遊びをせんとや

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おもしろがりながら楽しみたい。
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道具の管理 ~陶芸ニードル事件~

2022-11-26 06:35:57 | 美術教育
美術の授業で道具の管理は大切である。

2年生の陶芸の授業
かきベラや粘土ベラ、引き弓、ニードルなどは貸してくれる。
授業のたびに数は確認しているが、、、。

午後から2時間続きの授業でついそのまま回収しないで続行してしまった。
2時間終わってからニードルが1本足りないのに気付いた。
私はTTで授業に入って板づくりを担当していたので、そこでニードルは使う。

探し回ったが出てこない。
そこで次の日の朝の学活でその時の授業のクラスで聞いてもらうように担任にお願いした。
実際の道具を見せて「これが1本足りない。」と事実だけを説明した。

次の日のお昼前の2年生の授業の始まる前に黄色い筆洗に筆が何本かさしてあって竹ぐしとニードルが見つかった。
一晩寝て探したつもりの私の目が見つけた。
同時に使っていた竹ぐしも一緒だったので犯人は私である可能性が大である。片付けにあたふたして一旦そこに差した可能性がある。
まるでとほほのお話。でもいずれにしても見つかってほっとする。

こういうことが起きるので基本は大事。
私の失敗でホッとした。






今年の文化祭

2022-10-29 07:20:26 | 美術教育
今年の文化祭の取り組みは合唱曲に合わせたイメージ貼り絵

「時の旅人」が合唱曲なので、その歌詞をクラスごとに抽選で分担して、そのイメージを美術科&学年宿題にして下絵を考えて全員で貼り絵に取り組んだ。
この記事は以前のブログで書いた。

今年の文化祭取り組み3年生 ~合唱曲のイメージ壁画~ - 遊びをせんとや

2学期始まってさっそく文化祭の取り組みである。急遽夏休み中の学年登校日に美術科として追加の学年課題を課す。3年生の文化祭の主な取り組みは学年合唱である。本来なら...

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案が固まったのが7月だったので(本当は遅すぎ)
夏休みの学年登校日に下絵のアイディアスケッチの課題を追加で出し(それも無謀)
2学期の初めに全員のアイディアスケッチをまとめる下絵係(これは絵の上手い人)を募り、下絵を制作させた。
2学期は体育大会の準備にも超忙しい3年生。実力テストもあるし、チャレンジテストもあるし、中間テストもある。
当然、下絵メンバーは美術部とも重なっている。
ここは教師の段取り力の問題で乗り切る。
よく、生徒をだらだら残して遅くまで時間を掛けてやらせる教師がいるけれど、いくら運動部は引退したと言っても中3生は忙しい。
テスト前は残せない。だからテストの日当日の放課後と言う設定をして、都合、3日で下絵は貼り絵の台紙に直接描くか、カーボン紙で転写する。油性マジックで線を入れ、透明水彩で色も塗っておく。ここまでを10月初めにほぼ終えておくのだ。
必ず、係の生徒に日程は事前に知らせておく。

10月中旬の中間テストの最終日にがっつりチェック、下絵切断。この日ならかなり時間が取れるので遅いクラスはここで追いつく。
次の日から貼り絵開始。今回は一人の面積が狭かったので、かなり短時間で仕上がった。3年生はこれでいいと思う。

この貼り絵の下に国語の書写の時間にい一文字ずつ生徒が歌詞を毛筆で書いた和紙を貼る。
大きさも少しずつ違うし当然字体も違う。
このバラバラ感と一つの合唱曲の歌詞を書く、描くということが生み出す統一感がいいと私は思っている。

コロナがなければ舞台のお芝居なのに取り組めたが、このご時世なかなかできない。

文化祭最終週には全体の仕上げ、調整。前日文化委員による掲示。
完成作品。

 
  


 
   
手作り感満載で和紙がいい色味をだしていて、隣同しが少し違う色もあるけれどなんとなくわかる。
そんな感じが良かったです。

横に2年~3年の春休みの課題にしていたSDGsの作品を掲示。


前日準備は教科の掲示も美術係が気持ちよく動いてくれて3年生、とても頼もしくなった。成長したなーの感あり。「君たちのおかげで明日の本番を無事迎えることができます。ありがとう。」の言葉は忘れずに。
最後に拍手で終わった。しんどいことも楽しんで。


今年の文化祭取り組み3年生 ~合唱曲のイメージ壁画~

2022-09-08 07:38:23 | 美術教育
2学期始まってさっそく文化祭の取り組みである。
急遽夏休み中の学年登校日に美術科として追加の学年課題を課す。
3年生の文化祭の主な取り組みは学年合唱である。
本来ならば舞台発表だったがコロナ禍でお芝居の取り組みは難しいのでクラスごとに合唱を音楽の時間に取り組み録音して学年全体で合成する。昨年も同じ方法ですごく上手かった。

今年もコロナでいつ学校に来れなくなるかもしれないということを考慮して考えた。
思いついたのが合唱曲「時の旅人」の歌詞を六分割してクラスで抽選しその部分の歌詞のイメージ壁画を和紙の貼り絵で制作するというものだ。
学年全体を繋ぎ合わせてその下に歌詞の文字を書写の時間に一文字ずつ書いて貼り合わせる。

夏休み中に台紙の準備は学年の先生がやっておいてくださった。
クラスごとに下絵担当者(2人~6人)決めて美術科、学年の総合課題として描いてきたアイディアスケッチ全員分を参考にクラスの歌詞にあった壁画の下絵を描く。

8月終わり、1回目は全体の説明をして下絵を考えさせた。時間が十分取れる放課後に設定し、2時間。
9月の第一週目、チャレンジテストの後に集まり、下絵作成。
そのまま台紙に描くもよし、小下絵を完成させて、拡大してチャコペーパーで転写するもOK。
鉛筆で描けたら油性マジックで線を入れる。あとで水彩絵の具で色をだいたい塗るためである。
この日は2時間30分。いずれも5時には作業を完全に終わらせる。

ここから9月30日の体育大会本番まで3年生は忙しい。
来週は2回目の実力テストも控えている。
その間に応援旗の制作もある。応援旗と下絵係がかぶっているクラスもあるが、おおむね違う生徒が担う。
住み分けはできている。美術が得意な生徒ができるだけまんべんなく活躍できる方がいい。

実力テストの後に集まって色塗り。ポスターカラー淡彩でざっと塗る。
これで下準備は完了。
10月中旬以降の文化祭取り組み週間クラス毎の貼り絵制作までは何もしなくていい。

ということを時間を刻んで追い込んでやらせていかねばならないと私は思っている。
だって勉強のしなければならないし、3年生にとって時間は大事。
決してそのあたりのマネージメントは生徒に丸投げしない。



 

   

転写は色鉛筆で。

美術室エアコン問題

2022-09-06 06:52:50 | 美術教育
昨日のニュースで高槻市の美術の先生が美術室にエアコンをつける運動を起こしたところ職場で阻止されて適応障害を起こしたとして訴訟を起こした。

40度超の教室にエアコン要望を校長ら妨害 中学教諭が提訴 |NHK 関西のニュース

大阪・高槻市の市立中学校の教諭が、猛暑で40度を超えることもある美術室にエアコンを設置するよう要望活動をしていたところ、校長らから活動を妨…

NHK NEWS WEB

 


この問題は大阪市も一緒である。体育館には大型エアコンを付けるのに絶対美術室には付けない。
大阪市は学校が災害避難場所のなるかもしれないので体育館にエアコンを付けたそうだ。

私は大阪市内で5校転勤したが最初の職場は飛行機の飛ぶ空路の真下だったために途中で工事が入りエアコンが付いた。
きっと景気が良かったからだとも今からなら思う。
次の学校でも校舎が全館建て替えになり付いた。
3校目は付いてない。
4校目は付いてない。
そして今の学校は付いてなくてしかも校舎の一番上なので暑い。そして運動場の真上を飛行機は飛ぶ。

一度私もこの件について新聞社に投書したが掲載されなかった。

近年の猛暑から考えたら美術室で授業をする間は夏場は過酷な状態になるということを大阪は考えない。
室内温度が32度を超えたら本当にしんどい。
普通教室で授業をしたらと言われるけれど作業が伴う授業は無理である。
美術室の稼働率は高く、ほぼ毎時間使う。美術準備室も当然エアコンは付いてない。
生徒も過酷だし、教師はもっと過酷だ。
転勤一年目に1学期の終業式に熱中症になった。
きっとだれかが死なない限り変わらないのだろうか?
こんなことしているから教員のなりてが少ないのだ。
中学校美術科教諭の離職率も私が聞くところによると高い。

夏場、快適な空間で安全に授業ができるのはいつの日なのか。

シルクスクリーン印刷の授業

中学校美術の授業 ~美術科ペーパーテストについて~

2022-07-09 08:46:23 | 美術教育
学期末である。
今年度は三年振りにコロナで翻弄されないで授業が行われた。
あと少しで中学校の美術の授業ともお別れになるだろうから、色々と美術科の授業について書いておきたい。

今回は美術科において、ペーパーテストが必要か問題である。

私自身は教師生活40年近くでペーパーテストを行ったのはたった1回である。
しかも新任の頃に「実力テストを2日間にしたいから実施してほしい。」という今から考えたらとんでもない理由で訳も分からず行った。
そして結果、あまりのばかばかしさに点数の所を切り取って生徒に返却した覚えがある。
それ以来現在に至るまで一度も行ったことがない。
幸いというか皮肉にも新任校もほぼ一人配置だったし、以後たまに2人体制も経験したが、しなくても何も文句は言われない状況だった。一度すごく生徒指導が大変な学校で2人体制の時にもう一人の先生は実施していた。

私が新任の頃は中学校の美術の授業は週に2時間あった。それからあっという間に減らされて、1年生で1.3時間、2,3年生で1時間になってしまった。
そんな中で美術科のペーパーテストがどんな意味があるといのだろう。

今学期私が受け持った3年生の授業時間は一番少ないクラスで1学期で10時間だった。多いクラスで12時間。
例年なら他教科の授業をもらってでも12時間に合わせるが、今回は美術室がほとんど埋まっているので不可能だった。
ほぼ9時間で1学期の成績を付けなければいけない状態である。
本来、美術は実習授業と位置付けたい。
実習授業、実技授業として、保健体育がある。まず、保健体育は週に2~3時間の授業があるし、保健と言う教科も含む。
ペーパーテストで確認すべき事柄も多いのである。
次に技術家庭科であるが、これも3年生時は0.5時間、1,2年生は1時間と厳しいが情報や保育、調理など知識的に身に付けておいた方が実生活に将来役に立つ知識が多い。
同じ条件の音楽であるが、音楽理論はやはり必要だろう。ということでテストで必要なのはわかる。
美術以外の実技教科でも私個人ではテストの回数は年に1~2回でいいのではないかと思っている。

さて、美術科としては知識として身に付けた方がいい物はあるが、果たしてそれが、ペーパーテストで確認して本来使えるように身についているかは疑問である。昔、ピンクを作るは何色と何色を混ぜたらできるかと言う問題に答えられても実際のポスターカラーを使ってはできなかった生徒がいた。3年生になって着彩方法によって3本の筆を使い分けるようにと言って実際「この時は面相筆、この時は彩色筆、この時は平筆」と使えることが美術の知識が身についたということになると思う。そして当然技能も同時に上達する。

それとこんなに少ない授業でどんな問題を作るのだろうかという疑問。
よく鑑賞を出題するということも耳にするが、作品の作者名や題名や時代を答えさせるのが鑑賞授業だとはさすがにみんな思ってないだろう。
テスト中に鑑賞自体をさせることにどんな意味があるのだろうか?
教師のファシリテートもない他者との対話もなしで、、、。

昔研修で美術科管理職の先生に「絵の苦手な生徒を救済処置にペーパーテストは必要。」と言う意見をいただいた。
要するに記憶術にたけて日頃制作に苦手意識のある生徒を救えというのは本末転倒だろう。
酷い場合は値段の高い資料集を生徒費で購入させてP〇~〇までが試験範囲という教師もいたし、そのページに下線を引いてご丁寧に
増すプリして配布している教師もいた。
記憶力がいいのが美術の力ではないのは当然だ。
読解力もない記憶力はないけど、でも直観的に鋭い生徒、落ち着きはないが美的センスに優れた生徒、そのような生徒を救うためにはペーパーテストはない方がいい。そういうことを指導要領も新評価方法も言ってるのだはないか?

以前、地方の私学の時間講師をしていた美術科の先生から保護者から「ペーパーで80点も取っているのにどうして5段階評価が3なんですか?」とねじ込まれたと相談を受けた。結局、学校側も他教科の先生も誰も味方してくれなかったと悲惨にも心身を壊して辞めた。

いい加減この100点満点至上主義、偏差値至上主義から脱却せねばならない。

ということで私はここ40年、美術科のペーパーテストは実施ていない。たまに「どうしてこの評価なんですか?」と本人や保護者から質問は出るが「ペーパーテストをして欲しい。」と直接面と向かって言われたことはない。

但し、その代わりに毎授業緊張感を持たせるようにする。「今日の課題」は、はっきりさせる。そして採点する場合はどの観点で材料でどの基準で採点するかはっきり生徒には伝える。そこを「美術の授業は一生懸命真面目に作業していたらそれでいい。」などど生徒の成長に全く関心のない独りよがり教師によってあいまいにするのは生徒に失礼である。
教務必携には細かく採点した数字が結構な量並ぶ。
そうして毎時間、結構な緊張感を持って1年間が終わる。
自分が成長したなと実感した生徒はきちんと教師の前に来て「今日はありがとうございました。」と言うのである。
最近今の学校ではないなー。あかんなーと反省しりきである。


今年のゲルニカ

2022-02-09 06:38:41 | 美術教育
今年度はゲルニカの鑑賞はコロナ禍で夏休み明けにできずに
年明けになった。

水墨画の前にこの鑑賞を持ってきたのは返って良かったかも。

いつもならここで鳥獣人物戯画の鑑賞を持ってくるが、
ゲルニカである。

1時間でコンパクトにまとめた。
私の鑑賞授業の外せないポイントは「必ず全員発言する。」ということである。
どんな一見クールに見せてる生徒でも「自分の意見を言いたい。」と思ってると確信することです。

言いたいに決まってます。
それを挙手で特定の都合のいい意見だけを拾い上げるのは反対です。

順番に指名していく間に対話型を挟み込みます。
「これが別の物に見えた人は?」と投げかけます。
鑑賞には正解はない。
全ての情報を入れないでできるだけ大きなカラーコピーだけを渡す。

多目的室という教室の2倍の広さで椅子だけで実施する。
持ち物は筆記用具とワークシートを書くため下敷きにする教科書一冊。

リラックスして真面目に取り組むならどのような姿勢でもいいと告げる。
椅子の位置はソーシャルディスタンス。
椅子を机にして床に座りこんで書く生徒もいる。

40人近くの生徒が発言する中でみるみる鑑賞が深まっていくことが実感できます。

ピカソが描いた事は明かしてあります。

そして、書き上げられたワークシートは毎年私の宝物です。

「動物が人間に氾濫を起こした」という解釈でもいいし。
必ず「戦争」「災害」という言葉も出てきます。

そして毎年驚くのは
「人間は絶望の中でも光を求めて歩き出す。」「一本の花が希望の象徴」
「中央の明かりは希望」
という意見が出てくることです・

このコロナ禍で中学生はこの絵からいつも「一筋の希望」を見出しているのです。

凄いです。「ゲルニカ」
少し前に観た日曜美術館で当時はなんでそんな政治的な絵を描くのか批難されたピカソ。
最後までスペイン国籍を捨てなかったピカソの矜持が時間が経ってよくわかるような気がします。

そして今年は次の時間にサラッとパワーポイントでピカソの作品とゲルニカ爆撃に触れ、まとめの感想は書かせませんでした。
あいつぐ休校で時間が無かったのと次の絵巻物にすぐに取り掛かりたかったからです。
絵巻物セット買っていたので横84㎝、縦35㎝の和紙はちょうどゲルニカの比率。
狙ったわけではないのですがいい導入になったかなと思わぬ偶然に少し驚くのです。
いつもの私です。

〇〇に贈る生活の中で使える道具を陶芸で作ろう 

2021-12-30 07:44:59 | 美術教育
続けて美術授業ネタで。

2学期の10月に本当に死にそうになりながら、3年生の立体と同時進行で
2年生で陶芸に取り組んだ。
文化祭もあるのに、、、。

でも結果良かった。
昨年度は冬場だったので寒かったし、
夏場だとすぐに粘土が乾く可能性もあった。

身近な人を想定して(ただし、友達は除く)その人が日常で道具として使える物を陶芸作品で制作しようというコンセプトだ。

3時間で完成。しかも乾き具合で制作作業が微妙にずれる。
今回板づくりの生徒が苦労していた。
文化祭前なのに授業があったその日の放課後、連日、居残りで成形させた。
型紙を作らせてはいたが、、、。

陶芸業者さんの涙ぐましい努力で何とか大きく壊れることもなく焼きあがった。
しかも年内に、、、。ありがたい。


 板づくりのダイナミックな作品。


 このダイスはすごく時間がかかり苦労した。

  
 たぶんお母さんの化粧品置きかな?



  

    



  
  おじいちゃんとおばあちゃんをトムとジェリーに見立てたのかな?


これは平面なお皿だが、題名がすごく素敵。お茶の時間が楽しくなりそう。


身近な人ではないけど、こんなお皿でたこ焼き食べたらうきうきする。つまようじ入れまで付いてます。

 
 短時間で板づくりで仕上げていた。シンプルでしかも使いやすそう。

 

   
 お父さんへの愛が溢れている。

 

    

 
 お母さんへの愛が溢れている。

 
 これなんだと思います?仏壇のお線香立てなんです。その発想が家族の生活に密着している。いつもお線香あげてはるのを
 身近で見ているんだなと思いました。

これも割れそうで苦労した作品です。でも釉薬と相まってすごく渋い作品になりました。


 

  


今回は振り返りシートに「何に使うか」の説明を省きました。最初のアイディアスケッチのワークシートには書いています。
銘を付けるのはこだわらせました。江戸時代の楽茶碗や光悦の茶碗の銘をクイズ形式でパワーポイントで紹介し、
由来を少し説明しました。

釉薬は無理を言って6種類から生徒に選ばせました。それをそのまま、でもかっこよくかけていただいて本焼きしていただきました。
釉薬のかけ方ですごく作品の出来栄えが違います。だから生徒には陶芸業者さんとのコラボ作品だよと伝えてます。
それも陶芸の面白さの一つです。


校内に展示したかったのですが、壊れるのが心配で写真を撮り、新聞紙と梱包材で巻き手つき袋を付けてランチョンマットもほぼ同時に終業式の前日には返しました。

うちの中学校の生徒は小学校の修学旅行で信楽で陶芸は体験しています。
だから二度目になるので「前の焼き物は使いやすかったのに2か月で割れた。」「前の時より、良い物を作ろうと思う。」という
言葉が聞こえてきます。

私のこだわるカリキュラムの中に「用途のある立体を作る」を2、3年生に組み込めたのですごく良かったです。
実生活の中に美術が息づいていることがランチョンマットの制作と共に実感できた題材だったと思います。




The タイムカプセル(未来の子どもたちへのメッセージ) ~仕事納め~

2021-12-29 07:06:05 | 美術教育
昨日が仕事納め。
最終日は進路関係ではなく、美術の授業作品の展示。

なんせ、数が多いので、でも出来上がった作品を全部、きちんと見たい!
という気持ちが勝って、お弁当持ちで出勤しました。



朝10時前から昼食を挟んで、3時まで。

下駄箱の上や廊下に机を並べて、


 


後ろのロッカーにも。

  
  

なんとか、完成品は全員展示完了。

29年後に同年代の15歳の子どもたちにメッセージを贈るとしたら
と言うコンセプトでテーマはそれぞれ考えました。

今生きている現代の状況を考えて何を伝えたいか立体モニュメントで表現しようと。

直径15㎝のプラスチック球体は一昨年はこの中にガチャポンを制作しました。
関空で外国から日本を訪れた人に最後のお土産として、小銭が余ったら「日本の良さをフィギュアで表現する。」でした。

たった2年で変わってしまった主題。

でも今回、タイムカプセルという形で取り上げて良かったと思います。
娘に写真を送ると「スノードームみたいね。」という返事。
そうだ、「未来の子どもたちに贈るスノードーム」という題罪名でもよかったかなと思います。



  

立体を制作する上で大変なのは、制作途中の管理。
この球体は制作途中も管理がとても便利。重ねて、段ボールに入れられるから。
でも紙粘土の沢山使う作品は冬場凄ーく水滴が中にできるということが難点かな?
小さな穴は開いているんだけど。密閉しないように少し隙間を開けたり、布で拭いたりしたけど、、、。






今年の学年文化祭

2021-10-30 19:02:16 | 美術教育
このコロナ禍

秋の文化祭は何んとか展示制作はできそうだということで、美術科の授業で取り組んだことを活かしてと考えた。

1学期から当然準備した。

マイシンボルマークを制作したので、それでまずシルクスクリーンでランチョンマットを制作した。
その下描きのコピーを保存していおいて、それぞれ、画用紙に印刷した物を10枚ずつ分担した。
クラスで一文字漢字を選び、その部分は反対色で塗る。
最後に大きな台紙に貼り付けるとその漢字が浮かびあがる。

漢字一文字を選ぶのもクラスで1時間話し合いがもたれた。

体育大会でクラスの色団が決まっているので文字にあたるところはその色で背景にはその反対色をということで。
クラスごとの色モザイクのように制作する。

10枚の画用紙に印刷したカードの着色技法は全部同じでなく、自分のマークと背景に明度差を出すこととした。
マジックや色紙、色鉛筆、絵具、コラージュなど多様な作業をする。

途中はこんな感じ。




クレパスを使った生徒は太すぎて失敗していたが、指でこすったりして上手く使っている生徒もいた。
スパンコールを貼っている生徒もいた。

説明から制作、クラスの貼り合わせまで計5時間。

コロナがどうなるかわからなかったので、自宅に持ち帰ってそれぞれができる作業を考えた。
一人何枚にするか。クラスの大きさはどれくらいにするか。そこはすごく悩んだ。
こんな作業は早く終われせようと思えば2時間くらいですぐにでも終わる。
そこんとこを上手く担任が調整してくれた。

生徒の作業の時間を刻むのはとても重要。
何でもむやみに時間をだらだら掛けたらいいのものでもない。

私は個人的にモザイクアートが大嫌いだ。
機械のように割り当てられたマス目をひたすら塗りつぶしていく。

今回は自分のマークを塗るし、クラスでの貼り合わせでは一気に文字が浮かびあがる。


6クラス繋いで学年の連帯も表現できる。

クラスの下に授業で制作したマークをパウチをかけて名前を表示して掲示した。
パッチワークキルトのように表情があるのがいい。多様性と統一感。

美術科の学びを生かした文化祭制作になったと思う。

大阪市近代美術館準備室所蔵品展 ~初めての美術館鑑賞~

2021-08-18 06:15:14 | 美術教育
以前ここで「滋賀県立近代美術館」のジュニアセルフガイドに触れたが、
私がこのセルフガイドを参考に(というか真似して)学校で実施した美術鑑賞会

もう来年の春にリタイアなので少しずつ過去のやってきたこともアップしていこうと思った。
失敗も含めて。(失敗だらけだけど)

昨日から出勤。職場のファイルを探ると出てきました。
いつも年度替わりには自分のやったことがどうにも中途半端であまりにひどくて色々な資料を残しておくことが恥ずかしくて
たいがいの資料はうっちゃってきたが、この20年前にやったワークシートは奇跡的に意識的に残してあった。


題からしてこっぱずかしいがでもかなり気合を入れて作った。
途中切り貼りもしてるが、Wordを駆使してカットなんかも入れている。







今から思えば、美術展に展示されている作品なんか何もしかけがなければ(例えば好きな作品を一つだけ選びなさいとかでも)子供たちはささっ―と観て終わりである。
そこにどんな仕掛けをしてじっくり観せるか。どの作品の前で立ち止まらるか。結構真剣に考えた。
あんまり作品に関する専門的な知識もなかったからよかったような気がする。(今でもないけど)

ネットで調べてみたら、大阪中之島美術館準備室、その当時は大阪市立近代美術館(仮称)となっていて色々な会場でかなり頻繁に所蔵品展が行われていた。
詳しくはこのサイトで
<a href="https://nakka-art.jp/exhibition-post-past/2000-2004/" >2000-2004 | 大阪中之島美術館

この展覧会は佐伯祐三の作品が中心のコレクション展だった(佐伯祐三は大阪市出身)のと展示されている作品が美術の教科書的なところがよかったのとATCは遠かったけれど、この時の学校は駅のすぐそばだったので良かった。
会場も割と広々とした、学年(たぶん2年生を連れて行ったと思う)3クラスをグループごとに鑑賞させるには時期も最適だった。



 

ワークシートの表紙に書いてある言葉

「ワークシートは、作品の見かたをクイズをときながらおぼえてゆく、楽しい問題集です。
 美術館には、たくさんの作品があります。その中からまず、ワークシートにのっている問題の作品を、さがし出してください。
 それから、問題を読み、作品をよく見て、よく考えてください。
 ほかの人とそうだんしてもいいけれど、自分の思ったとおりの答えを書いてくださいね。正解は、学校へ帰ってから渡します。
 でも、正しい答えはこれひとつだけ、とはかぎりません。美術作品の見かたや、感じかたは、人によって少しずつちがいます。
 ですから渡された答えは、あなただけの答えを見つけ出すための、ヒントだと思ってください。あなただけの見かたや感じかた
 を、あなたはみつけることができるかな?
 さあ、はじめよう。」

これは当然、私が一から考えた言葉ではなく、まさに滋賀県立近代美術館のジュニアセルフガイドからほぼそのままの文章です。

このジュニアセルフガイドを真似て色々と設問や解説を考えた。
作品をじっくり観るしかけとしてクイズを一部分設定するのは今の他のジュニアセルフガイドにもよくあります。
私がこの時、作ったワークシートはクイズが多く、観て具体的に答えられるようにして、考えて自由に書く部分は少ないですね。
この時はワンセクション10分で回らせたので時間がなかったのと、「自由に感じて鑑賞する。」という観点が私に欠けていたせいだと
思います。

学年の先生にも協力してもらい、コレクション展じたいが良かったのでまあ、何とか形にはなりました。

この大阪市立近代美術館(仮称)もかつての出光美術館の場所を借り、建設が頓挫してしまうかと思いきや
やっと中之島に誕生します。
感無量です。