果樹園の風

愛知県豊橋市で無農薬のレモンを栽培している河合果樹園です。
目指せ!楽しむ農業、楽しませる農業!

有機農薬と見えない敵

2012年07月23日 21時04分02秒 | インポート

無農薬レモンと無農薬レモネーディアに発生するハマキムシもだいぶ落ち着いてきた。
昨日今日と涼しい天候のため、またハマキムシが元気になると困ってしまうが・・・。
手で取るという原始的な処方箋は、一見対処療法に見えるが、
実は長い時間をかけて生物の多様性を醸し出す予防療法だといえる。

当然そこまで行くのには、甘いささやきをやり過ごしていく。
農薬をかければ一発で殺すことのできるムシを土着の天敵を使った自然の叡智で、
やり過ごして収穫まで行くのはかなり勇気がいる。
勇気農法というだじゃれにもならない表現なのだが、自身妙に笑えない。
そんな中、理解に苦しむのが「有機農薬」という言葉。
そう、これらの農薬は農薬としてカウントされないため、
無農薬栽培(化学合成農薬不使用)という訳のわからない言い回しになる。
つまり有機農薬は使って作っていますよということだ。

使えれば楽だな~と私自身何度思ったことだろうか。
そうすれば代替えの技術を磨いたり、精神的に重い観察眼など必要もないのだけれど
わかってしまうと自然との共生はやはり楽しい。
あらたなアイデアを求めて収斂はまだまだ続きそうだ。

最近知った事でおもしろいと思ったことが二つある。
一つ目は昆虫の抵抗性獲得について。
農薬に対する抵抗性は昆虫自体が作り出すものとだというのが定説だけれど、
土壌や食べているものを介してそれの抵抗性をもった微生物が体内に入り、
それが昆虫自身の抵抗性となっているという説。

二つ目は食べ物の趣向について。
食べている食事がジャンクフードだと、それを好む微生物が体内で増える。
もしジャンクフードを食べるのをやめると、
その微生物はジャンクフードを食べたくなるような信号(誘惑物質)を、
宿主(人間)に出して我慢できない状態にするという説。

ある意味、生き物は体内の微生物に操られているということになる。
自分を操縦している奴を知れば、甘い誘惑に打ち勝つことができるのだろうか?
見えない敵が見えると、世の中は俄然おもしろくなる。

河合果樹園 http://www5.ocn.ne.jp/~kawaikje/

画像はレモンの萼の中に潜む憎きハマキムシ

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玉虫色と横浜野積み倉庫

2012年07月12日 08時15分32秒 | 日記・エッセイ・コラム

蒸し暑さの中で水掛をしていると、首筋に止まる虫の気配。
一瞬、ぞくっとしたが羽音からにっくきカミキリムシかと思いきや
なんと吉兆虫と言われる玉虫だった。
運気が上昇する予感かと我心躍り出す。
玉虫のツタンカーメン模様に輝く虫体は美の極限なのか、
こいつとの出会いはいつも楽しいものである。
幼虫はみかんの朽ち木で見たことがあるが、
そのエイリアン並みの姿は成虫とのギャップが一番大きい。
妄想の世界にはいると、美しくも危険な誘惑をもつ昆虫に思えてきた。

先週、某協会の視察で横浜野積み倉庫の見学をしてきた。
ヒラタケ、大根、コゴミ、キュウリなどがプラスチック製の樽や
個々がビニール詰めされた木の箱の中で何年も腐らずに、
炎天下の中で保管されている現実を目の当たりにした。
説明してくれたOさんによるとこれらは塩漬けにしてあるだけではなく、
何らかの薬品を加えて腐らないようにしてあると言うことだった。
それを加工現場で薬品によって中和し、香料や添加物を加えて
私たちの舌に美味しく感じる味に仕上げて流通しているという。
漬け物のお土産になったり、スーパーの棚に収まったり、定食の漬け物についていたり、
私たちの生活に広く浸透し、知らず知らずのうちに体に入ってきているものだ。
ある程度知ってはいたが、目の当たりにすると本当に恐ろしい。
私たちの健康はもはや私たち自身が守らなければ・・・。
そう何を食べるか、何を消費するかをもっと考えなければ・・・。
人間の60兆個の細胞が入れ替わるのには3年が必要だそうだ。
まして骨までとなると7年が必要となるらしい。
消費は選挙だとお客様に言われたことがある。
魂を売り栄華を得るより、愚直に生産販売し信用を得る方向に進むことが
21世紀に求められる真の姿ではないだろうか。

見学の様子がYouTubeにありました。http://www.youtube.com/watch?v=8fu2WkDs4yw

河合果樹園 http://www5.ocn.ne.jp/~kawaikje/

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