンも含まれているとA君に教えてもらった。こういった情報を知っているのと知らないのでは確実に、食の楽しさが違う。今日も朝から仕事に追われたため、体内の活性酸素をベータカロチンでやっつけてもらうのだと、目に見えない体のなかの出来事を想像する。ただ、我が家はみかん農家なので、ベータクリプトキサンチンも摂るために、今日もたくさんのみかんさんが体内に消えていったということも付け加えておく。