内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

書物連鎖という病に侵された脳

2021-03-11 23:59:59 | 雑感

 読書がお好きな方ならば、同じような経験を何度もされていることと思いますが、ある本を読んでいて、その本自体を面白いと思って読んでいることが前提になりますが、その本の中で高く評価されている本、あるいは言及されていてその内容が気になる本をすぐに読みたくなるということが私にもしばしばというか、ほとんど毎日のようにあります。
 困るんですよね、これ。気になる本がすぐに買いたくなるし、電子書籍の場合、購入手続き完了と同時に、つまり「買いたい→買おう」という気持ちの動きの数秒後には入手できてしまうから、誘惑に抵抗するのに一苦労し、結局、誘惑に負けて、買ってしまうということを性懲りもなく繰返しています。これが紙の本ならば、場所を取るから、自ずと限界が目に見えるわけですが、電子書籍の場合、それがありません。
 先月から今月にかけて、ちょっと病気じゃないのかと自分で疑いたくなるほどの購入量なのです。購入した書籍のデータはすべて即座にエクセルの表に入力し、月額がいくらになっているかはリアルタイムで把握できるようにしてあるのですが、「やぁ、結構買っちまったなぁ」と慄きつつ、「これも参照しておいたほうがいいでしょう」という悪魔の囁きにやすやすと唆され、「だって、紙版よりずっと安いじゃん」という理由にもなっていない呟きとともに買ってしまうので、一体何のためにエクセルに入力しているかわからないという体たらくです。
 この「書物連鎖」という病に侵された私の脳は、それが快楽にまでなってしまっていて、少数の書物を愛読するという願望からは日々遠ざかりつつあります。ああ、情けなや。