遊びをせんとや

毎日できるだけアンテナを張って
おもしろがりながら楽しみたい。
人は「遊びをせんとや生まれけん」です。

三月花形歌舞伎in南座

2023-03-12 07:27:41 | 歌舞伎
さて、3月はお楽しみ月間である。

その第一弾。
南座の花形歌舞伎

写真はHPよりお借りしました。
友人と無事落ちあい、3階席へ。今回は二等。一番前の列の真ん中少し東(舞台に向かて右)。
一番いい席である。

始まると尾上右近さんが出てきて、全体の構成の説明をしてくれる。
仮名手本忠臣蔵の大序から四段目まで写真を使って。
高師直が塩谷判官の奥さんの顏世御前に横恋慕したことが発端だったとは知らんかった。
大序は観たな。一回くらい。そこに桃井若狭之助という人物が絡んでいたとは、、、。

そして説明の最後のはなんと撮影タイムまであった。

南座のキャラクター「みなみーな」と。頭の上に櫓が乗ってるのがご愛敬。

お芝居は忠臣蔵の5.6段。山崎街道、与市兵衛内勘平切腹の場。
私たちはAプロだったので上方仕上げの中村壱太郎さんの勘平。片岡千之助さんのおかる。
Bプロは江戸前の右近さんが勘平、中村莟玉(かんぎょくとお読みする)さんがおかる。
斧定九郎は中村鷹之助さん。この役勘九郎がテレビで「仲蔵」を演じていた時に山崎街道で全くセリフがない役を衣装としぐさで話題になったという役だ。おかるのお父さんを殺して金を奪い、鉄砲に打たれて死ぬという。

壱太郎さんの立役は久しぶり。声がいいのですっきりした中に上方の味わい。
千之助さんのおかる可憐。
少しの時間のずれで勘平は切腹してしまう。
でもあらすじを知るともともと、塩谷判官の大事に間に合わなかったために死のうと思っていたのだ。
そこから七段目のおかる、内蔵助の一力茶屋へ繋がっていく。

休憩は違う席にゆったり座ってお弁当。

二幕目は忠臣いろは絵姿 新作舞踊と殺陣。
要するに七段目以降を舞踊で見せ、討ち入りを殺陣で見せる。
七段目の男女が入れ替わって踊る趣向が面白かった。

写真はネットよりお借りしました。

というわけで30分の休憩を挟んで3時間弱の舞台であった。
若い人を歌舞伎に呼び込もうと、とりつきやすい趣向を色々と凝らせてあって楽しめた。
欲を言えば、最近南座は怪談物や殺人、切腹物が多い気がするので、楽しい世話物なんかもやって欲しいな。

昨晩録画した「新・日本の芸能」で河竹黙阿弥の戯曲の特集をやっていた。斎藤孝さんがゲストだった。
黙阿弥のセリフはとても解りやすい。江戸歌舞伎の神髄であるが、黙阿弥も観たいな。
この中でも尾上右近がすごく知的でわかりやすい解説をしていた。






何も起こらないことはない! ~終わり良ければ全て良し~

2023-03-11 06:55:19 | 着物
3月は楽しい事月間

中旬の直島旅行も控えているし、今週末はお芝居が2本。
昨日は京都南座へ。

晴れていたら着物で出かけようと意気込んでいた。
前々日に名古屋帯のお太鼓の結ぶ練習を動画を見ながらやってみた。
さすがに柔らかい名古屋帯を購入したのとすごく解りやすい動画で今一位置が解らなかったところがとても丁寧に説明してあってあっけないくらい結べた。
前日は着物を着ての復習。

当日、十分時間はあったので動画を見ながら着付ける。
帯を結ぶ。完成。旦那に写真を撮ってもらって確認。

少し早めに家を出た。
履いた草履は確か結婚した時に母にもらって2、3回履いたことのある朱の草履。
色も合う。
勇んで出かけたら途中で左足を鼻緒にぐっといれるとまさかの鼻緒が切れる。
「えっ~!」となる。
昨日に限って家の鍵を持ってくるのを忘れる。家に電話しても旦那のスマホに掛けても出ない!旦那はすでにいつもの一万歩散歩に出た後。しかも私は一緒に観劇する友人のチケットも持っている。オーマイゴット!
よく時代劇に出てくる町娘が鼻緒を切って困っているといなせな若者が出てきて自分の懐から手拭を取り出し歯で嚙み切ってひも状にして挿げ替えていたのが脳裏に宿った。
不幸中の幸いと言うか昨日はいつものタオルハンカチの他に薄い普通のハンカチも持参していた。
道の端で何とか歯でハンカチを切り裂き、紐を作り結んでみる。
だが、2、3歩歩くと外れる。電車に乗れば何とかなると思い黄色いエコバックを左足に巻いて駅まで急ぐ。
左足に黄色いエコバックを引きずった60歳過ぎの朱の和装コートを着たおばあちゃんが走る。
恥ずかしいとかなんとか言ってる場合ではない。来た電車は予定していた電車だ。
電車の座席で再度ハンカチを切り裂き結び直す。足をぐっと踏みしめなければどうにか大丈夫。

右足も切れたら終わりだ。
そろそろ歩いてエレベーターを駆使し乗り換え、京都行の特急の座席に座れた時は心底ほっとした。

という訳で無事余裕で友人と南座の前で出会え、三階からゆったり観劇を楽しんだ。
お芝居の話は、また後日。

観終わって、草履を何とかしなければならず、使くの袋物のお店に行くが「草履はおいてない。」とのこと。
橋を渡った専門店に行くが、なんともお高い。しかもすごく気に入りではない。
向かいのデパートに飛び込んだ。
ここも何ともお高い。レンタル着物のコーナーで今まで見た中で一番お値段お安い物を見つけるが、どうにも若者向けで私の好みではない。
ちょうど、鼻緒と草履の本体を組み合わせて売るコーナーがあって、そこに草履を修理する職人さんがおられた。鼻緒だけを購入して付け替えてはという店員さんの天からの声。
履いていた草履は気に入っていたし手持ちの着物にも合う。願ってもいない申し出。
当然、お値段も一番控えめ。
同じ色味で濃い感じの朱にした。
出来上がりは

かえっておしゃれ。

鼻緒代8000円、踵の滑り止め500円、鼻緒挿げ替え代1000円。+全体の消費税。
結構なお値段となったが、気に入らない草履をこれ以上の値段を出して買うよりも随分納得した。

それから歩いて三条の橋のたもとの河津桜を見に行き

満開でした。2本しかありませんが。

小川珈琲でアイスラテを飲んで長い一日を締めくくりました。


帰ってから取った写真


 

  

友人のお母様の着物を頂きました。気に入ってます。

余談:学生時代に東京に遊びに行った際、どこかの地下鉄の駅を上がったとたんに履いていたブーツの踵がかくっと取れた。その頃あった靴磨きの叔父さんに頼んだら、踵の裏からコンコンと木槌で打って「はい。50円。」と言われたのを思い出した。
 よくよく出先で足元をすくわれることが多いもんだと思った。


かなり回復しました!

2023-03-09 06:54:59 | 介護
母の状態は2月の終わりに「杖を持ってきてください。美味しいミカンが食べたい。」という連絡が看護師さんから入って
それ以来、連絡がない。

他に聞きたいこともあったので電話で看護師さんに聞いてもらったが、「覚えてない。」との答え。
欲しい物もないし、テレビカードも十分あるようだ。
正式な退院日時が決まった。予定通りだった。

様子を尋ねると「以前にお会いになった時よりすごく良くなっています。」とのこと。
すごーくホッとした。
認知の方も時々時間の観念が前後するが入院した時と変わりないとのこと。
意思の疎通も十分できるとのこと。紙パンツではなく布パンツにもなった。
すごい回復力である。

腰痛が無くなったならすこすこ動けるようだ。

すぐにケアマネさんに電話して状態を話す。
手すりを設置するのは退院してきて様子を見てからにしましょうとのこと。

治療するっていうことは大事なことだなとつくづく思う。
母も入院してのんびりしたことだろう。
退院してきたらもっと色々な事を一緒にしよう。

春はそこまで、もうすぐ。

ぽかぽか陽気の京都散策

2023-03-06 06:13:01 | 旅行
京都国立近代美術館へ行く前に娘と待ち合わせてランチを食べることにした。
以前からめぼしを付けていたアンステチュ・フランセのレストラン。
関西日仏会館のことですね。


入り口


2人のギャルソンがいる店となっていた。その通りに2人のイケメンフランス人だった。
レストランは本日予約で満席となっていた。
旦那が予約をしたので当然、席はあった。
店内はさして広くないが版画の作品が展示してあり、ギャラリーも兼ねているようだ。



 
珍しく時間通りに着いた娘と旦那はロゼ、私は白で乾杯。


お料理はランチセット。サラダ、豚肩ロースの煮込みと野菜の付け合わせ。
ストロベリーシャーベットとクリームブリュレのデザート。濃いコーヒーだった。
豚肩ロースはバルサミコ酢で味付けがしてあり、付け合わせのジャガイモがあまくてねっとりして、とても美味しかった。

お店は何かテストの後か色々な国籍の人達の団体で満席になった。

気持ちよくすごして、次なるお目当てのお店へ。
京阪電車に出町柳から神宮丸太町まで乗り、住宅街の中を北西へ。

古い町屋の「日日」へ。
&Premium4月号「ひとりでも京都」に掲載されている記事の大半の人が京都に来た時に訪れるというギャラリー&ティーカフェ。

渋い感じの町屋にお茶道具が並べてある。
二階に上がるとちょうど「木のうつわ」展を開催中。
岡山の漆作家、仁城逸景さんの展示だった。
まさに私たちは漆の汁椀を探していたので、その大振りの汁椀が目に留まった。
旦那も一緒だったので現物を見てこれがいいとなった。
作者の仁城逸景さんもそこにいらっしゃった。
栗と橡の木と二種類あった。ダンナが木目の目立つ栗、私が渋い橡を買い求めた。

左が栗、右が橡 ほとんど見た目変わらない。
漆椀の相場のお値段は調べてあったので決して高くないが安くもない妥当なお値段。
これから一生使うのだ。割と即決だった。現物を見て買いたかったので良かった。
包んでもらって、途中で小さなパン屋さんに立ち寄った。行きしなには5人くらい人が並んでいたが今は無人。

旦那がそこでパンも買う。

ということで有意義な寄り道をして美術館へたどり着いたのだった。

うららかな小春日和の京都の一日。


甲斐荘楠音の全貌 ~すごいデカダンの香り~

2023-03-05 08:14:59 | 美術館、博物館
前売りを買って楽しみにしていた京都近代美術館開催の「甲斐荘楠音の全貌」
このチラシからして個性的

写真は全てHPやWebからお借りしました。

ある意味グロテスク、デカダン、幻想的、奇想。
自分の求めるままに描いた日本画である。

エレベーターで三階まで上がったので彼のデザインした映画の着物の会場から入場してしまった。
スマホのメールでチケットを購入していたが、珍しく先にランチを食べたのでつい写真を撮りすぎて充電がちょうど切れてしまった。
予想はしていたので、充電器を持って行っていた。チケットカウンターで充電を頼むも(そこにコンセントはある)ちょっと待ってくださいの言葉。少し待つと別の人が来て「本来はダメだけれど時間がかかるので少しだけ充電どうぞ。」ということで充電させてもらって画面を出す。無事に入場。
映画の上映もやっていて「あれっ?展覧会場間違えたかな?」と思ったがこれが最近太秦映画村から大量の発見された主に市川右太衛門着用の映画撮影時の着物。

改めて展示されると圧巻だった。


 

  
すごいキッチュな魅力に溢れている。しかも斬新。
時代が時代だからこんなに丈が短くて良かったんだと思うが、そのままの柄行で富永愛さんとかがドラマで着たらすごい似合うんじゃないかと思った。
「雨月物語」の衣装デザインでアカデミー賞にノミネートされたそうだ。

改めて、第一章から観始める。

楠音のこだわりの美学が爆発したような美人画。
歌舞伎や文楽にも親しみ、時代と共にそういったエッセンスがふんだんに盛り込まれている。
日本文化独特の最後のデカダン。
でもどこかにロダンの彫刻を思わせるような雰囲気も感じる。

メトロポリタン美術館が持っている「春」

いい物は持って行きますねアメリカ。

それにしてもおびただしい数のクロッキーや習作、エスキース。一つのポーズを追い求めて最善の表現を求める。
自分の美を追求するエネルギーは凄い。

最後の章の「畜生塚」

圧巻でした。これを観て日本画の石本正さんや加山又造さんの裸婦の作品を思い出した。丸木ご夫妻の原爆の図も思い出した。

「虹のかけ橋(七姸)」60年間、手を入れ続けた作品。

最後に顔を全て描きなおしたという。全て自分の顔にしたのでは?
着物の文様が素晴らしく美しい。楠音は花魁になりたかったのかもしれない。

そても見ごたえのある展覧会でした。

4階の上がっての「リュイユ フィンランドのテキスタイル展」

アイノ・カヤ二エミ「おとぎの国」この作品どこかで観てインスパイアされてブローチを作った。



 

とても色彩が豊富でまた参考にしてブローチを作ろう。




お金のこと お金の本

2023-03-02 06:20:25 | 日々のあれこれ
「71歳、月5万円 ある物で工夫する~~」の著者
紫苑さんのブログに掲載されていたこの本と前前から興味のあった荻原博子さんの本も一緒に図書館で借りる。



「お金に強くなる!」の本は保険について確認をしたかったから。

私は養老年金保険に加入していて満期になったのでそこで終わり。
旦那は大手生命保険に加入していて50歳になった年に切り替え時期になり掛け金が一気に上がるのでそこで切り替えて大きな損をした。昔の保険は満期の金額が良かったのに。あまり説明もなく切り替えた。

そして、それから数年後に眼の病気になり3ヵ月ほどの入院。
そこですぐに保険金は降りたが(さすが大手すぐに降りた)それきり満期になったら返金されたお金は「えっこれっきり?」の額だった。

幸い、それから元気なので2人ともフル勤務を退職した段階で保険の事を考えた。
その時、私の実家に聞くと母は「一回も生命保険や入院給付の付いた保険に入った事がない。」という答えだった。
「へっ?」と思った。「えっ?」ではなく「へっ?」である。あまりにきっぱり言い切る。
確かに母は弟が盲腸になった頃に40代で盲腸で入院。父は痔の治療で一週間くらい入院した記憶があるくらい。それくらい入院するような病気とは縁がなかった。入る必要がない。その分貯金したのだろう。
あまりの潔さに「そうだよな。」と思った。調べると高度医療制度もあるし。後期高齢者になると医療費一割負担だし。(それもそろそろ怪しいが)という結論に達した。
今回母の入院に際しても日常の洗濯の手間や食事の事を考えてもそう負担には感じない。

この本にもきっぱり書いてあった。生命保険は必要ないと。

荻原博子さんの「保険ぎらい」の本にも掛け捨てで十分。しかも若い内の何年間でいい。
生命保険で元本を増やそうと思うのは無理。と書いてあった。
やっぱりなと言う感じ。

「お金に強くなる。」には安全な投資についても触れてあったが、なんだか私には興味が持てない。

という訳で私が本能的にお金に感じた事はある程度正解だったようだ。

フル勤務退職して半年金生活になり、4月からは全年金生活になるかもしれないが、ずっとエクセルで家計簿を付けているので
入ってくるお金と出て行くお金は把握できた。この一年でその家計でのイメージは持てた。
それで良かったかな。

という訳でそんなにこの三冊は十分には読んでいませんが、きっといい本です。

これからも行きたいところにはどんどん行って気持ちよく元気に暮らしたいな。