内閣府は1月24日、死刑制度に関する世論調査の結果を発表した。(毎日新聞1月24日)
死刑を容認するとした回答は80・3%で3年連続で8割を超え、制度への国民の支持が依然高いことが裏付けられた。
廃止を求める人は9・7%だった。
ただ終身刑を導入した場合の容認はは半数程度にまで減るという、結果も今回初めて出た。
死刑容認の理由(複数回答)は「廃止すれば被害を受けた人や家族の気持ちが収まらない」53・4%。
「命で償うべきだ」52・9%「生かしておくと同じような犯罪を犯す危険がある」47・4%でこれは前回より増加した。
現在「無期懲役」という刑が死刑に次いで重い刑となっているが、この刑法は10年を過ぎると仮釈放できると規定している。
2004年から13年にかけて70人の無期受刑者が釈放された。仮釈放までの平均受刑期間は25年10か月から31年2か月まで長くなった。
この10年で146人が受刑中に死亡しており、無期懲役は実質的に終身刑化しているという指摘もある。
それでも10年で仮釈放される無期懲役刑を受けた出る現状は「終身刑」で仮釈放を認めない制度に賛意が多い様子も見られる。
死刑廃止論者の回答の内訳は前回最多だった「生かして償わせた方が良い」41・6%、「国家であっても人を殺すことは許されない」38・8%、「裁判で誤りがあった時に取り返しがつかない」46・6%という数字であった。
仮釈放の無い「終身刑」導入、「死刑廃止」を求める回答者の数字だった。
無期懲役という重罪でも若くて更正の意欲が認められる場合が対象となるが、少年犯罪者だった場合、30代で出所するケースも考えられる。遺族、被害者関係者も当然在命中ということで心情的な問題も大きい。
この問題は治安の良い日本だからこの重犯罪が目立った報道をされ、死刑論者が高い数字を維持するのであり、
日本の数十倍の重犯罪の発生する国での報道の在り方とも大きくかかわってくる。
マスコミが重犯罪に無関心となれば死刑廃止論者が増えて廃止となる可能性が高くなる。マスコミの扱い。体制の問題。
国家の世論構成がどのようなプロセスで為されているか。言論の自由・信教の自由・仏国のイスラム問題。多様な意見を一つの方向に合意形成するプロセスはなんとも難しいものだ。