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今は少し歩けば隅田川が近くにあり、よく気まぐれに川沿いを歩く。
昨日は、歩き疲れた夕暮れ時、トワイライトが彼方から迫る尾竹橋辺り。その風景の中に私は居た。
梅雨時の雲が垂れ込める雲間から、一部だけオレンジ色になる遠い空が視えた。ほんの数分。
なんだかとっても懐かしい気分になって、音楽を聴きながらそんなシーンにシャッターを切った。
写真と映画と小説とマンガでしか逢えなかった、いたずらな時の巡りあわせ。
その恋しいオバケ煙突があったあたりは、今でもその雰囲気を残していてくれる。
空にゴマ粒を蒔いたように飛ぶ鳥たち。
巣に戻っていくのだろうか、空を舞っている。
その姿を見上げる私。空がとても高く広く感じる。
三ノ輪に居た頃は、荒川や隅田川まで小さな家出をよくした。
草加の頃には綾瀬川へ。
そして大阪時代は、すぐ横が淀川支流で、造幣局と繋がる川沿いをよく歩いた。
西尾久の頃は、最寄りの宮ノ前から小台へ・・・と歩き荒川ほとりに辿り着き、川を眺めてた。
川のある場所は、含めて悲しい物語が多くあった名残りが漂う。
それでも、水のある風景が好きである。
さまざま表情があり、それはコトバではない形で何かを伝えてくる。
水場が近くにあることは、今の私の暮らしにとって欠かせない。
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■BOZ SCAGGS 「HARBOR LIGHTS」1976■
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