遊びをせんとや

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生き方としての進路学習 ~そして私も改めて考えたこと~

2022-06-17 06:12:30 | 進路
3年生の進路学習で15分間だけしゃべらせてもらった。
この時期の進路学習はこれからいかに進路を決定してくかのスケジュールと入試のシステム
心構えなどが主な内容となる。

私がやってきたこの6月の進路学習の講話は始めに少し生き方そのものの話を入れる。

1年生から進路学習としてやってきた総まとめだ。
それを15分で話すのは無謀だが、これでいけると踏んだ。

最初のアイヒマン裁判の話をする。
先週、アイヒマン裁判を取り上げるためにAmazonprimeで観た映画「アイヒマンショー」

画像はネットからお借りしました。
1960年にイスラエルの首都エルサレムで行われた裁判の中継をテレビで放映したプロデューサーと監督の話である。

プロデューサーをテレビのシャーロック・ホームズシリーズに出演していたマーティン・フリーマン
監督はアンソニー・ラパーリア お二人とも好演でした。
見ごたえありました。

改めてびっくりしたのは1960年のこの裁判が行われるまでホロコーストの実態はあまり世間に知られていなかったようだ。
あまりに実態がひどすぎてありえない話とされていたようだ。
実際のホロコーストの記録映像も流されて信じられないほど酷かった。

この大量虐殺の具体的な計画を立てたアドルフ・アイヒマンが無罪か有罪かと生徒に問いかけた。

次にその裁判を観たドイツ哲学者ハンナ・アーレントの話もした。
「凡庸の悪」こういう状態はこの時だけでなくいつでもどこでも起こりうると。

そして、オードリー・タンの話。
IQ160越えの彼の能力をどのように使ったかと。

最後に「ノブレス・オブリージュ」の話。
権力や富を持っている者は責任がある。
世界で調査した寄付額・ボランティア参加・支援活動の3つの項目から測った日本の社会貢献指数は114か国中最下位だったと。
自分の能力をどのように社会で生かしますか?考えて欲しいと呼びかけて終わった。

聞いていた先生方は「生徒には難しい。」と言われたが、、、。

1日経って同学年の同僚に「先生の話を聞いて吹っ切れました。自分が今しんどいことを容易に逃げるんじゃなくてもっと大局で見ます。何を小さな事で悩んでいたんやと思って。前向きになれました。」と言われた。

ということで何らかのお役には立てたようだ。
こういう言葉は正直嬉しい。

私もお金が一杯あって、やりたい事がやれてそれで満足かと言われたら何だかモヤモヤしていた。
当然、お金は一杯ないけど。

ささやかながら今少しは誰かのお役に立っているという実感はある。
その実感を大切にしていく感覚はなくしてはいけないと改めて思った。





進路とコロナ

2022-01-22 17:22:45 | 進路
私立高校出願真っ最中である。

進路担当としては早い目に予想して年度当初から出願は郵送と決めていた。

寒い時期こうなると踏んでいた。

昨年は急なコロナ拡大だったので
願書ともども学校が一括で郵送したが、、、。
プレッシャー半端なかった。

今年は自覚を促すためにも各自郵送。
個人報告書は学校郵送とした。

コロナ急拡大に伴って急遽郵送にするのは避けたかった。
担任の先生も頑張ってくれて、それぞれ封筒宛名書きなど指導してくれた。

結果良かったと思っている。
一番コロナが拡大している時に一斉出願はありえない。

一番心配は2月の私立入試本番である。
幸い、昨年は一人も罹患しなかったが、、、。

今年はそういうわけにはいかないだろうと今から身構えている。

子どもたちの努力が報われるように
祈るばかりだ。


進路学習  ~達人に学ぼう~

2021-10-17 19:39:32 | 進路
コロナの関係で進路学習の2年生の柱、「職場体験学習」の実施が困難になって2年目。
昨年は「職業ワークショップ」と名打って6人の豪華な講師陣を招いて教室でワークショップ型の授業を行った。

詳しくは言えないが信じられないくらい豪華なメンバーだった。
学年を半分に分けて、半分は体育館で講演を聞くというパターンにした。

今年は色々考えることがあって、学年半分ずつ3回に分けて1時間の体育館でのワークショップ型に変えた。

最初は作業療法士さん
2番目は新聞記者さん
3番目は地元の保育士さんお二人

ということで時期も分けて実施する。

コロナ禍の中で「できないことはできない」と早い目に決断をする。
その代わり、規制の中でできることは最大限探す。工夫する。

今回もすごく準備まで手間取ったが、もうこの辺は適当でと思った時期もあった。
けれど、講師の方々とのやり取りに中でギリギリまで諦めたくないと思った。
というか早い目に準備しとけや自分ということである。

最初の講師の方も2~3日前にも関わらず、「面白いですね。」とメールでのお返事をいただいた。
これがかなり勇気づけられた。

当日、時間の刻みが一番気になった。
だって、やったことないんだから。
なんとか最後のインタビューでしのいだ。
同じインタビュー型ワークショップを2時間するので次の時間は少し余裕ができた。

生徒に投げかけたロールプレイの中にキラリと光る言葉が出る。
やはり生徒は裏切らない。

昔小学校の自習の時間に班ごとに紙芝居をするからある単元の絵を描けという課題が出た。
たぶん「裸の王様」だったと思う。違うかもしれないけど童話だった。

みんなほとんど挿絵に出てくる絵を真似して描いた。
でも私はあまのじゃくだから出てこない部分を自分の創作で描いた。

そしてどうにか紙芝居に仕立ててやりおおせた。
その時少し褒められたかな?

何らかの事情で規制が掛けられた範囲内で精一杯の工夫をする。
そのことは大切だと思う。

今週末の花
スーパーの紫のトルコ桔梗が美しい。


本日の晩御飯
昨日のあまりもので。



進路説明会 ~将来について考える~

2019-06-22 08:07:33 | 進路
6月いっぱい取り掛かっていたのは進路説明会の資料作り

パワーポイント制作

すでに業者に任せている「進路の手引き」という冊子があるので、一応の流れはこれを一読してもらうとわかる。

生徒と保護者、今年の3年生は170名くらいだから、保護者を入れるとゆうに300名を超える(両親でいらっしゃるご家庭もありなので)
人様の前で1時間30分をしゃべる。

これって結構プレッシャー。

ということで6月の初めから土日に予定を入れないでネタ集めに奔走する。

だって、進路決定の流れだけ、ずーと説明しても聞いてる方は絶対、眠くなるに決まっている。
私だったら、「こんなんやったら、この冊子を家で読めばいいやん。」と思う。
実際、私たちが受ける研修でたまに、そういうのがある。

で、昨年赴任した時から、この1時間30分を半分に分ける。

途中で、小休止を入れる。というふうにした。
昨年は最初に流れを説明して、次に「これからの世の中」について説明した。

今年は、昨年と同じではいけない。当然、兄弟のあるご家庭もあるので「なんや、おんなじネタやん。」とも
思われたくない。

そこで今年は、第一部として、「これからの世の中」というコンセプトで
Society5.0 を中心のネタに話をした。

昨年使った「Amazon Go」動画
に続いて、
野村総合研究所の残る職業100、消える職業100
で職業の将来性を提示



写真資料は東良先生の資料です。ネットにも上がっています。
結局残る職業は
「対人」「専門研究職」「教師」「芸術家」
というキーワードでくくれると説明

続いて
Society5.0の動画を見せる。

別に私はほとんどアマゾンで買い物もしないし、内閣府の回し者でもない。

将来、鍛えておかなければならない資質・能力は
意識していないとえらいことになると警告する。

ここで、行きつくのは新学習指導要領の三観点である。



そして+求められるには



以上、東良先生の資料からお借りました。

これもネットに上がっています。

+なんと言ってもコミュニケーション能力。

最後に「なりたい職業」にはなれない可能性が高い。

だから、「なりたい職業」がない人や、「将来の夢」がない人や「今、やりたいことがわからない人」は

とりあえず、「自分のスキル(できること)を一つでも伸ばせる進路」を選ぼうと結んだ。

これも私のオリジナルではなく、

この本

目から鱗でした。この一説をお借りして締め括りにしました。

リーディングスキルの問題を一つ入れて
第一部終了

リーディングスキルの研修にも申し込んでいいけなかったけど資料を送ってくださったのでそれも
励みになりました。

そんなわけでパッチワークのような説明会です。
でもいろんな気付きは大事。
勉強は大事です。

男子受難

2013-03-04 07:10:56 | 進路
進路もいよいよ後半戦

前期公立高校入試結果は
初めての普通科入試
女子が大勝したようだ。

そうかー!
これは前々から予想されたことだが、、、。

後期は少し男子も盛り返すが

それとて女子はまじめなのでおおむね高評定で
持ち点が高い。

後期は当然高持ち点が有利

ということは成績上位校は女子校可する?

15歳男女をくらぶれば
女子はほとんど人間出来上がった感あり
男子はやっとこさ思春期になったかな?

という差は歴然

男子も17歳くらいでやっとこさ
どうにか追いついてくる。
要するによく言えば大器晩成型が男子に多い。

悪く言えば世の中を知るのが女子に比べて
遅い。スタートダッシュに出遅れる。
成長するのに時間がかかる。

男子が成長するには成功体験が必須
ここでまた一つ道が閉ざされた感がいなめない。

おまけに女子の方が野生の感も鋭いので
余計に進む道が阻まれるか?

と思いきや社会にでてからのいまだ
男性社会でやっととんとんかな?

中学校文化の崩壊

2013-02-23 13:05:46 | 進路
来年度から大阪府の普通科の学区制が撤廃される。

2年生の進路資料を作りながら、改めて
「そうか、もともと専門学科は全府一区なんだ。」
と改めて気付く。

でもこれはとても大きな意味がある。

私の出身校はいわゆる進学校と呼ばれるところで
今では文理学科と言われる学科が設置されている。

でもかれこれ40年前(古ー!)
同じ中学校の女子のトップの子は今でいう
大阪ビジネスフロンティア、今は亡き天王寺商業に
進学したのです!

話は少しそれるが、このOBF(なんだかどっかの輸入肉みたい)
だいたい今時のトレンドの女子が商業に進学するわけがない。
”キャビンアテンダントへの近道””海外で活躍する有能セクレタリーコース”
なんていうのを全面に打ち出さないと!おしゃれじゃない。
でもそれとてもどうせ、空飛ぶサービス業、補佐職だもんね。

でも、最近の女子の男子クラブのマネージャーになりたいという
流れもよくわかんないけど(ああ、それは早くに有能な雄をゲットしたいという
雌の本能の表れかもしれない、、、。)

話がだいぶ逸れたので本にもどすと
時代を感じます。
まだ、男女比も守られていたので
私が受検した年は、なんと女子は定員割れしたのです。
(今では考えられないが、、、)

ということで何の苦労もなく(そんなことはないが)
私はのほほんとその高校に入学したのです。
男子は本当におかしくなっている子もいたくらいの
高倍率。

まあ入学して驚いたのはフフンってな感じで
呑気に暮らしていてもみんななんと勉強ができること。

その代り、クラブ入部率はそんなに高くなかった。
みんな、終業のベルが鳴るとダッシュでバス停に
駆けていったやからが結構な数いた。

で、家で勉強していたのですね、、、。
私はしていなかったけど。

でもそんな「世の中にはこんなに楽ちんにいい成績を取る人もいる。」
といった感覚はすでに受検の時に打ちのめされて先に味わうのか。

これに絶対評価が加わるとなると
どうなるか。

要するに最初からトップ校(いわゆる文理学科のある高校)を最初から
受検できない、地域が生まれるということかもしれない。

そして、輪切り(なつかしい言葉)のような公立高校群が出現するのである。
大阪府公立高校群ヒエラルキーなるものが生まれるのだ。
男女比も撤廃されるのでひょっとして上位が女子が占めるかもしれない。

これは社会的にとてもいびつなそれこそ格差社会に拍車をかけることになるのです。

公立学校の一つの役割であった、
世の中にはいろいろな立場の人がいるということを学ぶ機会が大幅に減る。
ということと
地域の中では成績上位という成功体験を持つことができたという場面が
大幅に減るという

2つの若者が成長しうるためには(特にリーダーと呼ばれる)必要な
チャンスが失われるということになるんではないでしょうかね?

そして、ガキ大将がいて、やんちゃがいて、様々なリーダーがいて
色々な役割がある小社会のような中学校が
ただ、高校へ行くだけのための廊下のような存在になりそうで怖い。
これは中学校文化の崩壊になりえるのでは?