果樹園の風

愛知県豊橋市で無農薬のレモンを栽培している河合果樹園です。
目指せ!楽しむ農業、楽しませる農業!

最近の作業と五雨の俳句集「気まぐれ」

2018年08月22日 11時57分05秒 | 日記・エッセイ・コラム
温室みかんの収穫も残りわずか。
高温のため着色は芳しくなく、初めての経験である。
台風12号でかなりの枝が折れてしまっている日南の姫の仕上げ摘果をしている。
着果2年目なので枝の分岐角度が小さいため、
みかんの重さをうまく逃がすことができず折れてしまう。
あまりの暑さに日焼けみかんも多い。
その日焼けみかんと風で擦れてしまった名誉の負傷みかんを落としていく。
ついでに枝支えをしながら、蔓性の雑草を取っていく。
あと1ヶ月もしないうちに収穫になると予測しているが、さて!どうなるだろう。
台風20号も心配な進路となってきている。
無農薬レモンと無農薬レモネーディアは今のところ順調。
今年から名誉の負傷をさせないように、レモンの表面をアルカリにもっていっている。
化学処理していないドイツ製のCaの散布、
はてさて最後まで乗り切れるかは誰も知らないところである。

ここ何年かは農作業の一瞬の合間に、句を詠むことが脳を快適運転させてくれる。
今まで培ってきた様々な経験や考え方が、自然の見方を変えてくれ、
思いも寄らない発見をすることも多い。

だいぶ前であるが、精文館書店の郷土の本のコーナーで、
五雨の俳句集「気まぐれ」を手に取って開くと、
興味を持っているダムの句が現れたので、即買い。
何度も目を通すと自身の感性にぴったりくるものが散見される。
五雨先生曰く、「俳句は主観と客観の〈あわい〉に存在するものを提示する文芸」だと。
確かにとりようによって、究極までそぎ落とされた句中に、
見いだすものは人それぞれだと私も思うし、五眼で見ればさらに広がる。
そんな俳句集を読んでいると、ついお目にかかりたくなり会わせていただけることに。
私が気に入った句を示し、五雨先生に解説してもらった。
そして、私が1番気に入ったと言った句を東京簾とともにいただく。
裏読みが先生と同じでとてもうれしかった。

河合果樹園 http://kawaikajuen.jp/






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戒めの言葉とハリガネムシ

2018年08月12日 19時01分12秒 | 日記・エッセイ・コラム
お盆前の温室みかんの出荷も終わり、少しのんびりと仕事をする盆がきた。
まるっきり休みというわけにはいかず、
雨が降らない状態をなんとか克服する作業は目に浮かんでいる。
当然、体のケアにも注意してのINGである。
台風の後始末に苦労させられたお盆前となった今年、
暑さの中でビニール張りはヘロヘロになって行った。
この時季にこんな作業は想定外、最低気温が28度以上の猛暑の中は本当に厳しかった。
精神的にもきつい時季に実習生の日本語訓練で疲弊、
また会議続きでさらに疲弊、そしてケアマネージャーとして裏方作業でまた疲弊。
けれどなぜかアドレナリンがうまく出てなんとかやり過ごしていると思う。
そしてお盆の間は頼まれている提出書類の第二回校正もある。
できれば少しインプットの時間もほしいと、頭の中で予定を組む。
最近、戒めの言葉としてフラッシュバックしてきた星の王子様の言葉、
「What is essential is invisible to the eye.」反省!


夕方の倉庫は熱をため込んでとても暑い。
そこで毎日、自動で水が行ったり来たりする灌水機にホースを差し込んで
シャッター付近の温度を下げる。
幾分打ち水効果で涼を演出してくれる。
その水たまりにやってく来るのが、まだ幼虫のカマキリ。
カマキリはある奴にここまで来るように指示されてやってくる。
そいつは水の中に帰りたいと、カマキリのおなかの中から叫ぶ。

そいつとはハリガネムシで、
子供の頃カマキリを水攻めにしておなかから出てくるのを楽しんだ。
人間もそうであるがおなかの中にいる微生物に思考を操られる。
第二の脳と言われる小腸と脳は直接の回路で結ばれていて、
微生物の出す物質に操られ行動する。

自分とは一体何なのだろうと思いながら、水たまりに映った景色を見る。

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ジョンダリ来襲と「豊・食・人 GENーB」

2018年08月02日 09時44分46秒 | 日記・エッセイ・コラム
1年で最も忙しいといってもいいこの時季に、ジョンダリはやってきた。
23時ぐらいから窓をどんどんとたたき出し、早起きの私の睡眠を邪魔した。
無視をしていると部屋の引き戸をカタカタと鳴らしてくる。
とても落ち着いて寝ていられる状態ではないが、
疲れた肉体は目だけでも閉じていろとささやく。
とうとう疲れて眠ってしまい目覚めて、彼の爪痕に驚く。
豊橋から渥美半島にかけて大暴れした彼の所業は許せるものではないが、
自然相手の生業をするもの達はただただ受け入れるしかない。
河合果樹園の無農薬レモンは、温室のビニールを飛ばされて現在は露地状態。
こんなことも初めてなので、うまく耐えてくれよと声をかける。

経験値を超えた方向から攻めてきたジョンダリは、
今まで被害のなかったところをついてきた。
温暖化のせいで、経験値はほぼ通用しなくなってきているということである。

生粋の豊橋っ子の私であるが、三河弁でげんびーという言葉を初めて知った。
ひょっとしたら恩師の吉川先生の「豊橋の方言210話」で遭遇しているかも知れないが、
私のハードディスクの中には検索すれどどうも見当たらない。
だいぶ前のことであるが、ヤマサちくわのS社長に頼まれて取材&見学を受け入れたことがあった。
そのときの取材がとうとう目に見える形となってできあがった。
それが「豊・食・人 GENーB」という地域色がちりばめられたサイト。
その中の「旬のひと・もの・こと特集」にて!紹介されました。
イノベーターと言う言葉を使ってもらっていますが、
それを維持するには常にメタモルフォーゼをしていなければいけない。
このところ体調不良で擬態しながら刻をやり過ごしていたけれど、
メタモルフォーゼへそろそろという感になってきた。
特集ページの副題の「つくる手、たべる手、はぐくむ手を見つめる」は
作る手をテーマにしてきた豊橋百儂人にも通じる。

メタモルフォーゼが完了した時、豊橋百儂人伝説の最後のフレーズ、
「そしてまたじっと手を見る」を口ずさむと思う。

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