誰もがトライを試みながらも、到達し得なかった孤高の領域に、この音楽は「到達」してしまった。
ロクシー・ミュージックが、様々な試行錯誤をしながら、最後に着地したのは、この世でありながらも、この世ではないような不思議な領域。
「アート」という表現というのは、放たれた時に既に、演奏家からも聞き手からも離れて空中に漂う、1つのモノとして存在することを祈っているはずだが、ほとんどの音楽は、「演奏家」だったり、「ファン」だったり、「時代のハヤリすたれ」という属性から離れることが出来ないで、もがいている。
しかし、アルバム「アヴァロン」は、そういう様々な属性からも見事に放たれて、誰のモノでもない領域に、舞い上がり、「永遠」という言葉を手に入れてしまった「奇跡」がある。
アヴァロン=桃源郷
***
誰もが夢を見ながら到達し得ない領域に、この音楽は、僕らをいざなう。
ただ、素晴らしいジャケット写真が表現しえているように、既にそこに桃源郷は見え、永遠にいざなわれていきながらも・ついにたどり着いた永遠の地を感じさせながらも、それと同時に、もどかしくとてつもなく酸っぱく切ない感情を呼び覚まされる。
「アヴァロン」は、すみずみまで完璧な音の完成度は、本当にトータルコンセプトアルバムとして、「永遠」を感じさせて、全曲素晴らしいですが、自分は特に最後に近いB面の「TRUE TO LIFE」が好きです。
実に、切ない・・・・・。
高揚感と入り混じったえもいわれぬ「泣きたいような」感じが好きです。