遊びをせんとや

毎日できるだけアンテナを張って
おもしろがりながら楽しみたい。
人は「遊びをせんとや生まれけん」です。

赤江瀑の「平成」歌舞伎入門 乙女のための歌舞伎手帖

2025-01-17 07:26:57 | ブックリスト
近藤史恵さんの本を読んだのをきっかけに数珠繋ぎに歌舞伎関連本を図書館で検索する。
こういう本がまず、見つかった。

結構オタクなビジュアル。
ムック本のような。
初心者に向けて歌舞伎にいざなうみたいな。
紗久楽さわさんのカットと言うか漫画というかすごくハードルを下げてくれる。
掲載されている歌舞伎エッセイは谷崎潤一郎や江戸川乱歩まである。
その中で近藤史恵さんが中学校の時から赤江瀑さんの本に導かれて歌舞伎を観始めたとあった。
その次に皆川博子さんも赤江瀑さんの本が歌舞伎にのめり込んだきっかけであったと。
衝撃!私も大学入学前に赤江瀑さんの小説から歌舞伎にのめり込んでいったのである。
私と同じように赤江さんに導かれて歌舞伎沼にはまっていた人がいるんだ!
それも名を成す小説家になられている。これは衝撃だった。

そこから、赤江瀑さんの「赤江瀑の「平成」歌舞伎入門」の本に行きあたるのである。

図書館で予約するとすぐに借りることができた。

「平成」と言う時代。私が子育てに翻弄されていた真っただ中で歌舞伎鑑賞の空白期である。(すごくえらそうな言い方)
平成4年くらいからこのブログで歌舞伎のカテゴリーで遡ってみると平成25年くらいまでまともに歌舞伎を観ていない。
まさにその間の歌舞伎の入門書と言う形にの歌舞伎評論、役者評論である。

さすがに専門家ではないから、ネット書評にも上がっていたが、関西歌舞伎の「仁左衛門の息子孝太郎、千之助」とあったが、千之助は孝太郎の息子だから孫であるなどの間違いはあったが、私にはとても感慨深いものがあった。
赤江さんはずっと山口県に暮らしてはったので、やはり、東京の舞台が中心になるのだろうなと思ったが。

歌舞伎の発祥の部分を述べた第一の章 歌舞伎の正体 27ページにこういう文章がある。
 それは、この芸能の本質的な強さです。あとでも述べることになりますが、この芸能がよって立つ土壌の強靭さです。野に生まれ、生まれながらに単独で、その野に育って行くことだけがを覚え、身につけてきた芸能です。踏まれようが、蹴られようが、叩かれようが、殺されようが、生き残って行くのです。生き残って行ける手を案出するのです。この芸能の身体に、それは野が教え込んだ生存しつづけることへのしぶとさとでも言えるでしょうか。

江戸時代に政府からの弾圧を受けて変遷を遂げながらこの令和の時代まで生き延びた日本の芸能の様にピッタリの表現だと感心した。
だから、その底にマグマのように秘められたエネルギーが私たちを引き付けるのである。

それと、仁左衛門を評した部分110ページ
(略)もっと驚くべきことは、この立役の熟成ぶりに、いささかの汚れや濁りのカスミもかからなず、サァーッと一陣匂うような春風に洗いあげれらでもしたかのような清爽感が、いまだに消えずに、この人の身体にも、芸風にも、あるということです。
 芸能の世界で暮らす歳月には、役者の身体、顔といわず、言うに言えない、なにものとも知れぬ汚染が、どこといって指し示されはしなくても眼に見えなく出てくるこのです。
 それがこの人にはありません。そういうものを寄せつけない、洗いさらした白地が匂いたつように映え映えしさが、役者ぶりの基本にあります。(後略)



そうだったんだ、そうやね、仁左衛門の魅力は成熟の中の清潔感なのよね。これほど、言い表した文章はない。

ということで、久しぶりに歌舞伎評論を楽しんで読んだ。この人の歌舞伎神髄の解釈が近藤史恵さんや皆川博子さん、私を引き付けたなんだろうな。

昨日の晩御飯はしめ鯖、大根おろし。久しぶりにひよこ豆を人参、しいたけ、ひじきと炊いて。白菜、厚揚げの煮物。

早寝しました。





歌舞伎座の怪紳士 タルトタタンの夢 近藤史恵著

2025-01-08 08:23:23 | ブックリスト
読む本は全て図書館で予約を入れて借りる。
予約を入れる段も人気でなかなか順番が回ってこないどうしても読みたい本とこれならと言う本ですぐに回ってくる本を混ぜて予約を入れないと読む本がなくなる。
時間だけはたっぷりあるのと、私は読むのが早いので、普通の厚さの文庫本ならほぼ1日で読んでしまう。面白ければ猶更。

この年末、年始は読む本が枯渇した。おまけに風邪をひいて出かけることもできない。こたつでじっとしていないと治るものも治らない。以前に、近藤史恵さんの「タルト・・タタンの夢」がどこかの雑誌で取り上げられていたので、借りてみた。


画像お借りしました。
西島秀俊主演でドラマ化もされたフレンチビストロのしゃれた推理小説っぽい短編集。
よくできた話で面白かった。出て来るお料理もしゃれていて楽しめた。

そこでこれも借りてみた。

歌舞伎座の怪紳士
近藤さんは大阪府出身。歌舞伎にも造詣が深く、大学時代は研究されていたそうだ。
家に引きこもっている女の子の再生の物語を歌舞伎鑑賞だけではなく、オペラやスレートプレイの演劇を交えて描いていく。
それぞれ色々事件も起こる推理物でもある。
出て来る人物が絡み合いながら、現代の悩みや生き方の深いものも感じる。
よくできたお話である。すごく楽しめた。
歌舞伎座で上演される歌舞伎が主な物なので、その演目も興味深い。
ということでやっと読書ライフが再開された次第だ。

昨日の晩御飯はスーパーにはお正月が終わるとお頭付きがずらり。安いレンコ鯛も出てきた。お正月に食べた鯛が美味しかったのでまずは切り身の皮に片栗粉を付けてパリッと焼くという辻仁成レシピで。あんまり焼き過ぎないのがコツ。カボチャ、マッシュルーム。
サニーレタス、トマト、セロリのサラダ。玉ねぎ、大根葉のお吸い物。

義民が駆ける 藤沢周平著

2024-12-11 06:29:48 | ブックリスト
酒田に行って、庄内藩主の酒井氏が200年の支配をしている庄内地域から、天保11年西暦1840年に三方国替えを命じられるてそれを回避したとういことを知った。
北前船で賑わい、豊かなコメ所を抱えた庄内藩は度重なる飢饉にも一人の餓死者も出さなかったという。
転封させられる地は長岡藩。そして転封してくるのは川越藩松平家。
石高以上の貧しさで懐具合は三分の一ほどになる。
川越藩主松平家が十一代将軍の家斉の子供を養子に迎えたために藩主が豊かな庄内藩に転封を家斉を通じてねじ込んだようだ。
そこに時の老中水野忠邦が絡む。
そして酒田の豪商本間家、庄内江戸藩邸の武士、江戸の遠山の金さんの向こうを張る江戸町奉行も重要な役割を担う。
まさに江戸末期の百姓、大名、商人、幕閣、入り乱れての静かな大戦の記録である。

せっかく庄内地方に旅したのだからその「天保義民事件」の詳細を知りたかった。
当地出身の藤沢周平の小説があるのを見つけた。

でも、これ、小説というよりは細かい記録の読み下し文のような作品であった。
計画的な静かな駕籠訴、映画大脱走のような少人数に分かれての藩から江戸への命がけの旅。
その時代の百姓の次の日が同じように来るように薄氷を踏む思いでそれぞれの立場で考えて模索した結果。
タイミングがいいというかこれこそ運というか、最後には異例の三方国替え取りやめとなる。
幕府の威信にかけても実行するべく画策した水野忠邦はこの後、調べてみると賄賂と領民に対する圧政でかなり恨まれたらしい。

そして幕末へなだれ込んでいく。

そんな時代にいかに血を流さずに今の生活を維持するか、相談しながら動いた庄内藩の百姓、商人、国元、江戸藩邸の武士のナイスチームプレーが心地よい。大正時代に藩主が良かったからという感じに話が捻じ曲げられたらしい。確かに酒井忠器は賢い人であったが、それだけで成り立った作戦ではない。

昨日の晩御飯は久しぶりにパスタが食べたくなって、牡蠣、シラスのペスカトーレ。

サニーレタス、セロリのシンプルサラダ。

いただいたお豆のパスタだが、これが美味しい。





現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた 大滝ジュンコ著

2024-11-30 07:22:21 | ブックリスト
図書館に予約を入れていると最近、上手い具合にいろんなジャンルの本がタイミングよく読めるようになってきた。
本当にいい制度だ。
この本は話題になっていたが、貸し出し期限が迫っている本があって、なかなか読み進められなかった。
すっと頭に入ってこなかったが、途中から俄然面白くなった。

大滝ジュンコさん。
村上市山熊田在住。
えっ?村上やん。行ったとこやん。なんと偶然。
羽越しな布と織っている方である。

本中にあるように「新潟は南北に長い。海沿いと山沿いも天気が違う。」をまるで先日の旅行で実感した。
村上城址の「熊出ます。」の看板を思いだした。

新潟の雪深い山中のマタギの嫁になり、山からの自然を生きるために取り入れ、長年脈々と受け継がれた超サスティナブルな生活。
それを絶大な好奇心で体験していく大滝さんの柔軟さとパワフルさで面白く読めた。

組合という強欲な組織に搾取されながら、ほそぼそと続いていた羽越しな布。その機織りの技術を継承しながらきちんとビジネスとして成り立たせるために柔軟に行動する姿や田んぼの田植えの方法を姑さんとバトルしながら合理的に変えて行く姿はたくましい。

マタギ軍団が山で熊を囲いながら猟をする男たちの光景もすさまじい。

日本は本来自然と上手く共存していった国なんだなとつくづく感じた。
北海道の熊と猟師の問題も悩ましい。

昨日の晩御飯はぷりぷりの鰯のフライ。キャベツの千切り。ほうれん草の胡麻和え。大根、人参、玉ねぎ、シイタケ、里芋の具沢山味噌汁。

寒くなるとまるで民宿のご飯みたいになるなー。

最近読んだ本

2024-11-23 07:20:13 | ブックリスト
新聞の書評欄を観て、すぐに図書館に予約を入れるとすでに5人待ちとかざらである。
2人とかはラッキー。
図書館がいまだ購入していない本で購入予定の本でさえである。
ちょっと慣れてきて、読みたい本の予約待ちの多数の物をすぐに借りれそうな物をミックスで15冊マックス予約を入れておくと
五月雨式に借りれるようになってきた。

かなり待って読んだ本

夜明けのはざま 町田その子著
この人の本はかなり読んだが、今回は葬儀社に勤める30代初めの女性が主人公
親友の結婚式、そしてもう一人の親友の葬儀を執り行ったことから物語が始まる。
死にまつわる話なので「暗いかも。」と思いながら、読み進むうちにさすが、町田さん、希望の見えるラストだった。
読後感爽やか。あんまり書くとネタバレになるので(もうすでになっているかも)。



がらっと変わって、こちらは「最後に、絵を語る。 奇想の美術史家の特別講義」辻惟雄著
これがいたって面白かった。歴史の文化史の勉強をしている時に江戸時代、狩野派から京都円山派、四条派という言葉の起源はそういうことだったのね。とか、与謝蕪村は俳人としてしか理解してなかったり。狩野派の戦国時代からの生き残り術、長谷川等伯の絡み、異能と言われた伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪。ここ10年ほどで作品も実際観て、画家を取り上げた小説や論説を読んで、そこらあたりの面白さを作品と共に自分なりに理解できた。阿部龍太郎著「等伯」澤田瞳子著「若冲」なんかを夢中で読んだ。同時に若冲や等伯の実作品もかなり集中して観た。
西條奈加著「ごんたくれ」で応挙、蕭白、蘆雪の人生を知り、香住の大乗寺の襖絵も観に行った。

巻末の山下裕之の対談も興味深い。


「「能力」の生きづらさをほぐす」勅使川原真衣著
私たちが教師として、「伸ばすべく」の「能力」。実態のない「能力」についての考察を実体験の中から解説する。
作者の恩師として苅谷剛彦の名前があがっていたのでやっぱりなと思った。

というわけでジャンルバラバラながら本当に読みたい本だったので待ったかいがあったと言う物である。
私は読むのが結構早いので二週間という貸し出し期間を過ぎることはない。そして、次の予約が入っている本は読み割るとすぐに返却するようにしている。待っている人がいるのだから。
充実の読書ライフである。

昨日の晩御飯は久しぶりの豚カツ。高くなったキャベツを4分の1だけ買い、千切り、サニーレタス、オクラ。白菜、しいたけ、長ネギ、セロリの葉、ワカメのお味噌汁。オリオンビールが美味しかった。

目の見えない白鳥さんとアートを見にいく 川内有緒著

2024-11-06 07:07:34 | ブックリスト
ずっと以前に図書館で予約を入れていたら、なかなか来なくて諦めてた本

目の見えない白鳥さんとアートを見にいく 川内有緒著
15冊の予約枠が空いたので再度予約を入れると今度はすぐに確保済みになった。

読んでみるとこれが面白い、そして深い。
最初は目の見えない人がどうやって鑑賞するのだろうと思っていたが、これは人間の根源の問題だなと考えさせられた。
福祉や障碍者のことや、人間の接し方や存在の仕方の根源的な問いが各所に散りばめられている。

当然、私がやってきた鑑賞教育にもまつわる話が多い。
対話型鑑賞の最たるものかも。
全く先入観を持たずに作品に接する。
あとで解説を読む。
当たらずも遠からずの作者の意図を感じたりするし、違うかってもいい。
見たそれぞれが捉える物だから。
でも作品の前で語り倒すので他の鑑賞者が適度にいる場合は大変かな。
私はどちらかと言うと静かに一人で作品を観たい派なので、、、。
現代美術はいいかも。

結局最後は「一緒に笑っていたいんだね。」そこに尽きるかな。
人間関係、人間存在、人間社会の基本。

作者や白鳥さん含めて出て来る人がとても素敵。
今までの経歴が個性的で人生譚として読んでも面白い。

昨日の晩御飯は実家から持ち帰った豚カツ肉4枚に衣をつけて、実家で揚げて、また家に帰って揚げての日。
レタス、トマト。しいたけ、シメジ、青梗菜の中華スープ。


最近の読書

2024-10-28 07:38:09 | ブックリスト
朝起きて大阪だけ維新が大勝していたのでびっくりした選挙結果。

図書館で予約した本がなかなか確保済みにならない。
辛抱強く待って、借りた本


椹野道流さん
軽快で元気のいい関西弁の文章は関西出身。兵庫県の芦屋市在住。やっぱり。
これは新聞の書評欄に掲載されていて、とても評判がよく、予約してからかなり待った。
待っただけあって、一日で読んでしまったくらい面白い。
椹野さんが若かりし頃、83歳のおばあ様を留学経験があるからとロンドンの旅のお供をする一週間の旅。
ゴージャスなホテルとその頃の日本人らしいゴージャスなお買い物やきれいな物やミュージカルを観、美味しい名物を食べる旅である。
おばあ様の子供たちすなわち椹野さんの叔父さん方がおぜん立てしたリッチなロンドンへの旅。
高齢なおばあ様をファーストクラスとは言え、12時間の飛行機を経て、異国へ連れて行くのは本当に大変だっただろうなと思う。
このおばあ様は題名にあるように、立派に優雅にお姫様のような振舞で旅を終始する。
ホテルのバトラーのティムがまた、いい感じで古き良き時代のホスピタリティを余すところなく発揮する。
これ、本当の話?ってくらいドラマチック。
このまま、二時間くらいのテレビドラマになりそう。ティムの役は村雨辰剛がピッタリかな?
でも双子だから、もう一人どうする?(あんまりネタバレになるのでこれ以上は書きませんが)
主役は、難しい。

調てみると、椹野道流さんはライトノベルやミステリーでかなり有名な作家。
しかもお医者様として教えたり、医療に従事されたりするマルチなお方。
後年、おばあ様は認知症になり、あまりの変わりように親しく会うのがためらわれた後悔がこの本の中にも述べられている。
ブログによると現在は、お母さまの介護も担ってはるようだ。

これも面白かった。しみじみ時代を感じながら読んだ島田雅彦「時々、慈父になる」

これは介護関係ブログで「いいね」を押してくださるhibinouturoiさんがブログで取り上げてはったので借りて読んでみた。
島田雅彦、雑文は時々読むが、がっつりあんまり読んだことはないけれど、面白かった。
息子を育てながら、本も描きまくる天才作家の後半生の日常。
芥川賞の候補に6回もなりながら、受賞に至らず、芥川賞選考委員に選ばれたという奇特な存在。
そんな人いる?と思って調べたら、いました山田詠美。なるほど。
文中に「だれが一番受賞に反対したのか?」の問に答えた編集者が「開高健と安岡章太郎」と言う答えだというのが凄かった。
怖い。

もう一冊

桜木柴乃さんの「谷から来た女」
アイヌ出身の女性芸術家のお話。時間が前後しながら桜木さんらしい語り口でクールに語られる女の人生。
いい読後感が残った。

昨日の晩御飯は、久しぶりにランプ肉のステーキ。いつもより100g300円も安かったのでびっくり。

カボチャのバターソテー、マッシュポテト。人参、玉ねぎ、セロリ、マッシュルーム、豚肉のスープ。サニーレタス、セロリ、トマトのサラダ。私にはジャスト100gのステーキたちょうど良かった。



六〇代は、きものに誘われて 三砂ちずる

2024-09-12 07:27:34 | ブックリスト
三砂ちずるさんは以前からたつるん(内田樹)と共著や「自分と他人の許し方、あるいは愛し方」を読んで知っていたし、好きだった。
以前の記事はこちら

自分と他人の許し方、あるいは愛し方 ~令和還暦の名言~ - 遊びをせんとや

三砂ちづるさんの「自分と他人の許し方、あるいは愛し方」を読む。たつるんのブログに宣伝が出てた。ミシマ社の本一気読み。始めてこの方の本を読んだんだけど私と同じ年の...

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2020年の記事だった。そうか、4年も前か。

この時、疫学者である三砂さんは日常で必ず着物を着てはると言うのを知った。
そして、この本が出た。

是非、読みたい。図書館ですぐに予約を入れたので確保待ち3位だったが、私の手元に来るまで1ヵ月半かかった。

三砂ちずるさんは私と全く同じ歳。
なぜ、着物に魅せられたかを語っている着物愛本である。
さすがに、身体の感覚の専門家であるから、いかに日本の気候に着物が合っているかを熱く語っている。
結婚の時に着物を沢山作ってもらう環境ではなく、譲ってもらったり、そしてやっぱりオークションやネットでリサイクルの着物を安く手に入れてはる。着物を着る機会が多ければ多いほど、自然と着物が手元に集まってくるのも同じ。
さすがに、えり萬の半襟、道明の帯締めなどは値の張る物を愛用してはる。
でも仕立て直しも数えるほどで、生地から仕立てたのも少ないとのこと。やっぱり、膝を打った。
ネットで数あるうちから裄を基本に安く手に入れるというのが全く私と同じだ。
身幅や身丈はなんとでもなるというのが着物だ。昔から他の人に受け渡されるのを基本として作られ物だからだ。

それと、やはり夏着物に対する素晴らしさを語っていらっしゃった。
そうやんなー。わかるー。
紗合わせ(無双)の着物を6月5月(でした)に着てお嫁さんと銀座で食事したと言う話がすごく良かった。
紗合わせ(絽などの着物に絵を描いた物に紗を重ねてある袷)は7月6月(でした)に入るほんの手前、9月初めの夏の名残にほんの一時期着る着物だ。まだ私は手を出してない。でもだいたい、紗合わせはネットで見ると暗い色味が多いので私には似合わない。明るい紗合わせが見つかる待とう。来年ね。来年。

着付けに関して、伊達じめもしない、腰ひも一本で着る。とあったので、肌襦袢の紐をやめてみた。さすがに、長襦袢の伊達じめ、コーリンベルトをしないのは私にはハードルが高かったのでそれでも紐一本失くすとかなり楽になった。

三砂さんは40代から着物オンリーになられたベテランであるから教えられることが多い。
沖縄の布と着物に魅せられて、ついに沖縄に住まれるようだ。

昨日のお昼ご飯は

辻仁成レシピ、簡単カルボナーラ。前の晩に卵白を二個使ったので残った卵黄に生クリーム少し、スライスチーズ1枚を入れて、ベーコン、ニンニクを炒めて入れて、湯煎にして、最後にあんまり多くないパスタを投入。美味しかった。

晩御飯はアジの干物、大根おろし。キャベツの浅漬け。ゴボウ、人参、蓮根、糸コン、薄揚げの煮物。ブロッコリ、モズク、シラスの酢の物。シイタケ、ニラのお味噌汁。旅館の朝ご飯シリーズ。



スイマーズ ジュリー・オオツカ著

2024-08-29 06:51:55 | ブックリスト
台風も来そうで、少し涼しくはなったが、湿度は高い。
先週末からなんだか左耳の下がちりちり痛い。
忙しくて、様子をみてたら、治らないので、週明けに耳鼻科に行ってみる。
汚い話で申し訳ないが、すごく耳垢が溜まっていて、耳掃除もしてもらった。
私、正直、耳垢が自分で上手く取れないのである。
何年か前に夏に忙しく、シャワーの水が耳に入って、それで一度詰まってしまって、東京で耳鼻科に行き、驚かれるくらい詰まっていたことがあった。
中耳炎ではないとのことで、様子をみることになった。
痛み止めはそんなに痛くはないので、飲まないことにする。
夜は痛いのだが、次に日の日中は痛みはピタッと止まった。
あまりの暑さで夏バテかな?

ちょっとやる気をだして、朝早い時間に理事会の仕事
買い物
午後からは、娘に作ったブラウスを送りに郵便局まで
レターパックで送るのが安くて確実だと教えてもらい、レターパックライトで送る。
送料370円。台風で普通郵便は遅れるだろうとのこと。なるほど。
親切な郵便局員さんでよかった。

少し前に図書館で借りた本
スイマーズ
ジュリー・オオツカ著


作者はアメリカに移住した工学技士の日本人の父と日系二世の母のとの間に生まれた。

三人称で進められる。プールに通う様々な人達の状況。
二人称で語られる母の状況。
そして、また三人称。
という、事実を淡々と書かれる文章は読んでいくうちに、集中力のなさと読解力のなさで「?」という部分も正直あったけれど、自分がプールの水に浮かんでいるような不思議な浮遊感があった。

昨日の晩御飯は、焼き鮭、カボチャのバター焼き。大根おろし。つるむらさきの胡麻和え。サニーレタス、セロリ、オクラのサラダ。
人参、玉ねぎ、シイタケのお味噌汁。


台風、大きく西へ逸れるように。


黒牢城 米澤穂信 

2024-07-12 07:10:07 | ブックリスト
この本も新聞の書評欄に載っていた。
文庫化されたみたいだ。
さっそく図書館で予約。ハードカバーで16冊のあったのですぐに来た。

黒牢城 米澤穂信著
直木賞受賞

もともと、荒木村重に興味があった。
部下と妻を置いて著道具を持って逃げ出し、結果、息子を見捨て、毛利家へ逃亡し、尾道に潜伏する。
再度茶人として舞い戻り、復活する。なんとも不思議な人物だと思っていた。
あの時代に賢かく立ち回ったのか、本当に無慈悲だったのか。息子の一人は岩佐又兵衛という天才画家になっている。
改めてウイキなどを読んでみると、毛利家に救援をあおぐために有岡城を出たようだ。

織田信長に反旗を翻した村重を説得するために、秀吉によって送り込まれた黒田官兵衛(その頃は小寺孝隆)を一年に渡って土牢に閉じ込めることになる。籠城した、その一年の間に様々な事件が起こる。その事件をミステリー仕立てに描いたのが、この「黒牢城」だ。驚くほどに史実を上手く使い、説得力がある。上質な歴史ミステリーである。
官兵衛と村重がまるで探偵のように事件を暴いていくが、最後に意外な結末となる。

もう一人興味があるのが本能寺の変から逃れた織田信長の弟、織田有楽斎。
彼も後に茶人として復活する。

乱世を生き抜き、諦めずに茶人として最後を迎えた、この二人の人物にとても興味がある。
柔軟性があるのか、賢く立ち回ったのか、はたまた大人物だったのか、、、。
今度は織田有楽斎の小説を読んでみようと予約を入れた。


昨日の晩御飯はがっつり肉が食べたくなったのでスペアリブ。レタス、オクラ、焼きズッキーニ、ピーマン、なすび、かぼちゃ。
しいたけ、玉ねぎのお汁。

夏野菜が出盛ってきたので、少し野菜の値が下がって楽しみ。