経営コンサルタントへの道

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■■【経営コンサルタントのお勧め図書】 『組織の未来は「エンゲージメント」で決まる』

2019-04-23 12:03:00 | 経営コンサルタントの本棚
■■【経営コンサルタントのお勧め図書】 『組織の未来は「エンゲージメント」で決まる』
 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。
 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。
■  今日のおすすめ
 

『組織の未来は「エンゲージメント」で決まる』

   (新居佳英 松林博文 著 英治出版)

 
 

■         日本企業の驚くべき現実!やる気のない社員が7割!(はじめに)

 私の日本企業観は、細かい処まで行き届く、品質的には世界のトップクラスを行き、日本企業(日本人)に対する、世界の信頼感は圧倒的に高いと思っていました。その考えは今も基本的には変わっていません。しかし、ここ1,2年の間に起きた、余りにも多い、しかも優良企業の、品質検査データ改ざん事件(旭化成建材、日産、スバル、神戸製鋼所、三菱マテリアル、KYB、日立化成等)を目にして、何故という疑問が答えのないまま、頭の中に残っていました。

 しかし、紹介本を読んで、最近の日本企業の現実を理解し、一つの答えが出てきたように思いました。紹介本が紹介する日本企業の現実とは、米国ギャラップ社が2017年に世界各国の企業を対象に実施した「従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査」結果に現れている事実です。日本は、「熱意溢れる社員」は6%、「やる気のない社員」は70%、「周囲に不満を撒き散らしている無気力な社員」は24%と驚く数字が出ているのです。調査対象139か国の中で132位と最下位クラスに属しているのです。

 著者は、『日本企業も高度成長期時代は、エンゲージメントは高かった。しかし、バブルが崩壊し「失われた30年」と言われる時代は、欧米の「事業」に関する指標が取り入れられ、それを基に「事業」の再構築が図られ、「事業」の指標に目が向けられる一方で、「組織」の状態を測る指標が存在しなかった。つまり経営者が「エンゲージメント」の側面を意識してこなかった結果が調査結果として現れている』と説きます。

 この結果、労働生産性(GDP/就業者数)国際比較においても、OECD32か国中22位(GDPでは18位)と、アメリカの労働生産性の6割程度に留まっている現実となっているのです。

 ここで、誤解の生じないよう、従業員満足度とモチベーションとロイヤリティーとエンゲージメントの違いに簡単に触れておきましょう。『「エンゲージメント」は、従業員相互の対等の関係に基づき、主体的・意欲的に取り組んでいる状態を言う。これに対し、従業員満足度(ES)は組織が与えるもので、ESは必ずしも業績や生産性の向上に結び付かない。モチベーションは個々人の動機付けであり、必ずしも組織としての生産性の向上とは結び付かない。ロイヤリティーは上下関係が生み出すもので、相互の対等の関係による「エンゲージメント」とは異なる。』と著者は記します。詳細は紹介本をお読みください。

 それでは、エンゲージメントが経営上どの様な成果を上げているか、次項で実例を参考に見てみたいと思います。

                       

■         ポテンシャルは高い日本企業。エンゲージメント経営で変革できる。

【JAL再生成功の本質】

 著者は、日本企業と日本人のエンゲージメントのポテンシャルとても大きいとし、その象徴的事例として、JAL再生成功を挙げています。

 JALは2010年1月に会社更生法の適用を申請。申請直後の2010/3期の営業利益は▲1,337億円。2012年9月に再上場。再上場直前の2012/3期の営業利益は2,049億円の黒字。約2年余りの再生期間で、3,349億円の採算改善を成し遂げました。

 かかる奇跡的な再生は何故できたのでしょう。再生に当たり、世界中から航空会社を再生させたと称するコンサルタント会社が売り込みに来ました。しかし、最終的には、JALの再建に携わった企業再生支援機構(現地域経済活性化支援機構)委員長の瀬戸英雄弁護士(瀬戸氏自身も倒産企業の再建のベテラン弁護士として、JAL再建成功のもう一つのカギと評価されている)が、京セラの名誉会長稲盛和夫氏を再生会社JALの会長に招聘することに成功したからです。

 稲盛和夫氏は、経営について次のような公式を持っています。『人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力』。JAL再生に当たってもこの公式を全面的に導入しました(「アメーバ経営」の導入)。その中でも特に「考え方」が大切と稲盛氏は主張します。特に、JALで実現すべき経営的「考え方」は、従来の組織構造を革命的に変革し、全社員との家族のような関係の構築、経営者意識を持った人材の育成、独立採算意識を浸透させるためのアメーバ組織と収益状態を管理するツール(「京セラ会計」)の導入、アメーバ組織間の利害対立の解消、全社員の会社経営への参画であると主張します。

 この様な思考を背景に、「考え方」を具現化したもの(手帳)が「JALフィロソフィー」です。JALフィロソフィーは、経営理念を指針化したもので40項目に亘ります。JALフィロソフィーは、社員メンバーを集め、自ら作り上げたのです。しかも、JALフィロソフィーの基本となる経営理念は、『≪全社員の物心両面の幸福を追求し、≫≪お客様に最高のサービスを提供します。≫≪企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。≫』でした。「公的支援を受けた企業」の経営理念には相応しくないと批判を浴びながら、あえて導入したのは、社員一人一人の幸福なしに、何事も進まないことを、稲盛氏はよく理解していたからでした。

 JALの再生成功を振り返ってみて、正にそれは『「エンゲージメント」経営』であると理解できるのではないでしょうか。米ギャラクシーの「従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査」で最下位クラスの日本でも、立派に出来ることの証ではないでしょうか。

【外国企業は先を走っている】

 ここ数年前から、グーグルは新しい幹部役員として「CHO(Chief Happiness Officer」という役職を置いています。又マイクロソフトでは、2014年にCEOに就任したサティア・ナダラ氏は「コンパッション(思いやり)」や「エンパシー(共感)」を重視した経営を行うと公言し、「私たちは、満たされていない、明確にされていない顧客ニーズを展開している。深い共感力、つまり他者の視点を持つ力なしには、この目的を果たし続けることはできない」と語り自らを「CHO」と称しています。両社ともニューヨーク株式市場の時価総額のトップクラスを競う企業に成長しているのです。

【日本の企業も『「エンゲージメント」経営』を導入し始めている】

 日本企業でも、大企業から中小企業に至るまで、著者の会社が売出す「WEVOX」(「エンゲージメント」の見える化のSaaS)を利用している会社が、リリース1年半で約500社に上ると著者は言います。紹介本にも幾つかの導入成功事例が紹介されていますが、これからの時代、「エンゲージメント」経営が注目されるのではと思います。

 

■         成長企業が新たな経営手法「エンゲージメント経営」を導入(むすび)

 前項で記しましたように、「エンゲージメント経営」が、世界では既述2社の他、アップルやディズニーなど多くの企業で導入されています。日本でも既述の如く多くの企業がトライをしています。

 これからの時代、「共創」「共感」「協働」「生産性の向上」「品質の向上」等、人・組織の行動を重視し持続的成長を目指す企業において、「エンゲージメント経営」が注目されて来るのではないでしょうか。

 
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■【経営コンサルタントのひとり言 今日は何の日】 4月23日 原子力に代わるエネルギー源

2019-04-23 09:35:59 | 今日は何の日

【経営コンサルタントのひとり言 今日は何の日】 4月23日 原子力に代わるエネルギー源

 一年365日、毎日が何かの日です。  季節を表す日もあります。地方地方の伝統的な行事やお祭りなどもあります。誰かの誕生日かも知れません。歴史上の出来事もあります。セミナーや展示会もあります。  これらをキーワードとして、私たちは自分の人生に、自分の仕事に、自分自身を磨くために何かを考えてみるのも良いのではないでしょうか。  独断と偏見で、エッセー風に徒然のままに書いてみました。皆様のご参考にと毎日続けていこうと・・・というよりも、自分自身のために書いてゆきます。 詳細 ←クリック

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【今日の写真】 春の京都 仁和寺

 仁和寺は仁和2年(886年)第58代光孝天皇によって発願され、第59代宇多天皇により仁和4年(888年)に完成しました。

 仁和寺に伝わる工芸品には、仁和寺草創期から鎌倉時代にかけて、密教の世界・王朝の美を伝えるものと、桃山時代から江戸時代初期の文化の広がりを示すものに大別されます。仁和寺サイトより)


 国際マルコーニデー

 4月23日は「国際マルコーニデー 」です。世界で初めて無線通信を行ったイタリア人のマルコーニを記念する日です。

  グリエルモ・マルコーニ(Guglielmo Marconi)は、イタリアの無線研究家、発明家で、ノーベル物理学賞を受賞しています。彼の研究は「無線電信」を電波を使って行うことで、自宅で無線装置を作り、実験を開始し、実用化した後にマルコーニ無線電信会社を創立しました。

  彼のすばらしさは、グラハム・ベルが発明した電話の欠点である有線工事をしなくても通信できるようにしたいと考えたのです。

 「不便を解消する」という基本的な発想が発明を生み出します。「今存在するものをなくす」という発想が彼のすばらしさです。ビジネスも「お客様は何に困っているのだろうか」というところから新しい商品・サービス構想が生まれてくるのです。

■ その他

◇ 永平寺授戒会(~29日)

【経営コンサルタントの独り言】

■【一口情報】 原子力に代わるエネルギー源

 東日本大震災による福島第一原発事故では、多くの人が原子力発電に否定的な考えを抱いたのではないでしょうか。太陽光発電や風力発電など、海外で設備投資が先行していますが、日本では今ひとつ力が入っていないことが、今回の東日本大震災による計画停電でクローズアップされました。かといって、いまさら石炭による火力発電に戻るわけにもいかないのかもしれません。

 ところが、「緑の原油」と呼ばれるエネルギー資源が、日本近海の海底に眠るハイドロメタン、メタンハイドレートと共に日本が有力な産出国になり得ることはあまり知られていません。これは湖などに漂う藻から油分を抽出して作る次世代バイオ燃料なのです。神奈川県横須賀市にある電力中央研究所が必死になって研究しています。

 日本が産油国になる夢が生まれました。

 

 無線をあまり意識しない中で生活している私達
 

 昨今では、スマホ/ケイタイなしでは生活できないという人までいるほどに、電波の中で私達は生活しています。
 

 電波というのは目に見えませんので、「無線」ということをあまり意識していません。
 

 世界で初めて無線通信を行ったのは誰なのでしょうか?

 何が契機で無線通信の研究を始めたのでしょうか?

 

(ドアノブ)

趣味・旅行のブログ

 

 since 1951 特定非営利活動法人・日本経営士協会
【ブログ 経営コンサルタントの育成と資格付与】

 日本経営士協会は、特定非営利活動法人として内閣府による認証を受けた経営コンサルタント団体です。1951年に誕生し、経営コンサルタント育成と経営士・士補資格付与活動を1953年から積極的に行ってきている、日本で最初に設立され、約65年もの永きにわたりまして社会貢献をしてきています。  このブログは、主に次のような方々を対象に、時宜に即した情報を毎日、原則として複数本のブログをお届けしています。経営というのは、根底に流れいるものは、下記のいずれにも共通し、視点を変えるだけでそれを応用することができるという信念を基に、あえて三兎を追っています。

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4月22日(月)のつぶやき

2019-04-23 07:39:19 | ブログでつぶやき

■【つぶやき一覧】このようなことをつぶやきました

 

平素は、ご愛読をありがとうございます。

昨日は、以下をつぶやきました。

【今日は何の日】も、発行済ですので、そちらもどうぞ

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/0db4119bf50b605ee77e013a4edf99ae

 国際マルコーニデー 4/23

 4月23日は「国際マルコーニデー 」です。

 世界で初めて無線通信を行ったイタリア人のマルコーニを記念する日です。・・・・・<続き

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