遊びをせんとや

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おもしろがりながら楽しみたい。
人は「遊びをせんとや生まれけん」です。

山口晃 へんな日本美術史 

2013-12-27 08:54:00 | ブックリスト
山口晃さんは画家です。




これは彼の作品ですが、一見、日本画に見えるけれども油彩です。

完全に日本古来の大和絵の画風ですが、あくまでも油絵です。

この人の「へんな日本美術史」を読んでみました。

     


私は何を隠そう、恥ずかしながら日本画専攻だったので、あるいは教育学部のはしくれにいたので
美術に関することは一通り授業があった。

今から思うともっと真面目に真剣に受けておけばよかったと後悔するのもあとの祭り

登録していない授業、塗装の授業なんかももぐりこんで受けたのですが、それもありがたかった。

なんと贅沢なワークショップだったのでしょうか?陶芸も取りたかったが、、、。

金工の授業でリペットを打ったり、電動糸鋸で何本も刃を折ったりもしたが
かなり大作の卓上書類入れなどを制作した。(それはがんばった)

すごい画家の先生の水墨の授業で6月の京の和菓子の水無月を水墨で描いたり
三色団子の違いを墨の濃淡で描いたりした。(今思うとしみじみいい授業だった)

模写として尾形光琳の扇面図を選んだのはただ、単に簡単そうではなかった何かに
惹かれたのかもしれない。(うそ、笑)

仏画の線描模写ももう少し真地面に真剣に取り組めばきっと感じることは深くあった
と思う。(反省)


和筆の線描のすごさや日本の古典のすごさを鑑賞からではなくそのまんま実践から入ったような大学時代だった。

あのころ、日本の古典文化なんで「へっ!」っていう感じだった。

もったいない。

自分なりの個性的な見方を記してある本です。

とっても面白いし、「そうか、そうだったんだな。」という今更、自分が感じていたことを
改めて文章で示してくれたそんな本です。

しかもご本人はイケメンです。(関係ないか?)





    


昔の絵師といった風貌ですね、、、。





歌舞伎座の怪人

2013-12-25 07:29:15 | 歌舞伎
ちょっと、顔見世を見て今、歌舞伎界の危機かも?

と思ってしまった。

まず、仁左衛門が右肩の故障で入院。これが寂しい。
仁左衛門がいない関西歌舞伎なんて、なんと華がない。

今年の6月に観たときには本当にうまくてノーブル(これがなかなか最近ない)で
芝居がうまくて間がいい。  本当に千両役者とはこの人のためにあるような、、、。

たとえ、市川猿之助の襲名披露と言えどもなんとも寂しい。

先代猿之助が最後の南座の顔見世に出演した公演を見たような気がする。

でもこの顔見世のようなクラシカルな公演は座組みが完全なヒエラルキーなのだ。


学生時代から独身時代にかけて歌舞伎公演を見まくっていたころは
今から思えば華やかなりし時代。

少し相撲界と相通ずるものがあるかも。

猿之助一座はバンバン公演して宙乗り、早変わりやりたい放題。
歌舞伎界の小林幸子のようだった。

三之助と言われた新之助(亡き団十郎)菊之助、元気はつらつだった辰之助(若くして亡くなった現松緑の父さん)、

海老玉(亡き団十郎と玉三郎)コンビや孝玉コンビ(現仁左衛門と玉三郎)の
道行のなんと美しかったことか、、、。

バイブレーター的な澤村藤十郎や市川染五郎(現松本幸四郎)

もちろん現役巧者の先代勘三郎、先代勘九郎親子

若い頃からうならせる芝居をした中村吉右衛門

中村歌右衛門も健在だった。

恵まれた時代だった。

踊りの名手、中村芝翫、とびきり若い福助や橋之助、坂東八十助(現三津五郎)

なんと層の厚い、歌舞伎界だったことか、、、。
東京の歌舞伎座、新橋演舞場と梯子すればなんと色々な味が楽しめか。

上方歌舞伎も元気だった。

それが今や勘三郎、団十郎とことごとく亡くなり
大名代歌右衛門を襲名するべき福助は重病、三津五郎も癌

仁左衛門は肩損傷、猿之助もすでに舞台には立てないようになり。

吉右衛門は頭髪ともに真っ白で疲れ切っていた。

残るは元気な玉三郎くらい。


やはりヒエラルキーは現代人を消耗させるのか、、、。
はたまた松竹の使い方が悪いのか、、、。

歌舞伎公演はほぼ1か月にも及び、残り少ない月末は
次の公演の稽古が入る。
50代くらいになると疲れも溜まるローテーションだ。
(出演がなければ、1か月の休みになるとは思うがその間に地方巡業や踊りの稽古なんかが入るのだろう)


それとも先代歌舞伎座の怪人の怨霊か、、、。

先々代の歌舞伎座が立て直しの時も5人の名優が亡くなったそうだ。

江戸時代から役者を神格化して崇めてきた民衆。

さて海老蔵がその大役をどこまで全うするのかがこれからの楽しみかな?








ええじゃないか 大阪城 

2013-12-22 14:59:23 | 日々のあれこれ
さて、連休一日目

仕事の最大の山場を越えた週末

もう朝から目が覚めない。

職場からの電話にも気がつかない。

なんとか、リビングの掃除をざっとしてクリスマスツリーを出す。
なんとか、玄関をかざり、せめてクリスマスの雰囲気を出す。

息子が「大阪城の3Dマッピング」を観に行きたいというので
一応、レギュラーチケットをネットで購入。

金曜日の晩に実家の両親がツアーで参加していたので様子を聞く。


何回か繰り返すので2回くらい見たらいいということだったので、、、。

まず、入り口を入るとイルミネーション



    


 その向こうに大阪城
       



 





 

そこを通りすぎると青い海を模したイルミネーション。イルカも泳いでいた。

     


  その向こうに大阪城

 


  まず、大阪城をスクリーンにした3D動画を見る。


 
  ハリーポッターのような映像だった。

  大阪城が刀で半分に切られたり、虎が出たり、金のしゃちほこが泳いだり
  滝が流れ、蝶がまったりした。最後は龍が大阪城を巻き上げ、吠える。
  
 
  それから、迎賓館の前での音楽(ビバルディの四季の冬など)とイルミネーションの競演
  
  






   

これが、プレミアチケットなら少し高さのある観客席から見ることができる。それだけで1500円高い。
観客席からでなくとも十分堪能した。

 木、金と雨だったので、出足はそう、大勢ではなったが、雨も降らず、地面もそう、ぬかるんでいない。
 そんなに寒くもない。


 そういうことでええじゃないか 大阪城でした。



 



 

もうタートルネックのセーターは買わない

2013-12-18 07:11:01 | おしゃれ
仕事のピーク

ここが一番しんどい時期

少し慣れてきたのでペースは掴める。

寒さもピーク。

忙しさの中で先週の週末はカット&パーマ

毎朝のワードローブもついおざなりになるが
洋服と合わない色のカバンを持って出ると
一日落ち着かない。

昨年、息子の受験で出かける自由度が非常に低かったので
(おさんどんには必ず帰宅しなければならない)
やたら、洋服やら靴やらを買った。

今年の冬物はさすがに、新たに購入しなければならないのは
ガードルぐらいで、手袋、マフラーの小物まで充足している。

自分で買った物はやっぱり気に入っていて(当たり前だが)
もう、焦がれるように欲しい洋服はない。と思う。

大草直子さんのブログで「タートルネックセーターが似合うのは
30代前半まで」という一文を読んではっとする。

他人が素敵に着ているタートルネック姿を見て自分もと思って
インナーとして寒さもしのげるのでつい安価な物を色違いで
買ってしまったが、実は私は首が短い!
しかも、すでに30代は遠い昔。

やばい!これは、セーターの襟元は考えねば。と一大決心をした。
「もうタートルネックは買わない。」というなんだか変な映画の
題名のような決心をする。

それと美容院で読んだ林真理子のエッセイで
年齢をとると一番大切にしなければならないのは
「清潔」

改めて、言われると非常に納得

ぼさぼさ髪もむさくるしいので2か月に一度は必ず
美容院に行こうと思った。

パンツやスカートのヘムがつい取れたり
ジャケットの袖口のボタンがつい取れたり

仕事がらユニクロのライトダウンベストを重宝するが
ついおなかのあたりがすれて汚れてくるとか、、、。

こまめに衣類もクリーニングにも出さなければと思う。

それにしても密かな慎ましい私の日々の楽しみは

着ていく服、靴、今の季節なら手袋なんかの色を合わせること
うまく決まると一日ルンルンなのだ。



空気を読むということ

2013-12-16 07:07:28 | 日々のあれこれ
相変わらず、このテーマから離れられないというか


たまたま、観たこの番組の再放送

特別企画、「リーガルハイ」

本編の方も今週が最終回ということで

10月26日に放映されたこの特別企画、土曜日の昼に再放送されていたのを
昼間にテレビなんて見ないのに、つい最後まで観てしまった。




中学校のいじめ問題。

実態のない集団の空気感でいじめともとれるし、悪ふざけともとれるし

このあたりがとても寓話的にカリカチュアされていた。

冒頭のスキーリゾートでの広末涼子(裁判官の役)と古美門との出会いも
映画「ピンク・パンサー」のパロディで面白かった。

                              

最後にいじめられていた生徒の母親が持っていたシャネルのバッグが
おかしい!


発言する勇気

2013-12-09 07:27:24 | 舞台、映画、DVD
この週末は絶対この2本の映画を観に行こうと思っていた。


あまりに忙しすぎたのと少し身の回りの気になる映画をインプットしたかった。


まずは原作をすでに読んでいた、

「利休にたずねよ」




 この脚本はすでに利休=市川海老蔵というスタンスで書かれていたそうだ。

                          

以前の宮本武蔵の時には本当に面白くなかったが、今回は年齢も重ね、テレビで「父親が師匠だった。
普通の父親ではなかった。いつも苦しんで努力をしていた。」と言わしめた団十郎との最後の共演だった。


そのインタヴューを観てこれは観に行かねばと強く思った。

秀吉役の大森南朋が下品すぎると家族の意見が一致した。
やはり、柄本明くらいがいい。

伊勢谷友介さんの信長はさもありなんという感じでよかった。



原作にほぼ忠実に描かれていたが、ラストの香合の扱いだけが違うかった。

どちらがいいか解らないが、時間がたってなかなかの好演だった利休の妻の中谷美紀に見せ場を
作らせるためかな?

     

この映画でも本当の事を言う利休の弟子は切り殺されてしまうし
娘は自死するし、どうにも長い物に巻かれない人は生きづらい。


もう1本はぜひ見たいと思っていた、ナチ幹部の裁判を傍聴して自分の意見を発表した
ユダヤ人哲学者を描いた「ハンナアーレント」

   

実在の人物をカッコよく演じていた。ドイツ女優のバルバラ・スコヴァ


               
映画全体は地味で色調もほぼセピアなんだけど、観終わった後
主人公のファッション(いつも一連の真珠のネックレスをしていた。真珠ってどんな色でも
どんな服でも合うオールマイティのアクセサリーだなとつくづく思う。)
1960年代のオールドアメリカのインテリアとかじわっと印象に残る。

また、監督マルガレーテ・フォン・トロッタも女性でかっこいい。
       


こういうカッコいいおばさんになりたい!


彼女が主張した「どんな危機的状況でも何とか良き方法を考えること。」
という言葉がすごくすごく心に響いた。

自分の感性で物事を捉え、冷静に情報を集め、じっくり一人で考えること。

「哲学とは自分との対話である。」の言葉も印象深い。

たとえ、大事な友達とも意見の対立があっても、それをとことん話し合う。

世間に非難されても自分の主張は主張する。

空気に流されず、「まてよ。これは何だ?」という疑問を持つこと。

そこから真実や本質をつかむ事が大切なんだ。

             

求められている人材?

2013-12-02 06:50:38 | 日々のあれこれ
うーむ、娘の就活スタイル購入の一件から

考えるに、だってまるで振袖一式はこの表に必要な物を書いてあるから
見てね。といったような一覧表まであったんだ。

そこにはなんと肌着まで指定してあった。肌色って、、、。

これってなんだかどうよ?

まあ、昨今、白いブラウスの下に黒いキャミソールなんて着るやからも
いるだろうということは予想はできるが、、、。

そこまで手取り足取り、横並びにするかな?

そうか、ミスユニバースの審査の時も同じ色、形の水着だったなーなんて
ぜんぜん違うことを思い出したりして。

社会が求める人材は

誰も考えないようなことを思いつき

しかもそれを実行に移せ(ここまでなら私もできる)

なおかつ、チームをまとめたり、集団で浮かないように
回りに気を配り、

なおかつ、目上の人には逆らわず、いつも上機嫌で
1を言えば、10をわかり、腰軽く動き

なおかつ、困難にぶち当たっても、すぐに
立ち直り、しかもその打開策を打ち出し

体も精神もタフな

ってそんなんているか?

いると思う。これに近い若者が。
でもほんの一握りだと思う。


今の教育はそいういう人材を育てなさいというふうになっているが、、、。

果たして上のような若者は生来の気質と家庭環境に恵まれた者だけが
到達できる境地だと思うのだが。そこに教育の入り込む隙間はないような
気がする。

先生の話は静かに聞き、素直で
なおかつ、自分の意見もしっかり発言でき
なおかつ、回りの空気を読み、合わせることができ
独創的で面白いやつなんて、、、。

中学生でいたら本当にこの子はとても疲れると思うよ。