果樹園の風

愛知県豊橋市で無農薬のレモンを栽培している河合果樹園です。
目指せ!楽しむ農業、楽しませる農業!

果樹園の様子と百儂人の総会と小椋佳コンサート「歌談の会」

2019年07月23日 20時36分16秒 | 日記・エッセイ・コラム

待ち望んだ太陽の笑顔?が汗腺を押し広げ、
汗が頬にしたたり夏という文字が入道雲の中に見えるようになった。
果樹園の土壌は内部の空気を完全に押し出してしまったかと思われるごとく、
たくさんの水分を含んでいる。
予測のできない地球規模の自然の驚異は、恵みという言葉を吹き飛ばし、
あちこちで今年も嘆き節が聞こえてくる。
春先の乾燥と高温で一番果を落としてしまった無農薬レモンは、
3番花がなんとかとまってほしいと、自然任せながら祈ることは忘れず。
雨で伸び放題のメヒシバとツユクサは、人力で刈るしかなく、
農業大学校の切り札二人に頼る。
これからお盆前までかき入れ時で、暑さに負けないように温室みかんの収穫が続く。

7月5日に例年のごとく、てんとうむしさんで行う豊橋百儂人の総会。
少し記憶が曖昧になって、感動も少し薄れる中、
日本農業賞のお祝いとしていただいた花束の画像をみて、
第二波のなんとも言えないものがよみがえってきた。
新たな農業の形を全国に先駆け、手弁当&身を削って活動して10年。
この賞も一代表としていただいたと、思って極みを目指したいと思う。
みんな!ありがとう!

そして先週の土曜日、待ちに待った小椋佳のコンサート、
「歌談の会」を見に行くことができた。
さらば青春で始まったコンサートは、ターゲットからなのか
多くの人が知っている曲を選んだツアーだといった感じだった。
会場は平均年齢○○歳といった様子で、
MCもそんな共感回路にエネルギーを注いでいた。
インターバルを兼ねての、琵琶奏者の坂田美子さんの澄んだ声、
三味線を抱えて歌う荒木ちえさんの響く声。
個人的には「未熟の晩鐘」を聴いてみたかったが、またの機会にと相成った。
この曲、詩をひもとけば人生より
経済論理を説いているように聞こえるのは私だけだろうか。

河合果樹園

 

 

 

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玉虫とグラン・ブルー

2019年07月12日 19時39分17秒 | 日記・エッセイ・コラム

ここ豊橋は太陽の笑顔を忘れてしまうような、天気が続いている。
露地みかんの摘果は遅れ気味、降り続く雨のせいで雑草たちは過繁茂状態。
時折の晴れ間に、植物も昆虫も何かしらの反応を見せる。
ブーンという翅音が耳にここちよく、きらびやかな色彩が舞う。
その体は直角二等辺三角形の底辺の角度を維持しながら飛び、
目にとまる翅の背景が空の色を震わせる。
手で打ち落とし、腹側の色濃い黄金色と
胴をもっての外翅の虹色は、私にとっては一つの眼福。
まだ生まれたばかりなのか傷一つない虫体を接写する。
見る角度、光りの方向によって美しさは変化し、
いにしえの頃から装飾に使われたことに納得する。

タオルミーナを訪れてから気になっていたのが、
リュック・ベンソン監督の「グラン・ブルー」。
添乗員のMさんや現地ガイドさんたちがしきりに口にしていた映画。
この地で撮影され世界的にヒットした映画だという。
見たことがなく、いまいち飲み込めない部分があったため、
ブルーレイを買って観ることにした。
百聞は一見に如かず、撮影場所がなんとか飲み込めた。
1988年のイタリアとフランスの合作映画が、
未だにタオルミーナの観光資源として大きく紺碧の海を映し出す。
海岸の岩の上のレストランでスパゲッティーを食べるシーン。
4月9日広場の噴水で水を汲んで、イルカを運ぶシーン。
とりあえず自分の撮った写真と照らし合わせてみる。
そして写真を見ていると、やはり気になるのはレモンの木。
イセリアカイガラムシが白さを強調し、枝に着いている。
この地にはベダリアテントウはいるのかと?
土産物屋の陶器のマグネットには、テントウムシの絵がある。
レモンと一緒に、食文化の一翼として書かれているのが、
昆虫少年としては嬉しかった。

河合果樹園

 

 

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雨続きと来客続き

2019年07月02日 10時00分39秒 | 日記・エッセイ・コラム

梅雨だから仕方がないが、毎日雨が続く。
恵みの雨を通り越して、実害が出そうな状況かと恨めし顔。
ゲリラ豪雨で被害も出ている地域もあるので、
納得しなければいけないし、少し前までの水不足を嘆いていたことを思うと、
自然を受け入れていない自分がいるのかも知れない。
露地みかんは雨の中、摘果作業にいそしみ、
夏の亜鉛ふんだんの初恋リーフも遅ればせながら収穫が始まった。
温室みかんはもう少しで収穫かと言う段階。
毎日、雨粒の美しさを眼交いに置いて、映っている景色を楽しんで見る。
暑くなれば本格的に忙しくなる。
戦場に行くかのごとし。

先週は来客続きで、午後は毎日園地での説明と事務所でのお互いの距離をつめる時間。
百聞は一見にしかず、一様に驚くのが一般的な軌道から外れた栽培と考え方。
私たちの生業は過去においては、構成比から一般的な知識や考え方だったのが、
今や知る人ぞ知るベールに包まれた世界になっているかとも思う。
こういった時、不思議に感じたり疑問が浮かんだりする人は、
過去において自然に親しんだ経験が多いとすぐにわかる。
「ダンゴムシがいっぱいいるけど、どんな働きをしているんですか?」
こんな質問が来ると、作り手は楽しくて仕方がない。
お店でも女性のお客様は鉢の下のダンゴムシは気になるので、
少しでもダンゴムシの知識をもっておいたほうがいいと思っての質問である。
確かにこの梅雨時、活動は活発になり目立つようになる。
豊橋のファーブルとしては、ダンゴムシを殺す薬がホームセンターに
山のように売られていると少し寂しくなる。
どんな輪の中でも、一見無駄に見えるものであっても
必ず目に見えない役割があるのが自然界。
普段役割はなくても、その輪の一部が崩壊したときにだけ働く場合もある。
来園するお客様とのやりとりは、本当に面白い。

 河合果樹園

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