■【あたりまえ経営のすすめ】経営戦略編 経営理念の構築・再構築 35 自社の経営理念はこれで良いのかの検証 1
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■【経営支援編】第5部 経営戦略編 戦略思考で経営者・管理職のレベルアップを図る 3章 経営理念の構築・再構築に取り組む
企業経営では、日常業務におけます事項から、経営戦略など、企業の根幹になるようなじこうまで、いろいろなレベルや内容の意思決定をしなければなりません。
高度な戦略的な意思決定を行うには、戦略思考ができませんと、誤った方向に企業が走り出しかねません。
一方で、戦略思考というのは、容易には身に付けることは困難です。この課題に取り組んで行きましょう。
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5-3 経営理念の構築・再構築に取り組む
経営理念とは何かについて、共通認識ができましたら、実際に経営理念構築・再構築の実務編に入りたいと思います。
経営理念をどの様に構築・再構築するか、その方法となりますと一般的には確立されていないといえます。他社の事例を参考にして経営者が、エイヤーッと作成したり、経営コンサルタントに依頼して作成したりとするケースが多いようです。
ここでは、経営理念だけではなく、経営基本戦略や中長期経営計画など、経営管理を行う上で、関連する次項を念頭において、経営コンサルタント歴40年余の実績から、経営理念構築・再構築の方法をご紹介します。
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◆5-35 自社の経営理念はこれで良いのかの検証 1
経営理念とは何かにつきまして、お話してまいりました。
経営理念は、文章表現や形としてはすばらしくても、それが自社の現状に即さず、絵に描いた餅になってしまっている企業が結構あります。
すなわち、経営理念という「仏様」を作っても、「魂」がこもっていないからです。
経営理念を形にした後、論理思考でいう「仮説検証」作業が必要です。経営理念構築・再構築に限らず、意思決定の過程で、仮説検証という作業は、意外とおろそかにされています。おろそかと言うよりも、どの様に検証したら良いのかがわからないことが多いのではないでしょうか。
経営理念というのは、企業におけます意思決定の最上位にある「ものさし」です。それを決めるのですから、容易ではありません。
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しかし、経営理念というのは、自社における最高意思決定の「ものさし」ですが、企業は、社会の一員で、その中で経済活動をしているわけです。
ここでは、ビジネス界における「ものさし」にまで思考を展開しなければなりません。
その一つが、「経営の定義」という概念との照合です。「経営とは何か」につきましては、別項にてすでにお話しています。
経営の定義には、経営の本質が記述されていますので、経営理念が、その本質に即しているのかどうかを見極めるには最適な方法の一つといえます。
経営という用語は、俗語として、しばしば安易に使用され、理解を混乱させていることが多いです。
経営者であり、管理職の地位にいます人達は、経営あるいは管理ということを正しく理解し、そのプロフェッショナルとして行動を行うべきです。
経営は、もはや俗語や常識語としてではなく、専門の職業人が信念をもって考え行動しなければならないきびしいものとなっています。
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すでに、別項にて「経営とは何か」について、学んでいます。
経営というのは、経営環境との関わり合いが深く、経営資源の調達も外部からの取り入れにより行われます。
その経営資源を効果的に活用して、社内で付加価値を付けて、市場に提供します。
その商品やサービスに、自社の魂として、何を込めるのかが「経営理念」なのです。
すなわち、経営理念とは、経営活動を行う上で、その基本となる考え方なのです。
自分の会社が、何を目指す会社なのか、その中には創業時の熱い思いや高邁な夢が凝集されています。
その実現のために、どのような経営方法をとるのか、夢実現策が経営理念の中に含まれていることが多いです。
経営活動を行っていますと、いろいろな問題に遭遇します。その都度、適切な判断を余儀なくされます。
すなわち、経営理念は、経営上の諸判断の「ものさし」でもあるのです。
構築・再構築されました自社の経営理念がこれで良いのだろうか、という視点での意思決定の「ものさし」として、「経営とは何か」「経営理念とは何か」という「ものさし」を用いて検証することが最も身近にある検証方法といえます。
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