kenharuの日記

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人の時間・放射能の時間

2011-05-30 | その他
「メルトダウン」が明らかになって、福島原発の終息がまた遠のいてしまった。
こいつが片付かないと、クルマ旅をしていても、どうも脳天気になりきれない。
今回の事故で考えさせられたのが、「人の時間」と「放射能の時間」の大きなギャップだ。

メルトダウンした核燃料や核廃棄物には、半減期が100年以内のセシウムやストロンチウムなどが含まれているが、プルトニウムなど超ウラン元素の類には、半減期が何万年という物質が含まれている。
だから原発の廃棄物を、安心して外に捨てて良い時期などは、半永久的にやって来ない。
そんな廃棄物を閉じ込めて、いつまでも腐食しないような容器があるのだろうか。
放射能によって発生する熱を、超長期にわたって冷却し続けることが可能だろうか。
そもそも、そんなに長い期間にわたって何かをし続けるという、子々孫々にわたる意思決定を、たかだか80年の寿命しかない人間が、して良いのだろうかという疑問を感じる。

個人や組織による管理能力や管理体制の信頼性は、せいぜい数十年にすぎない。
会社の寿命は30年と言われるし、人類の短い歴史を振り返れば、地震や大津波だけではなく、頻繁に戦争が起こり、政治体制の崩壊が繰り返された。
原発問題で「安全管理体制のあり方」を議論することは目先重要だが、ごく近視眼的な意味しかないのである。

つまるところ、核廃棄物は「人の手に余る」しろものである。
ただしかし、困ったことに、原発を止めるわけには行かない。
低コストとされるエネルギーを、日本だけが放棄すれば、国家間の経済競争に負けて現世代が貧乏になるからだ。
環境問題、CO2排出問題・・・いずれも似た問題で、世界が一致団結して「せーの!」でやめない限り、やめられない。
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