遊びをせんとや

毎日できるだけアンテナを張って
おもしろがりながら楽しみたい。
人は「遊びをせんとや生まれけん」です。

文楽鑑賞教室 ~Japanを知ろう その①~

2014-06-26 07:11:50 | 仕事
学校を上げて文楽鑑賞教室に参加することになった。

国立文楽劇場に観に行く「文楽」と学校に来て上演してくれる「歌舞伎」

両方とも無料になったので申し込んだ。

今年から45万円の費用が出なくなったので、芸術鑑賞は生徒費を集めてやるか
こういう無料のものを利用する。

「文楽」

はて、困った。どうやって当日まで興味を掻き立てることをしていけばいいか。
事前指導。聞こえはいいが、興味づけ、動機付けである。


なんでわざわざ、足を運んでというところに一応いくつか球を投げ込んでおく。
または、種を植えておく。


ということで

まず

第一段階  道徳の副教材で「明日を生きる」の1年生に「文楽修行」という
中学生の時に文楽を観て、義太夫の声に感動し、弟子入りした若者のお話が掲載されている。

これを朝読書の時間などに読む。

第二段階  送られてきたプログラム冊子の中のストーリーを追った漫画を読む

第三段階  前日に全校体育館でパワーポイントを使っての事前授業。

ここで趣向を凝らして4時間授業に仕立て上げる。

といっても10分ずつの説明。

まずは、学活。当日の全体の流れを教務主任が説明。

社会科の先生に歴史を

国語科の先生にストーリーを。

音楽科の先生に三味線と義太夫を。

そして私が劇場内部の装飾と背景、全体を。

映像なり動画なりを短時間に組み込んでの説明者もテンポのある解説を心がけた。

この時、使用した素敵なデスクトップ用の背景。



                   


        


   




        



     

これで一機にオシャレ度が増した。

こういう時、美術の力はとても重要だと思った。


ということで当日は冊子に簡単な質問形式ワークシートを貼り付けて答えていく形。

最後まであきらめずに「いいものを」と一応頑張りました。






ボストンの北斎

2014-06-23 07:12:41 | 美術
展覧会続きで。

先週の土曜日に最終日間近の神戸市立博物館の「北斎展」に行ってきた。

                

北斎の初期から晩年までの作品をこれだけ網羅しているのが日本ではなく、アメリカの
美術館だということが何とも複雑だ。

去年、東京三菱一号館で観た北斎より状態のいい版画だった。

北斎の風景はもとより人物、花鳥、貪欲なまでの探求心に恐れ入ったのは当たり前だが
その目の付け所がすごい。

             

やはり富岳三十六景の構図が圧倒的だが、滝シリーズも斬新で素敵だった。






                    

何気ない風景や人間の営みに暖かいまなざしを向けていた北斎らしい作品だ。

清冽な瀑布のそばの岸壁の上で弁当を広げる人々。その傍には簡易の囲炉裏が組んであり
小鍋がかかっていた。何を炊いているのだろう。きっと湯豆腐でも煮立っているのかな?
今でいうバーベキューだ。


 


きっと新緑の美しさやさわやかさに一時江戸の人たちは楽しんだのだろう。


日本の大胆な風景の切り取り方や人物のユーモラスな描き方に西欧の人たちは
驚いたのだろう。

日本のデザインの良さが明治以降は先に他国で評価され、後で日本に受け入れられるとは。
皮肉なものです。

でもこれが早くに海外に流出したために関東大震災や太平洋戦争に被害をこうむらなかったのは不幸中の幸い。
ゴッホも陶器を包んだ紙が浮世絵だったのは驚いただろう。

開館とともに入館したくさんの人ながらじっくり観てでてきたら60分待ちだった。



日本のデザインの力 ~高橋秀の展覧会~

2014-06-22 14:31:35 | 美術
連休以来、とても忙しかった。

生まれて初めての公開授業をしたり、文楽の鑑賞教室の取り組みをしたり、、、。

そんな中でも休みにはできるだけ自分の美意識を鍛えるべく美術館やら
劇場に足を運んだ。

昨今、風は日本美術に吹いていると思う。

先週の土曜日、午後からは京都南座の玉三郎の地唄舞。

午前中に我が家のコルクボードを眺むれば、可能性のあるのは
京都市美術館の「高橋秀」と向いの近代美術館の「上村松篁」の展覧会

方や油の大賞「安井賞」を30代初めに獲得した油画家と天才的な美人画の母親を持ち
自宅に鳥舎を構えるほど動物好きの日本画家

どちらも与えられた立場に満足せず、常に未知の絵の世界を探求した人だ。


初めて高橋秀を観たと思ったが意外にいろんな所で目にしているもんだ。

かつての美術の教科書の表紙にもなっていた。
旅行で訪れた福山市立美術館の庭にも斬新なモニュメントがあった。



緑の中の鮮やかなモニュメント。

そうなんだあの人なんだ。

40年間のイタリア生活を終え、日本に帰ってきてからの作品は圧倒される。

やっぱりこの人も惹かれるのは琳派を彷彿とさせる日本のデザインなんだ。

  


新しくてモダン。大胆にして繊細。



日本人のDNAの中に脈々と流れるデザインの力。

                 

清廉で艶っぽい。

この巨大な木製フレームも変形フレームも全てご本人の手作りというのが恐れ入る。
弟子が作るとか発注するわけでもなく、きちんと最初から作者が作るというのがいい。
絵画であって物づくり工芸分野も多少含んでいるんだ。

そんな事を気づかせてくれる展覧会だった。